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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(2): 236-257 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940236

総説Review

温度感受性TRPチャネルThermosensitive TRP channels

1自然科学研究機構生理学研究所細胞生理研究部門Div. Cell Signaling, National Institute for Physiological Sciences ◇ 〒444–8787 愛知県岡崎市明大寺町東山5–1 ◇ 5–1 Higashiyama, Myodaiji, Okazaki, Aichi 444–8787, Japan

2自然科学研究機構生命創成探究センター温度生物学研究グループThermal Biology Group, Exploratory Research Center on Life and Living Systems ◇ 〒444–8787 愛知県岡崎市明大寺町東山5–1 ◇ 5–1 Higashiyama, Myodaiji, Okazaki, Aichi 444–8787, Japan

発行日:2022年4月25日Published: April 25, 2022
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末梢感覚神経や上皮で環境温度を感知する分子として,Ca2+透過性の高い非選択性陽イオンチャネルのTRPチャネルが知られており,ヒトで11個の温度感受性TRPチャネルが報告されている.最初に発見された温度感受性TRPチャネルであるカプサイシン受容体TRPV1とワサビ受容体TRPA1等10個の温度感受性TRPチャネルの原子レベルの構造が報告されているが,温度によってチャネルが開口するメカニズムはいまだ明らかではない.温度感受性TRPチャネルはダイナミックな温度変化に曝露しない深部組織にも発現しており,細胞は環境温度を感知しながら生存し,生体内のさまざまな温度依存性機能に関わっていることが明らかになりつつある.また,動物は進化の過程で幅広い温度条件の環境変化に適応してきており,温度感受性TRPチャネルの機能変化もそれに関与することがわかってきた.

1. はじめに

環境温の感知は生存にとって重要な機能の一つであり,ヒトや鳥類などの内温(恒温)動物をはじめ,両生類,爬虫類,魚類といった外温(変温)動物,さらには無脊椎動物や単細胞生物に至るまで必須の機能である.これはすべての生理応答が温度に依存して変動するためで,それぞれに適した生育環境を得るために生物は多様な温度感知機構と温度適応性を発達させてきた.また,組織に損傷を起こす低温および高温は,侵害刺激として受容され忌避応答を惹起する.しかしながら,物理量である温度がいかにして神経活動に変換されるのか,そして温度知覚を担う温度センサーの分子実態が長らく不明のままであったが,1997年に哺乳類で初めての温度感受性分子としてTRPV1チャネルがクローニングされて以降1),一気に温度感覚に関する研究が進んだ.TRPV1クローニングを含む当該研究業績により,2021年にDavid Julius博士にノーベル生理学医学賞が授与されたことは,この発見が温度感受性TRPチャネル研究領域に限らず,広く神経科学研究分野に多大なる進展をもたらしたことを強く示している.本稿では,温度感受性TRPチャネルに関わるこれまでの研究の進展を我々の研究室の成果を中心に紹介したい.

2. 体温調節における温度受容器としての皮膚・神経

ヒト(内温動物)は深部体温を維持するために環境温をモニターして,行動性(着衣,運動,食物摂取など)あるいは自律性(ふるえ・非ふるえ熱産生,皮膚血管反応,立毛,発汗など)の体温調節を行う.このような調節は,体表面や深部組織に存在する温度受容器からの入力を受けた視床下部のニューロンが最上位の体温調節中枢として情報を統合し効果器へ出力することで実現される.

環境温度の受容に主要な役割を果たしているのが体表面を覆う皮膚である.外界と生体内環境の境界にあたる皮膚には伝導や放射,水分蒸発といった熱量の物理的交換を行う熱放散器官としての役割もあるが,ここでは温度受容器官としての役割に焦点をあてる.皮膚表面での温度受容は点で感じることが知られ,温点・冷点と呼ばれている.その実態は真皮および表皮に分布する分岐した神経終末であり,今日では後述する温度感受性TRPチャネルの一群が発現した神経線維が温度受容の一端を担っていると考えられている.しかしながら,これらの神経には「温かい」温度で活性化するTRPチャネルの発現はわずかである.30~40°Cで活性化するTRPチャネルは皮膚を形成するケラチノサイト(ケラチン産生細胞)に多く発現しており,皮膚内部の温度受容器としての可能性が提唱されている(後述).

3. 温度センサーとしての温度感受性TRPチャネル

環境温度を感じるためには,環境温度刺激が感覚神経において電気信号に変換されなければならない.温度を感知したイオンチャネルの開口は,神経細胞内への陽イオン流入により脱分極を引き起こし,電位作動性ナトリウムチャネルを活性化することで活動電位を発生させる.これが,感覚神経で温度刺激を電気信号に変換する最も簡単かつ効果的なメカニズムである.我々はこのメカニズムに加えて,陽イオン透過性のチャネルを通って流入したCa2+がCa2+活性化Clチャネルを活性化させ,細胞外へのCl流出からさらなる脱分極をもたらすメカニズムを提唱した(後述)2)

上述したように,1997年に,哺乳類で初めての温度センサー分子としてTRPV1が発見された.これ以降,「温度感受性TRPチャネル」と総称されるTRPチャネルの一群が哺乳類を中心に次々と機能同定された.TRP(transient receptor potential)という名は,ショウジョウバエの眼の光受容器変異株で光刺激に対する受容器電位(receptor potential)が一過性(transient)で持続しないことからつけられた.TRPチャネルは七つのサブファミリー(TRPC, TRPV, TRPM, TRPML, TRPN, TRPP, TRPA)に分けられ,ヒトではTRPNを除く六つのサブファミリーに27のチャネルが存在する(図13).TRPチャネルはヒトやげっ歯類,鳥類,ゼブラフィッシュ,ショウジョウバエ,線虫などにおいて視覚,味覚,嗅覚,聴覚,触覚,温覚,その他さまざまな物理・化学刺激の受容にきわめて重要であることがわかってきた.現在までに哺乳類で温度感受性が報告されたTRPチャネルはTRPV1, TRPV2, TRPV3, TRPV4, TRPM2, TRPM3, TRPM4, TRPM5, TRPM8, TRPA1, TRPC5の計11である(図2).これらはTRPV, TRPM, TRPA, TRPCサブファミリーにまたがっており,それぞれの活性化温度閾値はヒトが区別しうる生理的な温度範囲に広く分布している(図3).温度感受性TRPチャネルは多くの化学・物理刺激に応答する「多刺激受容体」であり,有効刺激間にはクロストークが存在する.本稿では,温度感受性TRPチャネルとして知られる11のTRPチャネルについて概説する.

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図1 ヒトTRPチャネルの分子系統樹と温度感受性

アミノ酸置換数をJTT法により推定し,最小進化法により分子系統樹を作成した.各枝の数値は統計的な信頼性(ブートストラップ値)を表している.ヒトではTRPC2が偽遺伝子となっているので,マウスTRPC2を用いた.scale:遺伝的距離(アミノ酸置換率).11個のTRPチャネルに温度感受性があると報告されている(黄色で示す).ヒトTRPA1の温度感受性については結論が得られていない(本文参照).

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図2 温度感受性TRPチャネルによる温度センシングのモデル図

細胞膜に発現する陽イオン透過性の温度感受性TRPチャネルは広範な温度域の温度を感知し,活動電位の発生やCa2+依存性の細胞応答を引き起こす.

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図3 温度感受性TRPチャネルの機能

(左)パッチクランプ法を用いた温度感受性TRPチャネルの電流記録(横軸:温度):点線は活性化温度閾値.熱刺激で活性化するTRPV1, TRPV2(赤),冷刺激で活性化するTRPM8(青),体温近傍の温度で活性化するTRPM2, TRPV4(オレンジ).(右)温度感受性TRPチャネルの活性化温度閾値:43°C以上と15°C以下の温度は痛みを惹起する.

4. 温度や侵害刺激はいかにしてTRPチャネル開口をもたらすのか

侵害刺激や温度刺激はいかにしてチャネル開口をもたらすのであろうか.化学物質刺激については,リガンド結合部位が明らかになっている.温度によるTRPチャネルの活性化に関しては,温度変化がチャネルタンパク質の構造変化をもたらすことは容易に想像できるが,ある一定の温度により,まるでスイッチがオフからオンになるようにチャネルが開口するメカニズムはいまだ明らかにされていない.人工脂質二重膜あるいはリポソームを用いた精製チャネルタンパク質による解析によって,TRPV1, TRPM8, TRPA1が温度刺激によって活性化することが示され4–6),温度刺激によるチャネル開口はチャネルタンパク質と脂質のみで可能であると考えられる.

