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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(5): 754-759 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930754

みにれびゅうMini Review

硫化水素産生・代謝酵素の役割:ヒト遺伝病と病態モデルマウスからの知見Role of hydrogen sulfide producing and metabolizing enzymes: Insights from human genetic diseases and their mouse models

昭和薬科大学衛生化学研究室Laboratory of Health Chemistry, Showa Pharmaceutical University ◇ 〒194–8543 東京都町田市東玉川学園3–3165 ◇ 3–3165 Higashi-Tamagawagakuen, Machida, Tokyo 194–8543, Japan

発行日:2021年10月25日Published: October 25, 2021
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1. はじめに

古くから毒ガスとして認知されていた硫化水素(H2S)は,この20年は一酸化窒素(NO)と一酸化炭素(CO)に続く第三の生理活性ガスとして注目されている.生体内では,H2S(またはHSイオン)として,あるいはシステインパースルフィドに代表される活性硫黄分子種(reactive sulfur species:RSS)となって,各種生体内基質のチオール基をポリスルフィド化修飾(R-(S)nH)する.高濃度のH2Sはミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼを阻害し細胞呼吸を止める強い毒性を有するが,低濃度のH2Sはミトコンドリアをむしろ賦活化し抗炎症作用や毒物の解毒(緩衝)作用を発揮し,その生物学的影響はベル形の用量反応曲線を描く.近年は,H2S産生酵素だけでなく代謝酵素についても解析が進み,主要経路であるミトコンドリア内のH2S/ポリスルフィド動態が明らかにされつつある.本稿では,まれなヒト遺伝病のモデルとして作製されたH2S産生・代謝酵素の遺伝子欠損マウスの解析から判明した新しい知見を紹介する.

2. H2S産生酵素と代謝酵素

酵素阻害剤や遺伝子欠損マウスを用いたin vivo解析,あるいは培養細胞における遺伝子サイレンシングやリコンビナントタンパク質を用いた再構成系の実験などによるin vitro解析の結果から,神経機能調節・血管平滑筋弛緩・細胞保護など多彩な生理作用を有するH2Sは,cystathionine β-synthase(CBS),cystathionine γ-lyase(CTH),3-mercaptopyruvate sulfurtransferase(MPST)の三酵素により生体内で産生されると想定されている(図1).その他の内因性H2Sの発生源としては非酵素的経路あるいは腸管内の硫酸還元菌などの細菌叢が考えられ,無菌マウスでは循環系や胃・腸・脂肪組織などのH2S含量は半分以下と報告されている1).トランスポーターを介さず容易に脂質二重層を通過できるH2Sは,単純拡散により速やかに消失しそうであるが,実際は積極的に酵素的除去(代謝)される.活性酸素種や酸化型グルタチオン,ジスルフィド含有分子などによるスキャベンジング,肺からの呼気排泄なども行われるが,ミトコンドリア内での酸化がH2S除去の主要経路とされている(図11).H2Sは,ミトコンドリアマトリックスでsulfide-quinone oxidoreductase(SQOR),ethylmalonic encephalopathy 1(ETHE1),thiosulfate sulfurtransferase(TST;通称ロダネーゼ),sulfite oxidase(SUOX)によって段階的に,しかし急速に酸化され,それぞれパースルフィド,亜硫酸塩,チオ硫酸塩,硫酸塩を形成する(図1).H2Sに高い親和性を有するSQORにより,遊離H2Sは通常急速に(数秒から数分以内に)除去される1)

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図1 ミトコンドリアと細胞質におけるH2S動態と関連酵素

3MP:3-mercaptopyruvate, GS:グルタチオン,GSS:グルタチオンパースルフィド,GSSG:酸化型グルタチオン,UCP1:uncoupling protein 1.

3. H2S産生酵素の遺伝子欠損マウス

1)Cbs欠損マウス

H2S(/RSS)産生酵素のCBSとCTHは,Met代謝過程で派生するホモシステイン(Hcy)からCysを生合成するのに必須のtranssulfuration経路の酵素である(図1).1962年に発見されたCBS先天欠損による遺伝病の(I型)ホモシスチン尿症(homocystinuria;OMIM 236200)は,わが国では1977年より新生児マススクリーニングの対象となり,2019年までに218名が発見されている(発見率1/234,300).患者は血栓塞栓症,精神遅滞,水晶体偏位,マルファン様骨格異常などを示し,未治療の場合20歳代から脳卒中や心筋梗塞により死亡するため,発見直後から治療が開始される.1995年に作製されたCbs欠損マウスはJackson研究所に預託され,世界の研究者に利用されてきた.ホモ欠損マウス(C57BL/6J背景)は極端な成長障害と脂質代謝異常(脂肪肝)を呈して,4週齢までにその多くが死亡する2).死亡する前の2週齢個体は,ヒト患者同様高Hcy・Met血症およびホモシスチン尿症を示すとともに,必須アミノ酸のThrを含む中性アミノ酸の異常な尿中排泄を示すが2),それが成長障害の一因とも考えられる.遺伝的背景のC3H/HeJへの置換により,Cbsホモ欠損マウスの成体での解析を可能とした我々は,学習記憶障害や小脳発達不全3),絶食による心虚血再灌流障害からの心筋保護効果の欠失などを見いだしている.Cbsヘテロ欠損マウスでは血栓塞栓形成傾向が確認されているが,理論上1/500ほどの頻度でいるCBSヘテロ欠損者の潜在的疾患リスクが懸念される.

