超硫黄分子の新規分析方法の開発
大阪府立大学大学院理学系研究科生物科学専攻 ◇ 〒599–8531 大阪府堺市中区学園町1–1
発行日:2021年10月25日
生体内レドックスホメオスタシスは,親電子性物質の産生・除去・代謝を介して,精密に制御されている.システインパースルフィド(CysSSH)などの超硫黄分子は,種横断的に生体内で内因的に産生され,強力な抗酸化活性・レドックスシグナル制御活性を示す生理活性物質である.近年,超硫黄分子のユニークな化学特性が徐々に明らかにされるとともに,さまざまな新規分析技術が開発され,タンパク質翻訳時にCysSSHが新生鎖ペプチドに取り込まれることや,哺乳動物のミトコンドリアにおいてCysSSHとその関連硫黄代謝物がエネルギー生成およびミトコンドリア生合成に利用されていることなど,多彩な細胞機能に関与することが報告されてきている.さらに,疾患との関連や,食品中の超硫黄分子の存在様式についての知見が集まりつつある.
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