生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 93(5): 666-673 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930666

特集Special Review

超硫黄分子の抗炎症作用Anti-inflammatory effects of supersulfides

熊本大学大学院生命科学研究部微生物学講座Department of Microbiology, Graduate School of Medical Sciences, Kumamoto University ◇ 〒860–8556 熊本市中央区本荘1–1–1 ◇ 1–1–1 Honjo, Chuo-ku, Kumamoto 860–8556, Japan

発行日:2021年10月25日Published: October 25, 2021
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炎症は病原体や異物の侵入,さらにはそれによる組織損傷などが起こると誘導され,起因物質の排除を通じて生体の恒常性を維持する重要な生体防御反応の一つである.しかし,炎症が収束できずに,過剰な活性化や慢性化が起こるとさまざまな疾患の原因となる.近年,細胞内で産生される超硫黄分子が炎症の制御に密接に関わることが明らかとなってきた.筆者らは,超硫黄分子ドナーを開発し,細胞内超硫黄分子がマクロファージの炎症応答シグナルとサイトカインの産生を阻害することを見いだした.この超硫黄分子ドナーは致死性エンドトキシンショックを起こしたマウスに対して劇的な治療効果を示した.また筆者らは,自然炎症の一つであるインフラマソームの活性化には細胞内グルタチオンや超硫黄分子の細胞外排出が引き金となっていることを発見した.今後,炎症性疾患に対する超硫黄分子を基軸とした治療戦略の構築が期待される.

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