生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 93(5): 596-603 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930596

特集Special Review

超硫黄分子の化学的特性の考察Chemical properties and reactivity of supersulfide

名古屋市立大学大学院薬学研究科Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Nagoya City University ◇ 〒467–8603 名古屋市瑞穂区田辺通3–1 ◇ 3–1 Tanabe-dori, Mizuho-ku, Nagoya, Aichi 467–8603, Japan

発行日:2021年10月25日Published: October 25, 2021
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超硫黄分子は硫黄原子の化学特性に基づく興味深い反応性を有している.硫黄原子どうしの結合は3d軌道への電子共鳴により安定化しており多様な反応性を示す要因になっている.超硫黄分子ポリスルフィドは,分極誘導を介したいわゆるソフトな反応性を示し,電子供与剤(求核剤)としても電子受容剤(求電子剤)としても反応しうる.特徴的な反応として求核置換反応によりポリスルフィドアニオンを,酸化反応により酸化型超硫黄分子を生成すると考えられる.ヒドロポリスルフィドはpKa値が小さく生理的環境下ではポリスルフィドアニオンとして存在し,ポリスルフィドどうしや一酸化窒素(NO)と反応して複雑な相互作用ネットワークを形成する.ポリスルフィドなどの超硫黄分子の生体内反応を考察するときはpHや周辺タンパク質アミノ酸残基など環境の影響を考慮する必要がある.

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