2)Cth欠損マウス

CTH先天欠損による遺伝病のシスタチオニン尿症(cystathioninuria;OMIM 219500)は,1959年に発見されて以降,特徴的な臨床症状は示さない生化学的異常と認識され,報告例もわずかで詳しく調べられていない.Cth遺伝子欠損マウスの作製も遅れ,2008年にカナダのWangら4),そして2010年に我々5)が報告した.どちらのホモ欠損マウスも見かけ上正常に成長するが,Wangらのマウスは(ヘテロ欠損マウスも)7週齢以降に最大20 mmHg程度の高血圧を呈するようになり,一方我々のホモ欠損・ヘテロ欠損マウスはともに正常血圧であった.この違いが遺伝的背景や餌の違いなどによるか否かは不明である.いずれも一見正常に成長するため,それぞれさまざまな解析が行われてきた.我々は,Cthホモ欠損マウスが低Cys食や高Met食,酸化ストレスやアセトアミノフェン,カドミウムや有機水銀等の重金属毒性に脆弱なことなどを報告してきた5).生化学的には,ホモ欠損個体は高Hcy・シスタチオニン血症,シスタチオニン尿症を示したが,(Cbs欠損マウスと異なり)それ以外のアミノ酸の異常な尿中排泄は確認していない2).ほぼシスタチオニンに限定した尿症を呈する点で数少ない患者報告例と一致し,それゆえ一貫した症状のない同患者の尿中シスタチオニンを測定しない限り発見されず,それが限られた報告例の理由と思われる.次に,Cbs欠損マウスとCth欠損マウスの比較による我々の最近の知見を紹介する.

a. Cbs欠損マウスの中枢異常の原因について

transsulfuration経路のそれぞれ上流下流の酵素であるCBSとCTHは,遺伝子欠損により基質(前駆体)であるHcyの血中蓄積が同様に起こるにもかかわらず,大きく異なる表現型を示すのはなぜか? 我々は中枢異常の有無に着目して,2週齢時の血液と脳脊髄液(cerebrospinal fluid:CSF)中のアミノ酸組成を調べた6).その結果,Cbs欠損マウスで血中高蓄積するMetとHcy(3.4 mMと263 µM;野生型マウスは134 µMと13 µM)はCSF中でも高蓄積しており(488 µMと26 µM;野生型マウスは24 µMと1 µM),一方Cth欠損マウスの血中のMetとHcyは187 µMと184 µM, CSF中は25 µMと7 µMにすぎなかった(図2).一般にCSF中のアミノ酸レベルは,血液脳関門を挟んで血中とは独立して制御される.一部のアミノ酸(GluやGly, Asp)は神経伝達物質として記憶・学習など脳高次機能に重要であり,食事により血中に入るアミノ酸にその脳内レベルが容易に左右されてはならないので,当然ではある.Cbs欠損マウスのCSF中に特にMetとHcyが高蓄積する理由として,①CBSは(CTHと異なり)脳内で発現しており,その欠損による代謝影響が他臓器とは独立して起こる,②Hcyは血管内皮細胞とともに血液脳関門を傷害する(一方でH2SはそのHcyによる傷害を減弱する)ことが知られており,その血中濃度差[184 µM(Cth欠損)に対し263 µM(Cbs欠損)]により,あるいはそれと高Met血症(3.4 mM)とのコンビネーションにより障害が生じるなど考えうるが,②の場合でもすべてのアミノ酸を自由に通すわけではなく,ある程度の制御の範囲で,特に顕著に高濃度のMetが血中より漏出すると考えられる(図2).マウスにMetを過剰投与すると,ある種の中枢神経症状(統合失調症様症状)が惹起されることから,これがCbs欠損における中枢異常の原因かもしれない.2週齢マウスよりCSFを脳室穿刺により採取する際,その採取量はCbs欠損マウスでは同体重の野生型やCth欠損マウスよりは明らかに少なかった6).若齢期のCbs欠損マウスは,脂肪肝を呈するものの肝機能自体はそれほど障害されておらず,このCSF漸次漏出等による低髄液圧症が死因とも考えられる.

