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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(5): 708-716 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930708

特集Special Review

超硫黄分子の化学と代謝超硫黄生物学の創成とオミックス先制医療への展望Chemistry and metabolism of supersulfides: Perspective for supersulfide biology and omics medicine

東北大学大学院医学系研究科環境医学分野Department of Environmental Medicine and Molecular Toxicology, Tohoku University Graduate School of Medicine ◇ 〒980–8575 仙台市青葉区星陵町2–1 ◇ 2–1 Seiryo-machi, Aobaku, Sendai, Miyagi 980–8575, Japan

発行日:2021年10月25日Published: October 25, 2021
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近年,システインパースルフィドなどの超硫黄分子が生体内で大量に合成され,多彩な生理機能を発揮していることが明らかとなった.これを口火にして超硫黄分子の多彩な生理活性が国内外で大きな注目を浴びている.超硫黄分子は,酸素や活性酸素と類似した反応性を有する反面,酸素にはみられない化学的反応性を有する.一方で,生体内では加水分解平衡と求核・親電子反応によって複雑な反応性と分子形状をとっているため,これまでその実体には不明な点が多かったが,最近,その最先端計測技術である超硫黄オミックスが開発されたことで,超硫黄分子の主たる生合成経酵素として,タンパク質翻訳酵素であるシステイニルtRNA合成酵素が同定された.すなわち,細菌・原核細胞から真核細胞・哺乳類・ヒトまで種横断的,普遍的に発現されている超硫黄分子が生命に必須の硫黄依存型エネルギー代謝系,すなわち硫黄呼吸の担い手であることが明らかとなってきた.

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