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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(4): 536-540 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930536

みにれびゅうMini Review

initiation regionを介したプロテアソームによるタンパク質分解制御Regulation of proteasomal degradation via initiation region

公益財団法人東京都医学総合研究所基礎医科学研究分野蛋白質代謝プロジェクトProtein Metabolism Project, Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science ◇ 〒156–8506 東京都世田谷区上北沢2–1–6 ◇ 2–1–6 Kamikitazawa, Setagaya-ku, Tokyo 156–8506, Japan

発行日:2021年8月25日Published: August 25, 2021
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1. はじめに

ユビキチン・プロテアソーム系は細胞内の主要な選択的タンパク質分解経路である.E1–E2–E3酵素群によりユビキチン化されたタンパク質をプロテアソームが正確に分解することによって,あらゆる生命現象を維持している.プロテアソームの活性異常は多くの疾患と関連しており,がん細胞においてプロテアソームの活性異常がみられる他,加齢に伴うプロテアソームの機能低下は異常タンパク質の蓄積を引き起こすことなどが知られている.したがって,プロテアソームによるタンパク質分解制御機構の深い理解は多様な生命現象の解明・疾患治療戦略の開発へつながると期待されている.

効率よくプロテアソームに分解される基質には二つの大きな特徴がある.まず一つ目は,よく知られたユビキチン化である.プロテアソームの19S regulatory particle(RP)上には少なくとも3種類のユビキチン受容体があり,それらを使い分けることで多様な基質を認識できる構造基盤を形成している1, 2).しかしながら,プロテアソームによる分解であってもユビキチン化を必要としない基質,またユビキチン化されていてもプロテアソームによる分解を受けにくい基質も存在する.そこで二つ目の因子として,プロテアソームによる分解開始領域となる基質上で不安定な構造を形成するアミノ酸配列が必要であることが判明してきた3, 4).我々はこの部位をinitiation regionまたはinitiation siteと呼んでいる(図1).基質はinitiation regionから解きほぐされることによってプロテアソーム内部へ続く19S上の狭い開口部を通過できるようになり,最終的にプロテアーゼ部位を持つ20S core particle(CP)へ運ばれることによって分解される.

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図1 プロテアソームによる基質認識モデル

プロテアソームは19S RP上にユビキチン受容体を持ち,ユビキチン化された基質と結合する.中央の開口部を通過したinitiation regionはAAAチャネル内部でプロテアソームと結合し,解きほぐしを受けながらプロテアーゼサブユニットを持つ20S CPへと運ばれる.文献4より一部改変して使用.

ここ数年間でinitiation regionを介して基質と結合したプロテアソームの構造が解かれており5, 6),initiation regionの重要性がいっそう明らかとなってきている.本稿ではこれまでの研究によって明らかとなったinitiation regionの性質・特徴を概観した後,筆者らが見いだしたプロテアソームによるinitiation regionを介した基質選択の具体例について紹介する.

2. initiation regionを介したプロテアソームの基質選択

1)initiation regionの性質は基質の安定性を決定づける

ユビキチン化はあくまでプロテアソームが基質を認識するためのものであり,解きほぐし,そして分解を受けるためにはプロテアソームがinitiation regionを“つかむ”ことが必要である.タンパク質は紐状のアミノ酸配列が折りたたまれたものであるため,それを解きほぐすにはどこかつかみやすい場所があると効率がよいわけである.すなわちinitiation regionとプロテアソームの親和性は基質の選択や分解効率を大きく左右することとなり,そのアミノ酸配列や構造的特徴から基質の安定性を推し量ることができる.initiation regionの同定以来,さまざまなモデル基質を用いた生化学的,そして生物統計学的解析により,“よい”initiation regionの持つべき条件が明らかとなってきた4)

2)長さ・空間配置

まずは基質がユビキチンを介してプロテアソームと結合した際に,initiation regionが十分に長く,かつ空間的に適切な位置になければ分解を始めることができない図2A, B7).19S上の開口部を通過したinitiation regionはプロテアソームの“手”となるループ構造を持つAAAチャネルに到達しなくてはならず(図1参照),具体的には少なくともおおよそ30アミノ酸以上の長さが必要である.initiation regionは必ずしも末端である必要はなく,内部に存在してもよい(図2C).ただしこの場合ループ状のinitiation regionを摘まみ出す形となるため,末端にある場合と比べて倍以上の長さが必要であると考えられる.なお,非構造領域の長さが足りないタンパク質は決してプロテアソームによって分解されないというわけではなく,分子シャペロンp97/VCP/cdc48が基質に付加されたユビキチンを解きほぐすことでinitiation regionを作り出すことも知られている8)

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図2 Initiation regionを介した基質選択モデル

“よい”initiation regionは適切な空間配置をとりつつ(A),十分な長さがあり(B, C),プロテアソームと親和性の高いアミノ酸組成(D)によって構成されている必要がある.場合によってはユビキチン化された複合体を介して(E),またユビキチンを介さずに直接プロテアソームに認識される(F)ことも可能であり,一方で基質とプロテアソームを仲介するタンパク質の存在も予想される(G).文献4より一部改変して使用.