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図2 CbsおよびCth欠損2週齢マウスにおける循環血・CSF中のMet・Hcy濃度比(文献6をもとに作成)

b. Cth欠損母親マウスの育児不良の原因について

以前よりCthホモ欠損母親マウスに育児不良が散見(全個体ではない)されていたが,それに関する新知見が得られた.CTHは妊娠期に腎臓,授乳期に肝臓で発現が亢進するが,それは前者によりHcyを効率よく除去して胎仔の神経管閉鎖障害を防ぎ,また後者により産仔の成長に必要なCysを供給する(授乳期の産仔は肝CTH活性が低い7)などによりCys生合成能が低く,Cysは準必須アミノ酸とされる)ためと考えられる.そして通常,マウスの血圧は妊娠期に下がるが,Cth欠損母親マウスでは下がらず,なおかつタンパク尿を呈して妊娠高血圧腎症様の状態を示していた8).ヒトの重症例では胎児の発育不良や中枢機能不全,母親の子癇(けいれん)や頭痛,吐き気なども報告されており,妊娠期のCth欠損マウスが神経質な状態にある可能性が考えられた.またCth欠損マウスは末梢性オキシトシン応答(子宮平滑筋弛緩や射乳)が減弱しており,産仔の出産や哺育に影響を与えると示唆された8).血中高蓄積するHcy(野生型マウスの9 µMに対し188 µM;図3)が,ペプチドホルモンであるオキシトシン(oxytocin:Oxt)分子内Cysジスルフィド結合を切断し,そのシグナルを遮断することも考えられる.高Hcyミルクを介した産仔の高Hcy血症は確認されず(図3),きちんと子育てするCthホモ欠損母親マウスもいることから,やりくりの範囲内で何とかなる場合もあるということであろう.Oxt受容体欠損マウスでは母性行動や社会性行動の低下などの中枢性応答の減弱もみられるが,Cth欠損マウスでそれらが正常なのはCSF中ではHcyがそれほど貯まらない(0.2 µM以下[野生型]に対し3.6 µM;図3)ことによるのかもしれない9)

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図3 Cth欠損母親マウスの育児不良につながる末梢性Oxt作用減弱(と正常な産仔)を説明する循環血(母親と産仔)・CSF・ミルク中Hcy濃度(野生型母親マウスとの比較;産仔はヘテロ欠損;文献9より引用)

3)Mpst欠損マウス

MPSTは,cysteine aminotransferase(CAT)によるCysの脱アミノ代謝物である3-mercaptopyruvate(3MP)からSH基をチオレドキシンなどの他のSH基含有分子に転移する過程でH2Sを産生する(図1).1968年に3MP酸化物である3-mercaptolactateとCysの結合物が尿中蓄積するmercaptolactate-cysteine disulfiduria(MCDU:メルカプト乳酸–システインジスルフィド尿症;OMIN249650)が精神遅滞を示す患者に発見され,1981年にそれがMPST欠損により起こりうると報告された.その他の症状として,大発作けいれんや平坦な鼻梁や高口蓋などの異常が報告されたものの,こちらも発見例は限られ,病態の詳細は不明である.Mpst欠損マウスは2013年に永原らによって最初に作製報告され,見かけ上正常で繁殖もするが,不安傾向を持つことが示された10).関節石灰化実験で増悪傾向を示し,若齢期には心筋虚血再灌流障害実験における感受性が下がり,また加齢とともに高血圧や心肥大を発症しやすくなる等も報告されている.その後,本マウスではその相同酵素であるTstの肝臓発現が増えており,両遺伝子がマウス15番染色体上の極近傍にあってhead-to-headでオーバーラップ(互いの遺伝子内に互いのプロモーターが存在)していることから,Mpst遺伝子欠損の作業工程でTst遺伝子に影響した可能性も示唆される(ヒトでは22番染色体で極近傍).独立してMpst欠損マウスを作製した我々は,Tst発現に影響はないこと,やはり見かけ上は正常だが,受動的全身性アラフィラキシー応答(低体温応答)が亢進していることを報告した11).ミトコンドリア内でのH2Sの供給は,SQOR-複合体IIを介したプロトン勾配を発生させ,ATP産生だけでなくuncoupling protein 1(UCP1)による熱産生に寄与するともいわれている(図1).

