心筋の頑健性と超硫黄分子代謝
1 九州大学大学院薬学研究院生理学分野 ◇ 〒812–8582 福岡県福岡市東区馬出3–1–1
2 自然科学研究機構生命創成探究センター(生理学研究所)心循環シグナル研究部門 ◇ 〒444–8787 愛知県岡崎市明大寺町字東山5–1
発行日:2021年10月25日
心筋は,動物が生まれてから死ぬまで入れ替わることなく,常に拍動し続けるきわめて頑健な細胞である.最近の研究から,システインパースルフィド(CysSSH)やポリスルフィド(CysSnH)に代表される硫黄原子が複数連なった,電子授受能に優れた分子種(超硫黄分子)が,ミトコンドリアの形態機能維持を介して心筋のストレス抵抗力に寄与することが明らかになってきた.本稿では,超硫黄分子によるミトコンドリアのエネルギー代謝や品質管理維持の分子制御機構および心臓におけるその病態生理学的意義について,筆者らの最新の知見を紹介する.
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