チャネル構造を解くことは,チャネル開口メカニズムに迫る一つの方法である.低温電子顕微鏡法を用いた単粒子解析によって,2013年にTRPV1の構造が7),2015年にTRPA18)の構造が原子レベルで明らかにされたが(図4),この構造はsnapshotでありダイナミックな構造変化は捉えられていない.イオンチャネルは脂質二重膜に埋まっており,最近は脂質(nanodisc)に埋まった状態での構造が解かれ9),膜脂質とチャネルの構造変化の関係が議論されている.また,近年のさまざまな試みにより刺激化合物結合・非結合状態に加え,温度による構造変化のモデルが提唱されている.カプサイシンがTRPV1のPI(4,5)P2結合部位に競合的に結合することで開構造に変化することは明らかである9).温度による構造変化も低温電子顕微鏡を用いてTRPV1, TRPV3に関して報告されているが10, 11),ミリ秒で凍結させて開構造を推定する方法であり,温度による構造変化が十分に明らかにされたとは言いがたく,今後の研究によるところが大きい.

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図4 温度感受性TRPV1, TRPA1チャネルの構造

TRPV1(左)とTRPA1(右)の横から見た構造のリボン図.4色(四量体)で機能的なチャネルを形成する.大きな細胞内ドメインを有する(文献7, 8から改変引用).

5. 個々の温度感受性TRPチャネル

1)カプサイシン受容体TRPV1

トウガラシの主成分であるカプサイシンは辛みとともに痛みを惹起する.発現クローニング法を用いて単離されたカプサイシン受容体は,当初vanilloid receptor subtype 1(VR1)と命名されたが,現在ではTRPV1と呼ばれている1, 12).特異的抗体を用いた解析から後根神経節細胞,三叉神経節細胞および自律神経求心線維に加え,一次求心性線維が投射される脊髄後角の表層(第I, II層)と尾側三叉神経核へのTRPV1タンパクの発現が示されたが,その後,中枢神経系での発現も報告されている13).TRPV1発現細胞を用いた電気生理学的解析に加え,TRPV1欠損マウス個体レベルでの検討でもTRPV1が複数の侵害刺激の受容体として機能することが確認されている.TRPV1欠損マウスの最も顕著な表現型は炎症性の熱性痛覚過敏の減弱であり,TRPV1が炎症性疼痛の発生に強く関わっていることと合致する14, 15)

TRPV1は高いCa2+透過性を有する非選択性陽イオンチャネルであり,カプサイシンと同様に生体に痛みを惹起する酸(プロトン)によっても活性化する.このTRPV1の性質はカプサイシン感受性の侵害受容神経が複数の刺激に応答する(ポリモーダル侵害受容器)ことと合致する.トウガラシを食べると口の中がカッカする.培養細胞にラットのTRPV1を強制発現させて熱刺激を加えると,TRPV1活性化による細胞内Ca2+濃度上昇や膜電流が観察され,その活性化温度閾値は約43°Cであった(図3).この43°Cという温度はヒトを含めた霊長類が痛みを感じ始める温度と非常によく一致しており,TRPV1は侵害性熱刺激受容体と考えられている.ちなみに「辛み」は「痛み」に似た感覚であり,味覚とは異なる.

カプサイシンは生体内には存在しないことから,内因性リガンドの存在が推定されてきた.内因性カンナビノイドのアナンダミドやリポシキゲナーゼ産物等が内因性リガンドとして報告されている16–19).それらの多くは直接TRPV1を活性化するとともに,他刺激によるTRPV1の活性化電流を増大させる.リポシキゲナーゼ産物はブラジキニンやヒスタミン等の代謝型受容体活性化の下流でアラキドン酸を基質として産生されるため,炎症性疼痛の発生経路の一つとして働くと考えられる.炎症部位において産生増加する活性酸素および一酸化窒素(NO)もTRPV1を活性化する.

さらに,TRPV1はリン酸化等のタンパク質修飾によって機能が増強することが知られ,熱による活性化温度閾値が変化する20).組織炎症により産生・放出される炎症関連メディエーター(ATP,プロテアーゼ,ブラジキニン,プロスタグランジンなど)は,それらの代謝型受容体に作用してタンパク質リン酸化酵素(PKCやPKA)を活性化しTRPV1をリン酸化する.その結果,TRPV1の活性化温度閾値が大幅に低下して体温による活性化が可能となり,恒常的な活性化により急性炎症性疼痛を生じると考えられる.より弱い熱刺激によって痛みを感じる現象は「熱性痛覚過敏」とも呼ばれ,夏に日焼けして炎症が起こり,本来痛みを引き起こさないような低温で痛みを感じる経験を説明する.TRPV1は我々に痛みをもたらす複数の刺激(カプサイシン,熱や酸など)で活性化するが,それらの刺激は相乗効果を示すことが知られており,直接TRPV1を活性化しない少量のカプサイシン刺激が存在すればより低い温度でTRPV1は活性化する.熱々のカレーを食べるとより辛く感じるわけで,辛みを減じる最も効果的な方法が温度を下げる(冷水を飲む)ことなのも理解しやすい.

PKCを介したTRPV1の感作は糖尿病性神経症にも関与し,低酸素,高グルコース条件下の培養によりラット後根神経節細胞のカプサイシン活性化電流が有意に増大する21).TRPV1の異所性発現系では,低酸素,高グルコースによる電流の増大はないものの脱感作(活性化刺激への感受性が低下する現象)が有意に減弱した.低酸素,高グルコースの効果がTRPV1のPKCεによるリン酸化の作用部位の変異体では観察されなかったことから,TRPV1のリン酸化を介すると考えられた.低酸素によりPKCεの細胞膜移行が観察されることから,PKCε活性がTRPV1感作の原因と考えられる.

TRPV1の活性化が痛み感覚をもたらすことは明らかであり,TRPV1を作用標的とした創薬は遺伝子クローニング以後世界中で行われてきた.細胞レベルでの解析からTRPV1は急性痛,とりわけ急性炎症性疼痛に関与すると考えられ,TRPV1阻害物質が鎮痛薬として機能するものと期待された.多くの構造の異なる選択的TRPV1阻害剤の効果が検討されてきており,BCTC, AMG9810, A425619, SB-705498等によるCFA(complete Freund’s adjuvant)による炎症性疼痛モデルでの鎮痛効果が報告されている22–24).それらの化合物は,熱性あるいは機械刺激痛覚過敏のみならず機械刺激異痛症(allodynia)も軽減し,神経障害性疼痛モデルや術後痛,がん性疼痛,骨関節炎モデルにも効果を示す.これまでに数多くのTRPV1阻害薬について鎮痛剤としての使用を目指した臨床試験が行われてきたが25, 26),著しい効果をあげているものは少ないようである.また,体温上昇(発熱)や温度感覚異常(熱いものを熱いと感じない)が副作用として報告されている.TRPV1欠損マウスはTRPV1阻害剤による体温上昇を示さないことから,阻害剤による急激なTRPV1の機能阻害が体温上昇をもたらしていると考えられる.

2)TRPV2

TRPV2は52°C以上の温度で活性化されるチャネルとして報告され(図3),後に機械刺激感受性が明らかになった27, 28).他の多くのTRPチャネルと同様,高いCa2+透過性を有する.TRPV2の細胞膜への発現量は,さまざまな経路により調節されることが報告されている.TRPV2のN-グリコシル化はTRPV2の膜局在を上昇させる29).また,インスリン様成長因子(IGF-1)はPI3キナーゼの経路を介して細胞内小胞輸送を促進し,TRPV2の膜発現を増加させる30).この現象は膵臓β細胞株などの培養細胞でもみられるが,一方でPI3キナーゼはTRPV2タンパク質のトランスロケーションとは関係のないメカニズムでTRPV2を活性化するという報告もある31)

TRPV2は,感覚神経および中枢神経細胞,免疫細胞,脂肪細胞,上皮細胞,心筋・血管平滑筋細胞,膵臓β細胞などに発現している27, 32).感覚神経に発現するTRPV2は,当初,環境温度を感知する機能を持っている可能性が示唆されていたが27),TRPV2欠損マウスの解析から,現在では環境温度受容に関与している可能性は低いと考えられている33).成熟マウスではTRPV2を発現する感覚神経細胞の数は少ないが,マウス胎生10.5日ではほとんどの感覚神経に発現しており,TRPV2は発達過程での神経軸索の伸展に関与している34).軸索伸張に伴う膜への伸展刺激によってTRPV2が活性化され,さらなる軸索伸張を促すと考えられる.

消化管でもTRPV2は,特に腸管内(腸筋層間神経叢)に存在する抑制性運動神経に発現しており,NO産生酵素(NOS)との共発現が観察された35).腸管抑制性運動神経のTRPV2は機械刺激によって活性化した.TRPV2活性化剤(プロベネシド)処置によりマウス腸管からのNO放出が促進するとともに,小腸の収縮力がNO依存的に減弱した.TRPV2活性化剤によってマウス腸管内の物質移動は著しく促進されたことから,抑制性運動神経のTRPV2が食塊による腸管壁伸展を感知し,Ca2+流入とNO産生をもたらすことで肛門側の腸管弛緩を導いているものと考えられた35).このことは,消化管内の食塊移動をスムーズに行うメカニズムの一つかもしれない.

膵臓ではTRPV2は主にインスリン分泌細胞であるβ細胞に発現し,IGF-1のシグナルを介してインスリン分泌に関与することが報告されている30).心筋においては,IGF-1の分泌に関係しており,TRPV2を心筋細胞特異的に欠損したマウスでは,心肥大がみられる36).いずれの生理機能も,TRPV2活性化に伴う細胞内Ca2+濃度上昇が重要な役割を果たしていると考えられている.