3)電荷・アミノ酸組成

加えて,initiation regionとチャネルの親和性が高くなければならない(図2D).プロテアソームの“手”が存在するAAAチャネル内部は負に帯電しており,さらにpore-1 loopと呼ばれるプロテアソームのメインの“手”は,[–Tyr–(疎水性アミノ酸)–Gly–]というコンセンサス配列で構成されている.したがって,大まかな傾向としてプロテアソームは負に帯電した疎水性の低い配列の分解は苦手である.ただし,poly-GA等といった反復配列の場合はプロテアソームが詰まってしまうため,initiation regionはある程度ランダムなアミノ酸で構成されている必要もある.

4)特殊な例

その他,initiation regionを持つ基質が直接ユビキチン化を受けていなくても複合体を形成するタンパク質がユビキチン化を受けていれば分解は可能であり(図2E),一方でinitiation regionとプロテアソームの親和性が非常に高ければユビキチンを介さず直接プロテアソームに認識されることも可能である(図2F).また実証はされていないものの,ユビキチン鎖とinitiation regionの位置関係を調整する補助タンパク質,またユビキチンを介さず基質とプロテアソームを直接介在するアダプタータンパク質の存在も考えられる(図2G).

以上のようにinitiation regionはプロテアソームに接近した基質が最終的にプロテアソームにより分解を受けるか,すなわち,基質の安定性を決定づける因子である.しかしながらこれらの知見は主にモデル基質の分解効率により明らかになったものであり,initiation regionがいかに細胞内でプロテアソームの基質選択を制御しているのか,その生理的機能は不明確であった.

3. Rbタンパク質のアミノ酸配列内部に隠されたinitiation region

1)HPV E7依存的なRb不安定化機構

以下に述べるように,我々は露出するinitiation regionの性質によって安定性を変化させるタンパク質を,ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)による子宮頚がん発症機構において発見した9).HPVは子宮頚がんの主因であり,特にその高リスク型ではウイルスタンパク質が宿主細胞のがん抑制因子を破壊することによって形質転換を行うことが知られている10).たとえば,HPV E6タンパク質はE6APを介してp53をユビキチン化することによってプロテアソームによる分解へと導く.一方,HPV E7タンパク質(以下E7)はもう一つの主要ながん抑制因子であるRbタンパク質(retinoblastoma protein:以下Rb)を不安定化するが,その分解の詳細な分子機構は不明瞭のままであった.E7がRbと強く結合することに加え,E7はプロテアソームのサブユニットの一つとも結合するという報告があったため,E7がRbとプロテアソームを仲介するアダプターであると長らく考えられてきたが(図2G参照)11),この仮説はいまだ実証されていない.

その後,独立した二つのグループから新たな説が発表された.一つはE7がCullin型E3 ligaseを介してRbをユビキチン化するというもので12),これはE6がp53を破壊する分子機構と類似している.しかし他のグループからは,E7はプロテアーゼであるカルパインと結合し,カルパインをRbへと運ぶ際にRbを切断,そしてこの切断がさらにプロテアソームによる分解を引き起こすというモデルが発表された13).しかしながらこれ以降も統一された見解はなく,E7によるRb分解機構は詳細不明のままであった.

ここで我々は,特に後者のRbのE7依存的分解にはカルパインによるRbの切断が必要であるという報告に着目し,この切断によりRbのinitiation regionの性質が変化することがその安定性を制御しているという仮説を立てた.

2)RbのC末端はカルパインによる切断によってアミノ酸組成が大きく変化する

Rbは複数のフォールディングされた領域が長短さまざまな非構造領域によって挟まれているドメイン構造をとっており,カルパインによってLys 810残基のC末端側が切断されると新たな非構造領域が露出する(図3A).この切断部位周辺のアミノ酸配列をみると,ある特徴が見つかる.すなわち,アスパラギン酸やグルタミン酸といった負に帯電するアミノ酸が切断部位より後ろに多くみられ,特に全長Rb本来のC末端を含む一部領域に集中している(図3B).前述のように,負に帯電するアミノ酸はプロテアソームに認識されにくいinitiation regionを形成することが判明しているため,プロテアソームはRb本来のC末端からの分解を好まないことが予想される.一方切断により露出する領域には疎水性アミノ酸が多くみられ,プロテアソームに好まれやすいアミノ酸配列であると見込まれる.これらの特徴を踏まえた上で,Rbの安定性を評価することとした.