4. H2S代謝経路の遺伝子欠損マウス

1)Sqor欠損マウス

SQORは,H2Sからの二つの電子をコエンザイムQ(CoQ)に渡しつつ,グルタチオン(GS)と亜硫酸(SO32–)をそれぞれグルタチオンパースルフィド(GSS)とチオ硫酸(S2O32–)に変換するミトコンドリア酵素である(図1).SQOR欠損症(SQOR deficiency;OMIN619221)は2020年にFriederichらにより2人の姉妹が記載されたばかりで,1人は強直性痙攣や嘔吐他で4歳で,もう1人は偏頭痛や発熱,吐き気や嘔吐などのさまざまな症状を示し8歳で亡くなり,姉妹の父親の若い時分の同様病態も報告されている.Sqorホモ欠損マウスも2020年にChengら12),2021年に市瀬ら13)により作製されたばかりで,いずれも著しい成長不良により8~10週齢までに死亡する.ChengらはSQORによるH2S代謝が活性酸素種産生を介して電子伝達系を脱共役方向に導くこと12)図1),市瀬らはSQORが硫化物除去により低酸素(虚血)による脳障害から神経細胞を保護すること13)を報告しているが,ヒト病態との関連はいまだ不明である.CoQ欠乏によりSQOR活性と発現が低下することが報告されており,原発性CoQ欠乏症の症状との関連が示唆されている.

2)Ethe1欠損マウス

ETHE1は,パースルフィドを酸化するミトコンドリアにある鉄含有ジオキシゲナーゼである.1991年に発達遅滞と先端チアノーゼ,点状出血などを伴うエチルマロン酸脳症(encephalopathy, ethylmalonic;OMIN602473)の患者が発見され,2004年にTirantiらによりそれがETHE1遺伝子の変異によることが報告された.2009年に同じくTirantiらにより作製されたEthe1欠損マウスは,組織にパースルフィドとチオ硫酸塩を蓄積し,尿中にもチオ硫酸塩を大量排泄する14).そして,これらの硫化物がシクロオキシゲナーゼと短鎖脂肪酸のβ酸化を強力に阻害し,同脳症の主徴の一つである微小血管障害を説明する血管作働性と血管毒性を発揮する14).ヒト患者は乳児死亡例が多く,同欠損マウスも2週齢以降成長遅延が著しくなり,5週齢までに亡くなる14)

3)Tst欠損マウス

TSTは猛毒のシアンイオン(CN)をチオシアン酸イオン(SCN)に弱毒化するロダネーゼとして有名であるが,このロダネーゼ活性はMPSTも有する(TSTはH2Sは産生しない).TST欠損によるヒト遺伝病の報告例はない.TSTとMPSTはともにミトコンドリア内に発現し,チオレドキシンやグルタチオンなどを基質とする硫黄転移反応に寄与すると考えられているが,主要な生理基質はいずれも不明である.発現部位と基質によりTSTとMPSTが何らかの機能補完をしている可能性も考えられる.2016年MortonらによりTst欠損マウスが作成され耐糖能異常が示されたが15),その遺伝子欠損の際に近傍Mpst遺伝子の発現に影響していないか等は調べられておらず,このマウスに関する報告はその後途絶えている.

4)Suox欠損マウス

SUOXは硫化物酸化の最終酵素で亜硫酸塩より硫酸塩を生成し,その欠損による亜硫酸オキシダーゼ欠損症(sulfite oxidase deficiency;OMIM272300)では,組織内に亜硫酸塩,チオ硫酸塩,S-スルホシステインが蓄積し,致命的な神経機能障害(新生児期から難治性けいれん,その後進行性の神経発達遅滞)により多くが小児期に亡くなるが,現在効果的なその治療法はない.Suox欠損マウス作製の報告はない.

5. おわりに

H2S産生・代謝に関わる酵素の遺伝子欠損によるヒト遺伝病患者と病態モデルマウスを比べると,CBS, SQOR, ETHE1あるいはSUOXの遺伝子欠損の場合のように,胎生致死ではないが若齢期で(半)致死性を示し重篤な精神遅滞を伴うなどQOLがきわめて低いもの,そしてCTH, MPST, TSTの遺伝子欠損の場合のように,一見正常にみえるが各種インターベンションにより脆弱性を示すものに大別できる.モデルマウスが必ずしもヒト病態を反映するわけではないが,今後も引き続き,病態の理解やH2Sに関連する治療法の開発に貢献することが期待される.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

赤星 軌征(あかほし のりゆき)

昭和薬科大学衛生化学研究室准教授.博士(医学).

略歴

1972年鹿児島県に生る.95年九州大学理学部卒業.2008年群馬大学大学院医学系研究科博士課程修了.国立精神・神経センター,慶應義塾大学医学部,ERATO末松ガスバイオロジープロジェクト,秋田大学医学部を経て,2016年より昭和薬科大学講師.20年より現職.

研究テーマと抱負

含硫アミノ酸代謝酵素やリゾリン脂質受容体などの遺伝子欠損マウスの生化学,生理学,免疫学,行動学的な解析を通して,ヒトにおけるアミノ酸代謝異常・硫黄代謝異常による疾患の理解や治療法確立に貢献したい.

ウェブサイト

http://www.shoyaku.ac.jp/research/laboratory/eisei/teacher/123

趣味

野外散策,きのこ狩り.

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