加えて我々は,褐色脂肪細胞においてTRPV2が非ふるえ熱産生に関与していることを明らかにした37).TRPV2欠損マウスは,褐色脂肪組織において寒冷曝露によって引き起こされる交感神経活動依存的な熱産生能の低下,ならびにUCP1などの熱産生関連遺伝子発現上昇の低下がみられた.また,褐色脂肪細胞特異的に発現するβ3受容体アゴニストならびにアデニル酸シクラーゼを活性化した際に起こる熱産生がTRPV2欠損細胞において減弱しており,熱産生関連遺伝子発現量上昇も低下していた.したがってTRPV2は少なくともGs共役型受容体であるβ3受容体のアデニル酸シクラーゼの下流で機能していると考えられる.膜透過性Ca2+キレーター(BAPTA-AM)によって脂肪細胞における熱産生関連遺伝子の発現上昇が抑制されることから,TRPV2活性を介した細胞内Ca2+シグナルが褐色脂肪細胞における熱産生に関わっていることが示唆される.さらに,マウス褐色脂肪細胞の分化初期において,TRPV2活性はカルシニューリン経路を介して,むしろ分化を抑制することも明らかになった38)

3)TRPV3

TRPV3はTRPV1との配列類似性から見いだされた,表皮や口腔上皮のケラチノサイトおよび毛胞ケラチノサイトに発現するTRPチャネルである39, 40).温かい温度(33~35°C),樟脳(カンファー)や,ハーブの成分であるカルバクロール,チモールなどの天然化合物が有効刺激として知られる.初めて温度刺激に暴露されるTRPV3の活性化温度閾値は温かい温度域ではなく約50°C以上であり,繰り返しの熱刺激が温度閾値を低下させるとの報告もある41)

TRPV3は温かい温度で活性化することと,温感を惹起する上記天然化合物によって活性化することから,体性感覚における温受容体の分子実体ではないかと考えられた.TRPV3欠損マウスを用いた行動解析においては,肯定的な結果と否定的な結果が報告されている42, 43).TRPV3は皮膚ケラチノサイトに存在するため,ケラチノサイトがどのように一次感覚神経に温度情報を伝達するのか,そのメカニズムについて多くの研究がなされ,ケラチノサイトからのATP放出44, 45),PGE2産生の亢進46),NO産生の亢進47)が候補としてあげられており,我々はATPが伝達物質となっているモデルを提唱している.細胞内でエネルギー源として使われるATPが神経伝達物質として働くことは広く認知されており,グリア細胞から神経細胞,味細胞から味神経など,幅広い情報伝達に関わっている.

TRPV3は,表皮および毛胞ケラチノサイト機能との関連が多く報告されている.TRPV3欠損マウスは出生直後から体毛が縮れており,毛根がばらばらな向きを向いているといった体毛の異常が認められる48).この表現型はケラチノサイトの増殖・分化に重要な役割を果たすTGF-αやその受容体であるEGFR系を抑制したマウスにおいても認められる.TRPV3はケラチノサイト増殖・分化,特に毛胞ケラチノサイトを最終分化に導く正のフィードバックを担うTGF-α/EGFR系において細胞外Ca2+流入路として機能していることが示唆された48).TRPV3のgain-of-functionを原因とするヒトの遺伝性疾患Olmsted症候群が知られ,手足および開口部周辺の角質増殖,脱毛,激しい痒み・痛みを症状とする.このうち脱毛は,ヒトにみられるアミノ酸変異と同様の変異を持つマウス(Ds-Nhマウス,G573S)およびラット(WBN-Kob-Ht, G573C)でもみられ49),変異による定常的なTRPV3活性化により,毛胞ケラチノサイトの細胞死により発毛が妨げられると考えられる50)

同様に,Olmsted症候群における角質増殖(角皮症)は,表皮ケラチノサイトにおけるTRPV3過剰活性化によりTGF-α/EGFR系が亢進し,表皮・基底層の細胞が異常増殖した結果であると推測される.反対にTRPV3欠損マウスではTGF-α/EGFRが抑制されることによって基底層の細胞の増殖が抑制された結果,早期分化が亢進し中間層が相対的に厚くなる48).創傷治癒においてもケラチノサイトの増殖・分化が重要であり,TRPV3欠損マウスでは治癒が遅延する47, 51).特に,口腔内上皮細胞はTRPV4(後述)よりTRPV3が強く発現しており,温度依存的にTGF-α/EGFR系を介した細胞増殖が強く進むこと,それがTRPV3欠損マウスでは大きく障害されることを我々は報告した51).口腔内の傷が治りやすいメカニズムの一つかもしれない.

4)TRPV4

TRPV4は線虫のポリモーダル受容体Osm-9やTRPV1, TRPV2との配列類似性から同定された低浸透圧,温かい温度(34°C)および内在性カンナビノイドであるアナンダミドによって活性化される非選択性陽イオンチャネルである(図352–54).TRPV4は血管内皮55),軟骨56),腎・遠位曲尿細管53),脳・脈絡叢上皮52),膀胱上皮57)および表皮58)などに分布し,感覚神経を含めた一部の神経細胞における発現も報告されている59, 60)

TRPV3同様,TRPV4も温かい温度で活性化することから体性感覚における温かい温度を感受する温受容体の分子実体ではないかと考えられた.実際にTRPV4欠損マウスが野生型マウスと比べてより温かい環境を好むことが示され61),侵害性の熱応答や機械刺激応答,もしくは温度刺激に伴う痛覚過敏への関与も示唆されたが62),侵害性・非侵害性応答とも変化がないという報告もある43)

さらに,TRPV4は数%といった非常に小さな浸透圧変化によって活性化することから,生体内における浸透圧受容体の分子実体であることが示唆されている52).低浸透圧によるTRPV4活性化においては,TRPV4が細胞膜の伸展を直接認識するのではなく,低浸透圧刺激によって細胞膜から遊離するアラキドン酸が代謝されることで産生される5′,6′-エポキシエイコサトリエン酸(5′,6′-EET)もしくは8′,9′-EETがTRPV4を活性化すると考えられている55, 63).TRPV4欠損マウスは,定常状態および脱水時の血漿浸透圧の増加,脱水によるバソプレシン分泌の低下を呈し,TRPV4が全身の浸透圧状態の変化を感知する受容体となっていることが示唆された59)

また,TRPV4はAQP4(水チャネル)やANO1(Clチャネル)と共役することによって細胞容積や水分泌の調節に関与し64–66)(後述),TRPP2と相互作用して腎・上皮細胞の繊毛における圧受容に関与している67).眼内圧の調節を行う小柱網(trabecular meshwork)内の細胞の一次繊毛の形成に重要な役割を果たしており,実際TRPV4欠損マウスにおいて眼内圧が低下していることが報告された68).膀胱においてTRPV4は上皮細胞の中間層および基底層に存在し,膀胱の内圧の増加を感知して細胞内Ca2+増加を介して細胞外にATPを放出し,その情報を一次感覚神経に伝えていると考えられる57, 69).実際にTRPV4欠損マウスにおいて排尿行動の異常と,膀胱の伸展時に認められる細胞外ATP濃度上昇の低下が観察され57),情報を受け取る側の感覚神経のATP受容体欠損マウスでは膀胱機能異常が起こる70, 71)

TRPV4はまた,圧受容を担う受容体としてのみならず細胞の分化にも重要な役割を果たすことがわかってきた.たとえば,表皮ケラチノサイトの分化においてTRPV4は細胞間結合の形成に関与し,上皮バリア機能の形成・維持に貢献している.TRPV4を通って流入したCa2+がRho依存的にアドヘレンスジャンクションの機能増強からタイトジャンクション制御を行っているものと考えられた58).TRPV4欠損マウスの皮膚は角化層が厚く,タイトジャンクション機能が低下していて,角化層を除去すると水分蒸散が増強する.皮膚のバリア機能は温度の影響を大きく受けることが知られ,冷たい温度ではバリア機能が働きにくい.したがって,TRPV4が皮膚温(通常33~34°C)で活性化して皮膚のバリア機能を強めて皮膚からの水分蒸散を防いでいるのではないかと考えられる58).このメカニズムはヒトケラチノサイトでも確かめられており,冬期に皮膚が乾燥するのはTRPV4が活性化しにくくなってバリア機能が弱くなって水分蒸散が大きくなることも原因かもしれない72)

TRPV4と細胞分化の関係について最も研究が進んでいるものの一つは軟骨細胞である56).TRPV4は軟骨細胞に非常に多く発現し,おそらく外からの機械刺激に応答し細胞内Ca2+濃度上昇およびカルモジュリン活性化により転写因子SOX9を介して軟骨細胞の分化を促す.実際にTRPV4遺伝子の変異に起因するヒトでの遺伝病が多く報告されているが73),症状として骨形成の異常を呈するものと,末梢神経障害を示すものがある.いずれもTRPV4のN末端に位置するアンキリンリピートドメインへの変異が認められるが,立体構造解析により骨形成異常と末梢神経障害の変異がドメインの異なる面に局在していることが明らかとなった74)