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図3 HPV E7はRb配列内部に隠されたinitiation regionを露出させる

(A)Rbのドメイン構造.白色部分は非構造領域を示す.Rbは2種類の構造ドメイン(RbNおよびPocket)と,helix-turn-strand構造をとるRbCCoreを持つ.*印はカルパインによる切断部位を示す.(B)RbのC末端領域のアミノ酸配列.カルパインによる切断部位(K810)と,負電荷を持つアミノ酸[アスパラギン酸(D),グルタミン酸(E)]を強調した.(C)Rb野生型(WT)と変異体(Rb1-810およびRb1-810-YFP)の分解速度をpulse-chase実験により評価した.記載のある場合,16型E7(16E7)を共発現させ,Rbのユビキチン化とカルパインによる切断を亢進させた.文献9より一部改変して使用.

3)E7はカルパインとCullin型E3 ligaseを介してRbを不安定化させる

まずは先行研究の検証を行うため,E7をHEK293T細胞に発現させ,阻害剤を用いてRbの安定性の変化を評価した.E7を発現させると予想どおりRbが不安定化したが,この際,カルパイン阻害剤,そしてCullin型E3 ligase阻害剤を加えると,Rbのタンパク質量が回復した.さらにプロテアソーム阻害剤でもRbが安定化したことから,E7依存的なプロテアソームによるRbの分解にはカルパインとCullin型E3 ligaseの両方が寄与していることが確認され,二つの先行研究をどちらも再評価することができた.

4)Rbの分解速度はC末端により制御される

続いてpulse-chase実験により,Rbの分解速度を検証した(図3C).野生型Rb(WT)の分解は,16型E7(16E7)を共発現させると大幅に加速した.カルパインによって切断を受けた型を模倣したRbの変異体(Rb1-810)は,野生型Rbに16E7を共発現させた場合とほぼ同様,すばやく分解された.切断模倣型のRbに16E7を共発現させると,さらに分解速度が上がった.これは16E7によってRb変異体のユビキチン化が亢進したためだと考えられる.さて,ここで我々の目的は,切断模倣型Rbが分解効率のよいinitiation regionを露出していることを示すことである.そこで,切断模倣型RbのC末端にフォールディングされたタンパク質であるYFPを付加し,露出していた非構造領域を塞いだところ(Rb1-810-YFP),ほとんど分解されなくなった.すなわちカルパインの切断によって露出される領域は,Rb分解における主要なinitiation regionとなっていることが判明した.ここにさらに16E7を共発現させユビキチン化を促進させても,Rb1-810-YFPは安定化したままであった.これはプロテアソームがRbを分解する際に,切断によって露出する領域がいかに重要であるかを裏づけている.

最終的に,Rb本来のC末端,および切断により露出する領域をモデル基質に付加し,酵母での発現,精製プロテアソームを用いたin vitro分解アッセイによって評価したところ,予想どおり切断によって露出する領域を付加した場合のみ分解が観察された.以上から,Rbはカルパインによる切断を受けることでプロテアソームが認識できるinitiation regionの質が大きく変化し,効率よく分解されることが判明した.本成果は,長らく不明瞭であったE7依存的なRb分解機構を解明したと同時に,露出するinitiation regionの質により安定性を変化させる天然タンパク質の初めての例の発見でもあった.

4. おわりに

今日まで,プロテアソーム基質の安定性を判断する際には基質が受けるユビキチン化の程度のみが注目されてきた.たとえば細胞周期の進行過程では,その調節タンパク質に付加されるユビキチン鎖長が順序よく調節され,その順番どおり正確にプロテアソームが分解することが知られている14).今回の我々の成果は,このユビキチン化と並び,タンパク質の安定性の評価にはinitiation regionの性質も同様に考慮されるべきであることを強く示したこととなる.さらに,他のプロテアーゼと協調したプロテアソームによるタンパク質分解といった,新たなタンパク質分解機構解明の足がかりとなることも期待される.

また昨今,PROTACやSNIPERに代表される,任意のタンパク質をプロテアソームによって分解させるプロテインノックダウン法の開発も盛んであるが15),基質の人為的なユビキチン化に成功しても,その分解効率は必ずしもよいとは限らないという.その場合の説明の一つとして,ユビキチン化された基質がプロテアソームと結合した際にinitiation regionが適切にプロテアソームに配向されていないことが考えられる(図2参照).本稿が,基質がユビキチン化を受けた後,どのようにプロテアソームにフィットして分解されうるのかを考えるきっかけとなれば幸いである.

謝辞Acknowledgments

本研究はテキサス大学オースティン校Matouschek Labでの成果である.留学生活を支えていただいた多くの方に,この場を借りて感謝申し上げたい.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

冨田 拓哉(とみた たくや)

公益財団法人東京都医学総合研究所基礎医科学研究分野主任研究員.博士(薬科学).

略歴

1988年生まれ.東京都出身.2011年東京大学薬学部薬科学科卒業.16年同大学院薬学系研究科博士課程修了(日本学術振興会特別研究員DC1).16~20年テキサス大学オースティン校博士研究員.20年10月より現職.

ウェブサイト

https://www.igakuken.or.jp/pro-meta/index.html

趣味

オーケストラ,室内楽活動.バイオリン,ビオラなど.

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