超硫黄分子を検出するための蛍光プローブ開発
慶應義塾大学薬学部・大学院薬学研究科 ◇ 〒105–8512 東京都港区芝公園1–5–30
発行日:2021年12月25日
H2Sは,2000年ごろよりCOやNOに次ぐ第三のガス状シグナル物質として,血管拡張や炎症などに関与する含硫黄分子として注目されてきた.さらに近年では,これまでにH2Sの生理機能と思われてきた生命現象の多くが,酸化数0の硫黄原子であるサルフェン硫黄(sulfane sulfur:S0)を含む含硫黄分子である超硫黄分子によるものと考えられるようになっている.このような研究の流れに呼応して,これら含硫黄分子を生体内で検出するためのさまざまな蛍光プローブが開発されてきている.このような蛍光プローブを用いることで,in celluloおよびin vitroでH2Sや超硫黄分子を簡便に,かつリアルタイムに検出することが可能となり,さまざまな生命現象の解明に貢献している.本稿では,現在,超硫黄分子に関する研究分野で汎用されている蛍光プローブについて,その含硫黄分子の検出メカニズムとともに紹介する.
© 2021 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2021-09-03T15:09:06.001+09:00
This page was last modified on 2021-10-14T14:07:11.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。