我々は,神経機能の調節に重要な役割を果たすグリア細胞(ミクログリアおよびシュワン細胞)においてもその機能調節にTRPV4が関わることを報告した.ミクログリアは,脳内に存在する免疫担当細胞であり,ダメージを受けた細胞等の貪食・除去を行うことで脳内の恒常性維持に働く.ミクログリアは高い運動性を有し,そのダイナミックな動きにより周囲環境に生じた異常を監視する働きをする.マウス脳より単離したミクログリアを用いた検討の結果,温度の上昇に伴ってその移動距離が有意に増加した75).温度依存性の運動性上昇はTRPV4欠損マウス細胞において消失するとともに,野生型細胞へのTRPV4活性化剤GSK1016790A処置によっても運動性の上昇が認められた.さらに,ミクログリアを蛍光標識したマウスを用いた生体での二光子顕微鏡観察により,生きたマウス脳内におけるミクログリアの突起の運動性を測定したところ,温度依存性に突起の運動性が上昇し,その運動性上昇がTRPV4欠損マウスで減弱していた.これらの結果より,マウス脳内ミクログリアがTRPV4により脳内の温度依存的に運動性を増加させ,神経の機能を監視・調節していると考えられる.脳のダメージで脳内温度が上昇するとミクログリアが活発になることで,ダメージからの回復を早める可能性が示唆される.一方,シュワン細胞は,末梢神経に髄鞘を形成することで絶縁性を高め,神経伝達を効率化する役割を持つ.神経障害等により髄鞘が破壊された状態を脱髄といい,神経伝達の異常により運動障害などを引き起こす.脱髄に伴ってシュワン細胞が再び髄鞘を形成する再髄鞘化は,神経障害からの回復において重要なプロセスとなる.我々は,坐骨神経障害モデルにおいて神経障害に続いて非ミエリンシュワン細胞におけるTRPV4の発現量が増加し,髄鞘関連タンパク質の発現調節を介して再髄鞘化を早める働きをすることを見いだした76).さらに坐骨神経切断後の髄鞘および坐骨神経機能の回復が,野生型に比較してTRPV4欠損マウスでは有意に遅延しており,非ミエリンシュワン細胞におけるTRPV4活性が再髄鞘化を促進していることが示唆された.

5)TRPM2

TRPM2は,温度に加えて(図3)内因性リガンドであるアデノシン二リン酸リボース(ADPR)や環状アデノシン二リン酸リボース(cADPR),細胞内Ca2+とともに活性酸素(レドックスシグナル,後述)による活性化を受けることから,Ca2+過負荷による細胞死との関連が報告されてきた77, 78).ADPRはTRPM2のC末端側にあるNUDT9 ADPRピロホスファターゼ(ADPRをアデノシン一リン酸とリボース5-リン酸に分解する)に似た構造のNudixドメインに結合し,TRPM2の活性化をもたらすと考えられてきたが77),低温電子顕微鏡法を用いた構造解析の報告により,このドメインに加えてN末端にもADPR結合部位が存在することが示された79).ADPRによるTRPM2活性化を競合的に阻害する8-Br-cADPRはN末端にのみ結合していたことから,ADPRによるTRPM2活性化にはN末端へのADPR結合が重要であると考えられる.

TRPM2の主な発現部位は,中枢神経,免疫細胞,脾臓,肝臓,膵臓など広範にわたる78).免疫細胞に発現するTRPM2はマクロファージにおけるケモカイン産生,貪食能に関与しており,好酸球ではサイトカインの遊離に関わっている80, 81).アレルギー反応に関与するマスト細胞においても,ヒスタミンの脱顆粒に関与しており,いわゆる花粉症や食物アレルギーなどの発症にも関係していると考えられる82).中枢における免疫応答を担う細胞であるミクログリアにも発現がみられ,脳虚血時の炎症や神経障害性疼痛の発症に関与している83, 84).我々は,膵臓β細胞にTRPM2が発現しており,インスリン分泌に寄与することを明らかにした85, 86).TRPM2欠損マウスはインスリン分泌低下による耐糖能異常(グルコース負荷によってより大きな血糖の上昇)を示す.さらにTRPM2欠損マウスは,小腸から分泌されるインクレチンホルモン(インスリン放出促進作用を有する)によるインスリン分泌が阻害されていた.TRPM2がグルコースならびにインクレチンホルモン刺激の下流で活性化されるメカニズムはいくつかある.TRPM2のリガンドであるcADPRはグルコース代謝の際に合成されるATPによってその分解が抑制され,細胞内濃度が上昇することが報告されている87).また,高濃度のグルコース存在下でβ細胞では過酸化水素などが生成されることが報告されている88).実際,上記の過酸化水素によるTRPM2依存的な温度依存性の増大はβ細胞でもみられ,インスリン分泌にも関係している89).EPAC2(exchange protein directly activated by cAMP 2)はインクレチンホルモン受容体シグナル分子の一つであるが,EPAC2活性化を介したインクレチンホルモン刺激により誘発されるβ細胞の活性化電流はTRPM2を介したものであることが示されており,TRPM2がEPAC2シグナルの下流で活性化されることが示唆されている90).細胞内Ca2+も含めて多くの刺激によってTRPM2活性は調節され,最終的なインスリン分泌量が決まると考えられる.一方で,高脂肪食を摂餌したときに生じる肥満ならびにインスリン感受性の低下は,逆にTRPM2欠損マウスでは生じにくくなる91).インスリン感受性の低下は白色脂肪組織などの炎症が要因の一つであるが,マクロファージに発現するTRPM2がインスリンの作用臓器である肝臓,白色脂肪組織へのマクロファージの浸潤ならびに引き続き起こる炎症を促進しているため,TRPM2欠損マウスでは肥満を呈しにくい可能性が報告されている.

近年,二つのグループから神経に発現するTRPM2についての報告がもたらされた.一つは,マウス視床下部視索前野の温ニューロン(温度の上昇により神経活性が増強する)へのTRPM2活性の関与を示すものである.視索前野神経の一部に熱刺激によって細胞内Ca2+濃度上昇を示すものがあり,その応答がTRPM2阻害剤(2-APB)で抑制され,TRPM2欠損細胞では消失した92).DREADDシステムを用いてTRPM2発現神経を活性化させると,行動量の低下と尻尾からの熱放出を伴う著しい体温低下が観察された.さらに,視床下部視索前野の局所加温により惹起される体温低下はTRPM2欠損マウスで減弱していたことから,視索前野TRPM2活性が体温低下に寄与すると考えられる93).しかしながら,視索前野温ニューロンはTRPM2欠損マウスでも消失しておらず,温ニューロンの温度感受性を担う分子は自身が発現するTRPM2分子ではない可能性が示された.温ニューロンを含む神経回路の中で最終的な温度感受性が決定されており,TRPM2はその一部を構成していると考えられる.もう一つは,末梢感覚神経のサブポピュレーションにTRPM2様の活性を示す神経群があるとする報告である.TRPM2欠損マウスの温度嗜好性は大きく変化しており,野生型が忌避する温かい温度域(38°C)と33°Cの弁別能がTRPM2欠損マウスにおいて消失していた94)

6)TRPM3

TRPM3は,ストア作動性陽イオンチャネルとしてクローニングされた95).感覚神経に発現するTRPM3は,侵害性熱刺激を感知して活性化し,痛みを引き起こすと報告された10番目の温度感受性TRPチャネルである96).少なくともHEK293細胞を用いた解析では,TRPV1やTRPM8のような明確な温度閾値を持たないようである.脂質平面膜法という精製タンパク質,人工脂質,電解質,水のみで構成される単純な人工再構成系においては,精製したTRPM3タンパク質の温度依存的な活性化はほとんどみられない97).温度以外では内因性活性物質と考えられる神経ステロイドである硫酸プレグネノロンによって活性化するが,その代謝産物であるプレグネノロンはむしろ阻害作用を持つ98).また,ニフェジピン(電位作動性Ca2+チャネル阻害剤),クロトリマゾール(抗真菌剤)等の薬剤によっても活性化される99).N末端にはカルモジュリン,S100Aが相互作用し,チャネル活性を調節することが報告されている100).この結合部位にPIP2も相互作用するようである101).TRPM3は,Ca2+透過性の高いチャネルであるが,一部のバリアント(TRPM3α1)ではNaなど一価の陽イオン選択性が高くなる102).これ以外にもTRPM3には多くのバリアントの存在が報告されており,エクソン13番目の一部の領域(ICF領域)の欠損しているバリアントは細胞膜へ発現しなくなると報告されているが103),それぞれのバリアント間の機能の違いはあまり明らかにされていない.

