ユビキチンコードの構造生物学
鳥取大学工学部附属グリーン・サスティナブルケミストリー研究センター ◇ 〒680–8582 鳥取市湖山町南4–101
発行日:2022年2月25日
ユビキチンは翻訳後修飾因子として機能する小さなタンパク質で,標的タンパク質のプロテアソーム依存性の分解シグナルとして働くことが最もよく知られている.しかし,ユビキチン修飾系は免疫応答やDNA修復,選択的オートファジーなど,多様な細胞機能を制御することが次々と明らかとなってきた.ユビキチン修飾系が多彩である理由の一つとして,ユビキチン自身の七つのリシン残基およびN末端のアミノ基を介してユビキチンどうしが連結された,ユビキチン鎖の存在がある.連結様式の異なる8種類のユビキチン鎖は,それぞれのユビキチン鎖を特異的に認識するタンパク質によって認識されることで,異なる細胞機能を制御する.本稿では細胞内で特定のユビキチン鎖がどのように識別されているのか,その詳細な機構を構造生物学研究の観点から紹介する.
© 2022 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2022-01-17T15:36:19.855+09:00
This page was last modified on 2022-02-10T17:41:48.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。