生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 94(2): 180-187 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940180

特集Special Review

ミトコンドリア動態による幹細胞の分化制御Mitochondrial dynamics modulate stemness and cell differentiation

金沢大学がん進展制御研究所・新学術創成研究機構・ナノ生命科学研究所Cancer Research Institute, Institute for Frontier Science Initiative, WPI Nano Life Science Institute, Kanazawa University ◇ 〒920–1192 石川県金沢市角間町 ◇ Kakuma-machi, Kanazawa, Ishikawa 920–1192, Japan

発行日:2022年4月25日Published: April 25, 2022
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幹細胞は,それぞれの組織に特徴的で,かつ機能的な細胞に分化し,異なる組織・器官を形成する.これまでの研究で,さまざまな組織の細胞分化過程で,ミトコンドリアの形態は大きく変化し,ミトコンドリア形態制御因子の発現,またミトコンドリアの機能も変化することがわかってきている.シグナル伝達は,組織幹細胞の維持や細胞運命の決定に重要であり,近年の研究から,ミトコンドリアとNotch, Wnt, YAP/TAZシグナルとの関連が示されている.主にエネルギー合成をしているだけと考えられてきたミトコンドリアが,細胞の分化を制御しうる主要な因子であり,ミトコンドリア動態を標的とすることで,細胞運命決定を操作できる可能性が示唆される.本稿では,ミトコンドリア動態やその機能が持つ,細胞分化や組織の発達,さらに細胞のリプログラミング(初期化)における役割や意義について概説する.

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