TRPM3は中枢,末梢神経,腎臓,膵臓などに発現している104).膵臓β細胞ではグルコース依存的なインスリン分泌を硫酸プレグネノロンが増強するが,この作用はTRPM3の活性化を介したものであると報告されている98).感覚神経ではTRPM3はTRPV1, TRPA1とは異なる神経に発現している.TRPV1よりも低い温度域の侵害熱刺激受容に関与すること,また炎症性疼痛における熱痛覚過敏に関与することがTRPM3欠損マウスの解析から明らかになっている96).また,CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)含有神経に発現しており,TRPM3を活性化するとCGRPが分泌されることも報告されている105).オリゴデンドロサイトに発現するTRPM3は成熟やミエリン形成に関与している106).視覚への関与が示唆されており,特に網膜上のアストロサイト(ミューラー細胞)や毛様体に発現して,瞳孔反射に部分的に関与しているという報告されているが107),TRPM3欠損マウスの視覚処情報理は正常だという報告もあり108),生理的な役割は明らかではない.

7)TRPM4

TRPM4は,細胞内Ca2+によって活性化される非選択的陽イオンチャネルであるが,チャネル自身にCa2+透過性はない109).細胞内Ca2+以外に有効な活性化剤は見いだされていないが,細胞内Ca2+存在下において,温度が上昇するとその活性は大きく増強される110).TRPM4はPKA, PKCによるリン酸化部位,PHドメインなどを有している.特に,PKCによるリン酸化はTRPM4タンパク質の細胞膜へのトランスロケーションに関与することが報告されている111)

TRPM4は広範な組織細胞に発現する.TRPM4欠損マウスにおいて,細菌感染後の炎症性単球の増加,ならびにサイトカイン産生の亢進が認められている112).これは,細胞内カルシウム濃度上昇に伴って活性化されたTRPM4が膜を脱分極させることによって電位作動性Ca2+チャネルの活性を抑制し,さらなるCa2+流入を抑えるためと考えられている.TRPM4欠損マウスはβ受容体刺激による心室筋細胞における活動電位の潜時の短縮,心室筋細胞収縮力の亢進がみられている113, 114).また,心房筋の活動電位の調節や血管平滑筋の脱分極にも関与することが報告されている115, 116).神経,特に中枢神経に発現しているTRPM4は膜の興奮性を調節している可能性が示唆されており,小脳プルキンエ細胞ではTRPM4由来の細胞内Ca2+依存的なゆっくりとした内向き電流がみられると報告されているが117),TRPM4欠損マウスの解析からTRPM4の関与する可能性は少ないようである118).また,TRPM4は脳脊髄炎モデル(多発性硬化症モデル)マウスにおいて,軸索の変性に関与していることが報告されている118).膵臓においては,β細胞のみならずグルカゴン分泌細胞であるα細胞にも発現していることが報告されており119, 120),また,最近の報告では,消化管から分泌されるインクレチンホルモン(GLP-1)によるインスリン分泌増強作用にTRPM4が関与することが示された121).しかし,TRPM4欠損マウスの糖代謝は正常であり122),少なくとも生理的条件下ではインスリン,グルカゴン分泌への関与は少ないと考えられる.このように,TRPM4は多くの組織に発現がみられるが,その生理的役割はいまだ十分には明らかにはされていない.

8)TRPM5

TRPM5もTRPM4と同様に,細胞内Ca2+によって活性化される一価のイオン選択的な陽イオンチャネルである.15~35°Cの温度帯で活性が大きく上昇する123).TRPM4同様に温度依存的な活性化には細胞内Ca2+濃度の上昇が必要であるが,カルシウム感受性はTRPM4よりも高い124).TRPM4同様に細胞内Ca2+以外に有効な活性化剤は見いだされていない.

TRPM5の発現部位はTRPM4とは対照的に限局しており,味細胞,膵臓,嗅神経などに発現がみられる125).味細胞に発現するTRPM5は,甘味,うま味,苦味,特に甘みの受容に関与することが,TRPM5欠損マウスの解析から明らかになっている126).TRPM5はII型味細胞(甘味,うま味,苦味を受容する)にTASR1, TAST2, PLCβ, α-gastducinとともに発現しており,Gタンパク質共役型味覚受容体活性化の下流で産生されたIP3がERからのCa2+放出による細胞内Ca2+濃度上昇を引き起こすことでTRPM5を活性化する127).TRPM5の活性化によるNa流入がもたらす脱分極が電位感受性のCALHM1(calcium homeostasis modulator 1)を介した神経伝達物質ATPの放出を引き起こす128).熱刺激によるTRPM5の活性化がマウスの甘味応答を増強するという123).温度味覚(thermal taste)にも関わっているかもしれない.また,人工甘味料ステビアによる甘味にもTRPM5が関与する129).TRPM5は脂肪の味にも関与すると報告されている130).マラリアの特効薬キニーネは苦味物質として知られているが,濃度依存的にTRPM5を抑制することが知られており131),苦味感覚を増強することになる.

TRPM5は膵臓の特にβ細胞に発現しており,TRPM5欠損マウスはインスリン分泌低下を伴う糖代謝異常がみられることが報告され132, 133),インスリン分泌に関与していることが明らかとなっている.β細胞からのインスリン放出には細胞内カルシウム濃度の変動(slow and fast oscillation)が必要で,それらは膜電位変化のオシレーションと共役しているとされており,TRPM5欠損β細胞ではfast oscillationが欠如しているという133).β細胞の細胞内カルシウム濃度依存的な膜電位変化にTRPM5は関わっているものと推定される.グルコース依存的なインスリン放出のGLP-1による増強作用もTRPM5欠損β細胞では有意に低下する121).最近,甘味受容体が膵臓β細胞にも発現していることが報告されており134),味細胞でみられるようなシグナル伝達機構がβ細胞にも存在するかもしれない.

マウスの一部の嗅上皮の嗅神経や鋤鼻器にもTRPM5は発現しており,フェロモン受容に関与していることが報告されている135).また,消化管や鼻腔上皮のbrush細胞やtuft細胞にもPLCβ, α-gustducinとともにTRPM5が発現しており,免疫,炎症への関与が指摘されている136–138)

我々は,HEK293細胞に発現させたTRPM5電流が細胞外亜鉛イオンにより抑制されることを報告した139).この効果は温度依存性のTRPM5活性化においても認められた.細胞外の負電荷を持つアミノ酸に注目した解析の結果,TRPM5のポアループに位置するHis896, Glu926, Glu939が亜鉛による抑制に関わることが明らかとなった.

9)TRPM8

TRPM8はハッカ油の主成分であるメントールを用いた発現クローニング140),もしくはTRPV1配列との類似性141)から同定された非選択性陽イオンチャネルである.チャネルを活性化させるための有効刺激は,非侵害性の冷刺激(23~26°C以下)(図3),侵害性冷刺激(15°C以下),メントールやユーカリプトール(ユーカリ由来成分)などの天然化合物,イシリンなどの合成化合物であり,いずれも冷感を惹起させる.またチャネル活性の維持にPI(4,5)P2が重要であり142),TRPM8活性による細胞内Ca2+濃度上昇とPLCγ活性化により,PI(4,5)P2が加水分解されるとTRPM8電流が抑制される.有効刺激間の相乗作用が存在し,メントールなどの存在下では活性化温度閾値が上昇する(より高い温度を冷たいと感じる).

TRPM8は三叉神経節および後根神経節の一次感覚神経のうち小型の神経細胞に発現する.TRPM8は,TRPV1/TRPA1神経とは異なる神経群に発現しており,皮膚などからの冷情報を中枢に伝達する役割を担い,体性感覚における冷受容体として機能すると考えられる.TRPM8欠損マウスは,非侵害性冷刺激に対する応答と,一部の侵害性冷刺激に対する応答を消失するとともに143–145),温度勾配を用いた温度嗜好性実験において,野生型マウスよりもやや低温よりに分布していた145).一方TRPM8発現細胞を除去したマウスを用いて床温度が異なる二つの部屋のいずれに滞在するかを検討した実験において,TRPM8発現神経除去マウスは低温を忌避しなかったことから146),TRPM8発現神経は非侵害性ならびに侵害性の低温受容に関わっていると考えられる.一方で温かい温度の受容において,感覚神経におけるTRPM8活性の抑制が重要であるとの報告がなされた147)

我々は,TRPM8細胞が置かれている環境温度によって結合可能なPI(4,5)P2の量もしくはTRPM8への結合能が変わり,結果的にTRPM8の活性化温度閾値が変化することを報告した148).冷たい温度に浸した手を室温の水に浸けると温かく感じ,温かいお湯に浸けた手を室温の水に浸けると冷たく感じること(Weberの3ボトル実験と呼ばれる)を説明できるかもしれない.

また,TRPM8活性化が,神経障害性疼痛および慢性疼痛時における痛覚の抑制144, 145, 149)や全身性の炎症の抑制150)に関与することが報告されている.TRPM8のその他の生理機能として,目の表面の低温を認識し涙の量を調節したり151),高浸透圧を認識してまばたきの数を調節したりするのではないかといった報告もある152)

10)TRPA1

17°C以下の侵害性冷刺激によって活性化される新たな温度感受性TRPチャネルとして2003年に報告されたTRPA1は,感覚神経細胞においてTRPV1との共発現が観察される153).TRPA1はマスタードオイル,活性酸素種,アルデヒドなど,遺伝子やタンパク質への障害を生じさせる広範な物質や,Ca2+イオン,Zn2+イオン等により活性化し,侵害刺激受容に関与する.我々は,アンモニアや細胞内アルカリ化もまたTRPA1を活性化することを明らかにした154).数多くの薬剤による活性化も知られ,血管痛が副作用として知られる静脈麻酔薬プロポフォールもヒトTRPA1を活性化する155).構造の異なる多くの化学物質が作用するメカニズムの一つとして,N末端のシステイン残基の共有結合修飾があげられている156)

TRPA1の温度感受性に関しては,長らく議論されてきた.マウス・ラットTRPA1は低温感受性であるがヒトTRPA1は感受性がないとの,種差を示す報告がある157).一方で,人工脂質二重膜を用いた解析でヒトTRPA1が冷刺激によって活性化されることが示された6).このTRPA1の冷刺激感受性を示すメカニズムとして,冷刺激で活性酸素種が生成するとTRPA1 N末端のプロリン水酸化が阻害されてTRPA1活性化が増大することが報告された158).近年,侵害性冷刺激受容におけるTRPチャネルの関わりに関する興味深い報告がなされ,象牙芽細胞に発現するTRPA1がTRPC5とともに冷刺激により惹起される歯痛に関わることが示された(後述)159).またTRPA1は非脊椎動物を含む広範な生物種において,侵害性熱刺激の受容に関わる(後述)160).哺乳類であるマウスにおいても,TRPA1がTRPV1およびTRPM3とともに侵害性熱刺激受容に重要であることを示す報告がなされた.前述のとおり侵害性の熱に感受性を持つTRPV1およびTRPM3を欠損するマウスは,侵害性熱刺激に対する応答性が減弱するものの完全には消失しない14, 96).同様にTRPV1およびTRPM3の両者を欠損するマウス(V1/M3 DKO)感覚神経において,熱刺激に対する応答性が維持されており,その熱刺激応答性がTRPV1, TRPM3およびTRPA1の三つを欠損するマウス(TKO)神経において消失することが示された161).さらには,TKO感覚神経へのTRPA1遺伝子導入により熱刺激応答が再現されたことから,TRPA1は感覚神経における熱刺激受容を担う分子であると考えられる.TRPA1活性化剤(AITC,アリルイソチオシアネート)に対する応答性を示すV1/M3 DKO感覚神経における熱刺激応答および異所性発現系におけるTRPA1の熱刺激応答が過酸化水素処置により増大したことから,熱刺激受容におけるTRPA1の寄与は炎症などの環境要因により変動する可能性が示唆される.

我々は,マウス後根神経節を用いたRT-PCR実験から,TRPA1遺伝子にエクソン20を欠いたスプライスバリアントを同定した.このスプライスバリアントTRPA1bは完全長のTRPA1(TRPA1a)と結合して細胞膜のTRPA1a発現量を増大させ,TRPA1応答電流を増強することがわかった162).CFAを用いた炎症性疼痛モデルや座骨神経の部分結紮による神経障害性疼痛モデルで増強する機械刺激による痛覚は,野生型マウスと比較してTRPA1欠損マウスで減弱したことから,TRPA1が炎症性疼痛や神経障害性疼痛の慢性疼痛に関与すると考えられる.さらに,TRPA1a遺伝子はその発現が一過性にしか増大しないが,一方TRPA1b遺伝子発現は持続的に増大することから,マウスTRPA1スプライスバリアントが慢性疼痛発生に関わると考えられる.

TRPA1タンパク質はTRPV1とともに感覚神経細胞体で発現後,末梢神経終末のみならず一次求心性線維の中枢端(脊髄のシナプス前終末)にも輸送される.脊髄のシナプス前終末でのTRPV1, TRPA1活性は侵害刺激情報のシナプス伝達にどのように働くであろうか? 増大するCa2+流入がシナプス伝達物質の放出に促進的に働くと想像しやすいが,長く鎮痛薬として使われ2011年に成人への用量拡大が認められたアセトアミノフェンの代謝産物が脊髄のTRPA1を活性化させて鎮痛をもたらすことが報告され注目を浴びた163).TRPA1活性化による脱分極が電位作動性Na, Ca2+チャネルイオン透過の電気化学的駆動力を減弱させシナプス伝達物質の放出を減少させるのだという.今後の研究が注目される.

11)TRPC5

2011年にTRPC5ホモ四量体が冷刺激による活性化を受けることが報告された164).感覚神経へのTRPC5発現が示されたものの,TRPC5欠損マウスを用いた検討でも冷刺激に対する忌避応答に変化が認められず,TRPC5の温度感受性については不明であった.しかしながら,冷刺激により惹起される歯痛に注目した最近の研究により,神経ではなく象牙芽細胞に発現するTRPC5がTRPA1とともに冷刺激感受性に関わることが報告された159).ヒトの歯髄炎においてTRPC5発現の亢進が認められ,臨床上問題となる歯痛の治療ターゲットとしての可能性も考えられる.

6. 温度感受性TRPチャネルの構造

結晶構造解析によって,TRPV1のN末端のアンキリンリピート構造が解かれたが,高分子量の膜タンパク質である温度感受性TRPは結晶化が困難であり,構造解析は難しいとされてきた.2013年に低温電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって,TRPV1の構造が3.4 Åの解像度で明らかにされた(図47).アミノ酸一次構造から推定されたように四量体であり,大きな細胞内ドメインを持つ.第5,第6膜貫通ドメインがポアを裏打ちし,短い選択フィルターを有する.TRPドメインは第4,第5膜貫通ドメインリンカーと相互作用してアロステリック制御に関わる.upper gateとlower gateがあるといい,毒グモtarantulaのペプチド毒素(double-knot toxin)およびサボテン由来の毒素(resiniferatoxin)(いずれも強い痛みをもたらす)の結合・非結合の構造を比較することによって,double-knot toxinの結合がupper gateの制御を,resiniferatoxinの結合がlower gateの制御をすることが明らかとなった.イオンチャネルは本来,脂質二重膜に埋まった形で存在する.そこで,脂質(nanodiscという)に埋まった状態でのTRPV1の構造も高解像度(2.9 Å)で明らかにされた9).double-knot toxinの結合によるリン脂質の移動を介したポアヘリックスの変形,resiniferatoxinの結合によるイノシトールリン脂質の置き換わりによる第4,第5膜貫通ドメインリンカーの変形がチャネル開口につながっているであろうことが明らかとなり,熱刺激によってもイノシトールリン脂質の移動がチャネル開口をもたらしているモデルが提唱されたが,この検証が待たれる.

同じような低温電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって2015年にTRPA1の構造が解かれ,TRPドメインが膜貫通ドメインに直角になって,その後のコイルドコイル構造と16回のアンキリンリピートで作られる面が構造の異なる刺激物質の作用標的となって第4,第5膜貫通ドメインリンカーの変形からチャネル開口に至るモデルが提唱された(図48).TRPV1, TRPA1に加えて,これまでに10個の温度感受性TRPチャネルの構造が解かれている165–173).また最近,TRPV1とTRPV3について高温条件に維持した後に急速凍結することで,温度による活性化状態の構造をとらえる試みがされた10, 11).低温電子顕微鏡を用いて得られる構造はsnapshotであるものの,解析される多くのチャネルの一部には温度による活性化状態を保ったものが残存するとの考えである.今後,温度によるTRPチャネルの活性化の全容を明らかとする進展を期待したい.

7. TRPチャネルのレドックス制御

レドックスシグナルとは,化学的反応性の高い活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)および活性窒素種(reactive nitrogen species:RNS)が関わる生体内シグナルである.ROSは,呼吸鎖等に伴い産生される有害物質として長年とらえられてきたが,RNSとともに広範なタンパクの機能を変容させ,有用なシグナル分子“レドックスシグナル”として機能すると理解されている174).ROSは,成長因子やサイトカイン等の受容体の下流でNADPHオキシダーゼ(Nox)等の酵素により産生され,RNSの一種であるNOはさまざまな生体内シグナルに応じて活性化するNO産生酵素(NOS)により産生される.ROSに対する感受性を有するものとしてTRPA1, TRPV1, TRPV4, TRPM2, TRPM7, TRPC3, TRPC4およびTRPC5175–180),RNSに対する感受性を有するものとしてTRPA1, TRPV1, TRPV3, TRPV4, TRPM2, TRPC3, TRPC5およびTRPC7が報告されている178, 181).このうち,機能調節機構について詳細が解析されているTRPA1, TRPV1, TRPV2, TRPM2について概説する.

TRPA1は,TRPチャネルの酸化感受性を定量化した実験により,最も高い酸化感受性を有することが示された182).TRPA1は,過酸化水素,ヒドロキシルラジカル(OH),次亜塩素酸(OCl),NO等のROS/RNS分子種による活性化を受けるのみならず,ROS濃度の上昇に付随して生成する4-hydroxynonenal(4-NHE),15-deoxy-Δ12,14-prostaglandin J2(15d-PGJ2)等の内在性の過酸化脂質によっても活性化し,いずれも痛覚をもたらす175, 181, 183).ROSによるTRPA1の活性化には,近傍に存在するシステイン残基によるジスルフィド結合形成が関与すると考えられる.一方,NOによる活性化はシステイン残基のS-ニトロシル化の関与が報告されている177).TRPA1はその高い酸化感受性ゆえに,高濃度O2によっても直接活性化されることが示され,酸素センサーとして機能することが報告された182)

TRPV1は,レドックスシグナルにより直接活性化を受けるとともに,カプサイシン,酸および熱刺激によるTRPV1の活性化がレドックスシグナルにより増強(感作)することが報告されている176, 178).特にレドックスシグナルによるTRPV1の感作にはシステイン酸化が関わっていることが示されている.したがって,ROS濃度が上昇した炎症環境では,局所温度の上昇,細胞外プロトン濃度の上昇によって起こるTRPV1活性が増強されると考えられる.またNOは,TRPV1のポア領域に位置するシステイン残基をニトロシル化し,TRPV1を活性化する178).また,TRPV1はROSによる細胞内システイン残基の共有結合修飾によっても活性化される184, 185)

TRPV2もまたレドックスシグナルによる調節を受ける温度感受性TRPチャネルの一つであるが,メチオニン酸化により熱による活性化が増強することが報告された186)

TRPM2チャネルは過酸化水素により活性化し,酸化ストレスによる細胞死に関わることが示されている179).過酸化水素によるTRPM2の活性化には,内在性リガンドであるADPRの産生を介した間接的経路と,ADPR産生を介しない直接経路が報告されている.ADPR産生を介した間接的経路として,DNAダメージに対する修復機構として活性化するpoly(ADPR)ポリメラーゼ(PARPs)によりDNAに付加されるpoly(ADPR)鎖が,poly(ADPR)グリコヒドラーゼ(PARGs)により分解され,核から遊離するADPRがTRPM2を活性化するPARP/PARG経路187),ストレスによりミトコンドリアから流出したNADがミトコンドリア外膜に存在するNADグリコヒドラーゼ活性によりADPRに変換されるミトコンドリア経路188)が示唆されている.さらに我々は,過酸化水素がTRPM2の活性化温度閾値を低下させることを明らかにした189).その現象は,細胞膜だけを切り離し核やミトコンドリア等の細胞内オルガネラが存在しない条件でチャネル電流を測定するインサイドアウト単一チャネル記録においても再現されたことから,過酸化水素はADPR産生に依存せずTRPM2の温度感受性を増加させると考えられた.

8. TRPチャネルとCa2+活性化Clチャネル

TRPチャネルは高いCa2+透過性を持ち,Naに対する透過比が10倍を超えることも珍しくない.神経細胞では,陽イオンの流入によってもたらされる脱分極が活動電位の発生をもたらすが,非興奮性細胞を含む多くの細胞では,TRPチャネル活性化に伴う細胞内Ca2+濃度上昇がさまざまな細胞応答に関与すると考えられる.そのカルシウムの作用としてCa2+活性化Clチャネルであるanoctamin 1(ANO1)の活性化に関する成果について概説する.

1)TRPV4/anoctamin 1

マウス脳では,TRPV4は脈絡層上皮細胞の頂端膜に強く発現し,同じ細胞でCa2+活性化Clチャネルのanoctamin 1(ANO1)も発現していた65).ヒトでは1日に500 mLを超える脳脊髄液が脈絡叢から分泌されている.TRPV4/ANO1共発現HEK293細胞を用いたパッチクランプ測定の結果,TRPV4活性化によって細胞外Ca2+流入に伴う大きなCl電流が観察された.この現象はTRPV4あるいはANO1の単独発現細胞では認められなかった.単離脈絡層上皮細胞でも同様のCl電流が観察され,37°Cにおける低浸透圧刺激によりCl電流の活性化がみられた.共免疫沈降法による解析から両タンパク質は複合体を形成すると考えられた.TRPV4/ANO1共発現HEK293細胞では,TRPV4の活性化刺激によって著しい細胞容積減少が観察されたため,ANO1活性化によるCl流出が水の流出を駆動しているものと推測された.ANO1の活性化によるClの移動方向は,純粋に個々の細胞のClの平衡電位で決まっていると考えられ,高い細胞内Cl濃度を示す脈絡層上皮細胞では,ANO1の開口はClの流出をもたらす.TRPV4およびANO1は,ともに温かい温度で活性化することから,体温下でTRPV4/ANO1の活性化(血管側からの水流入による脈絡層上皮細胞膜伸展がTRPV4を活性化していると推測している)が脳脊髄液分泌の分子メカニズムの一つとして働くことが示唆される.

同様に,高い水分泌能を示す組織として唾液腺および涙腺があげられるが,我々はTRPV4およびANO1の活性がこれらの分泌を促進することを明らかにした66).唾液腺および涙腺の腺房細胞においても,TRPV4およびANO1のタンパク質複合体の形成と共局在が認められた.TRPV4活性化剤処置(GSK1016790A)により細胞外Ca2+依存性に野生型マウス唾液腺腺房細胞の収縮が認められたが,その現象はTRPV4欠損マウス細胞では消失していたことから,TRPV4活性化に伴う細胞外Ca2+濃度上昇がClと水の流出を駆動したと考えられる.さらに,ムスカリン受容体アゴニストであるカルバコールにより惹起される唾液分泌が,TRPV4欠損マウスで減少するとともにANO1阻害剤T16Ainh-A01(A01)によっても抑制されたことから,TRPV4およびANO1活性は唾液分泌の促進に働くことが明らかとなった.以上のとおり,TRPV4はANO1との機能的カップリングを介して種々の組織における水分泌に重要な働きをしていると考えらえる.

2)TRPV1/anoctamin 1

上述のように,感覚神経ではTRPチャネルによる陽イオン流入が電位依存性Naチャネル活性化に必要な脱分極をもたらすと考えられている.そこで,Ca2+透過性の高いTRPチャネルとANO1の機能連関をマウス感覚神経で検討した.中枢神経細胞では細胞内Cl濃度が低いのでClチャネルの開口はClイオンの流入(過分極)をもたらす(これが多くの麻酔薬や鎮静薬の作用メカニズムである)が,感覚神経では細胞内Cl濃度が高いのでClチャネルの開口はClの流出(脱分極)をもたらす.これは,侵害刺激による神経応答の増強を意味する.マウス感覚神経細胞において,TRPV1とANO1が共発現していた190).また,TRPV1/ANO1共発現HEK293細胞をカプサイシン処置したところ,細胞外Ca2+依存性のCl電流の活性化が観察された.マウス感覚神経においてもカプサイシンによる陰性電位での内向き電流がANO1阻害剤A01で有意に抑制され,A01はカプサイシンによる活動電位発生も抑制したことから,内向き電流が大きなClの流出成分を含むと考えられた.さらに,カプサイシンによる疼痛関連行動がA01により有意に抑制された.カプサイシンによる痛みは,TRPV1活性化を介した陽イオン流入による脱分極から活動電位が発生して起こるものと一般には理解されているが,TRPV1を介して流入したCa2+によって活性化したANO1によるCl流出が実は脱分極のかなりの部分を担っていると考えられる.このANO1との機能連関は,同じようにCa2+透過性の高いTRPA1との間にも起こっていることが明らかになっている.

遺伝子クローニングから25年,鎮痛薬としてのTRPV1阻害剤はいまだ世に出てきていない.TRPV1あるいはTRPA1とANO1の結合を阻害する化合物,ANO1の阻害化合物が新たな鎮痛薬開発の候補として浮上した.そのスクリーニングの過程で鎮痛薬・鎮痒薬として長く使われてきたメントールがANO1活性を強く抑制することを見いだした191).メントールの構造類似化合物のスクリーニングにより,4-イソプロピルシクロヘキサノールがANO1, TRPV1, TRPA1, TRPV4, TRPM8の阻害剤として機能することがわかり,マウスでカプサイシンによる疼痛関連行動を有意に抑制し,新たな鎮痛薬・鎮痒薬開発のシーズ化合物となるものと期待される.TRPV4, TRPV1, TRPA1以外のCa2+透過性の高い温度感受性TRPチャネルもANO1と機能連関して生理機能に関わっているかもしれない.

9. 温度感受性TRPチャネルと痒み

TRPV1, TRPA1, TRPM3は侵害刺激受容に関わることが明らかになっているが,TRPV1, TRPV3, TRPV4, TRPA1は痒みにも関わることが報告されている192–194)

マウスでヒスタミンH1受容体活性化による感覚神経での細胞内カルシウム濃度上昇はTRPV1依存的であり,ヒスタミンによる引っかき行動がTRPV1欠損マウスで有意に少ないことが報告された195).トリプシンによる痒み行動もTRPV1欠損マウスで有意に減少していたことから,PAR2受容体とTRPV1の関わりも推定されているが196),その細胞内メカニズムは十分には明らかにされていない.TRPV1発現細胞特異的VGLUT 2(vesicular glutamate transporter 2)欠損マウスは自発的な引っかき行動を示したことから,脊髄後角でのTRPV1発現後根神経節神経からのグルタミン酸の放出が痒みの抑制に必要と考えられる197).Toll-like受容体7(TLR7)活性化剤Imiquimodの副作用に痒みがあるが,TRPV1発現後根神経節神経の活動はTLR-7が関わる痒みにも重要なようである198).phosphoinositide interacting regulator of TRP channels(Pirt)は感覚神経特異的に発現し,TRPV1に結合してそのチャネル開閉を制御している199).ヒスタミン,セロトニン,SLIGRL(PAR2活性化ペプチド),endothelin 1(ET1-1)による痒み行動がPirt欠損マウスで減弱したことから200),PirtはTRPV1と結合してTRPV1が関わる痛みシグナルのみならず,ヒスタミン依存性,非依存性の痒みに関連しているようである.

ET-1による痒みにはTRPA1も関わる201).Mrgpr3(mass-related G protein-couple A3)を受容体とする抗マラリア薬クロロキンの副作用の一つが痒みであり202),bovine adrenal medulla peptide(BAM)8-22もMrgpr11に作用して痒みを引き起こす203).これらMrgpr3, Mrgpr11活性化の下流で起こるTRPA1活性化が痒み発症と関連し,Mrgpr3, Mrgpr11による痒み行動はTRPA1欠損マウスで消失する204).過酸化水素による痒みにもTRPA1が関わることが報告されている205).表皮ケラチノサイトが産生するサイトカインであるthymic stromal lymphopoietin(TSLP)は痒みを引き起こすが,感覚神経のTSLP受容体の下流でTRPA1が活性化し,痒みが引き起こされるものと考えられる206).また,IL-13による痒みにもTRPA1発現神経が関与する207).セロトニンによる痒みには5-HT7受容体とTRPA1を介することが報告されたが208),5-HT7受容体とTRPA1のシグナリングは不明である.

肝疾患において胆汁うっ滞によりしばしば痒みが生じるが,胆汁酸の増加と代謝型胆汁酸受容体TGR5の関与が報告された209).胆汁酸による感覚神経細胞内Ca2+濃度上昇へのTRPA1の関わりが報告された210).我々も胆汁うっ滞で増加するリゾホスファチジン酸(LPA)がマウスに痒みを引き起こすことを明らかにした211).LPAは細胞外でマウス感覚神経細胞に発現する代謝型LPA5受容体に作用し,その下流でホスホリパーゼD等の酵素の働きでLPAが細胞内で再合成され,TRPA1, TRPV1に作用してこれらを活性化し痒みを引き起こす.LPAによる痒み行動はTRPA1欠損マウスやTRPV1欠損マウスにおいてだけでなく,ホスホリパーゼD阻害剤によっても抑制されたことから,新たな鎮痒剤開発のシーズになると期待される.

TRPV3とTRPV4は前述のように上皮ケラチノサイトに強く発現し,TRPV4は感覚神経にもわずかに発現する.TRPV3は前述のように皮膚病変に関わり,その変異が痒みを引き起こすことが明らかになっている212).2016年にTRPV4がセロトニンによる痒みに関与すると報告され194),また,ケラチノサイト特異的なTRPV4欠損マウスの解析によってTRPV4がヒスタミン依存性の痒みに関わると報告された213).我々はさらに,鎮痒薬として長く使用されてきたクロタミトンがTRPV4を介してマウスに痒みを引き起こすことを明らかにした214)

10. 温度感受性TRPチャネルの進化,種間多様性とその生理的意義

動物は進化の過程で,砂漠のような高温の地域から寒冷地まで幅広い温度条件の環境に適応してきた.それぞれの動物種が生息地の環境条件に適した生態的,生理的な特性を獲得するのに伴い,温度受容の仕組みも柔軟に変化してきたと想像される.異なる進化系統における遺伝子の種類の増減は,感覚受容体の種間多様性の創出機構として重要な役割を果たすことが知られている.マウスやヒトに存在する10の温度感受性TRPチャネル(TRPM3を除く)の多くのものは脊椎動物種に保持されており,基本的な遺伝子レパートリーは維持されてきたと考えられる215–217).しかし,魚類ではTRPV2, TRPV3, TRPM8が失われ,両生類ではTRPV4やTRPM8の種類が増加しているなど,遠縁な脊椎動物種間で特定の遺伝子に増減がみられる.脊椎動物から遠縁な昆虫では,脊椎動物の温度感受性TRPチャネルのオーソログはTRPA1のみである218, 219).ショウジョウバエではTRPA1に加えて,TRPAサブファミリーに含まれる2種類の遺伝子(Pyrexia, Painless)が温度受容体として同定されている218, 219).つまり,TRPチャネルは動物の進化過程の初期段階で温度受容体としての機能を獲得し,それぞれの進化系統で遺伝子を新たに作り出したり(遺伝子重複),または,失ったり(遺伝子欠失)を繰り返し,遺伝子レパートリーが動物種間で多様化してきたと考えられる.

TRPV1はこれまで,さまざまな種で単離され機能解析が行われてきた220–222).いずれの種のTRPV1も侵害性高温受容体として機能し,脊椎動物の進化系統で保存されてきた機能であると考えられる.一方,TRPA1の温度感受性は種間で異なることが知られている.前述のとおり,げっ歯類であるマウスでは低温および高温で活性化されると報告されているが,ゼブラフィッシュTRPA1は温度感受性を持たないことが報告された223).一方で,ニワトリ,グリーンアノールトカゲ,複数種のヘビ,ネッタイツメガエルでは高温により活性化されることが知られ224–227),無脊椎動物のショウジョウバエではTRPA1は温かい温度(昆虫にとっては高温)で活性化される228).TRPV1は哺乳類,ニワトリやネッタイツメガエルの感覚神経(後根神経節細胞)でTRPA1と高度に共発現し153, 220, 222, 226),TRPV1は脊椎動物の祖先種で新たにTRPA1よりも後で生じたことが分子系統解析により示されている215, 216, 229).これらのことから,TRPA1は動物進化系統の初期段階で刺激性化学物質や高温の受容に関わるようになり,その機能が脊椎動物の祖先状態でも維持されていたが,脊椎動物の進化系統で新たにTRPV1が高温センサーとして獲得されTRPA1と共発現するようになり,いくつかの種においてTRPA1の高温感受性温度感受性が失われたのではないかと考えられる217, 226, 227)

近年,温度に関連したユニークな生理機構を持つ動物種に着目した研究により,温度感受性TRPチャネルが動物種特異的な生理機能の獲得に貢献してきたことが報告された.ガラガラヘビなどの毒蛇の一部にはピットと呼ばれる赤外線を受容する特殊な器官が頭部に備わっている.この器官により餌または天敵となる恒温動物の位置を視覚情報に頼らずに感知することができる.このピット器官において,恒温動物から発せられる赤外線により生じる温度上昇をTRPA1が受容しているという仮説が提唱された224).一方,吸血コウモリのピット器官では,脊髄動物TRPV1と比較してN末端が短く活性化温度閾値の低いTRPV1スプライシングバリアント(TRPV1S)が,赤外線の受容に関わる可能性が示された230)

カイコの季節適応戦略においてもTRPA1が関与する.カイコは厳冬期を乗り切る戦略として休眠卵を産卵するが,カイコ成虫が非休眠卵を産卵するかの卵の産み分けにTRPA1が関わっていることが示された231).また,爬虫類であるミシシッピーワニにおける温度依存性の性決定には,TRPV4が関わることが報告された232)

種特異的な生理機能が形成される過程で,温度感受性TRPチャネルの発現する場所(組織)やタイミング,さらにはその機能特性が柔軟に変化してきたことが明らかとなってきた.今後,多様な動物種を用いた解析が進むにつれ,予想外の生理機能における温度感受性TRPチャネルの関わりが明らかになってくると期待している.

ショウジョウバエでは,前述のとおり,TRPAサブファミリーに含まれる3種類のチャネル(TRPA1, Painless, Pyrexia)が温度受容体として働く.TRPA1は温かい温度(24~27°C以上)で活性化され228),TRPA1をノックダウンした幼虫を用いた解析により,不適な温度域を忌避する温度走性行動に関わることが報告されている233).一方,Painlessは約42°C以上の高温によって活性化され234),侵害性の高温や,強い機械刺激の忌避行動に関わっている235).Pyrexiaもまた40°C以上の高温刺激により活性化される.Pyrexiaの突然変異体を高温条件下に置くと,野生型に比べて麻痺状態になる個体の割合が高くなることから,高温耐性において何らかの役割を担っていると考えられる236)

11. おわりに

我々の研究室の成果を中心に温度感受性チャネル研究の現状を解析した.本稿では紹介しきれなかった多くの興味深い知見があることをつけ加えたい.多くの総説がそれぞれの温度感受性チャネルについて出されているので読んでいただきたい.温度は細胞・組織・生体の多くの現象に関わる物理量であり,最近では,細胞内の温度も一定ではなく,不均一であり,それが細胞機能に関わっていることが明らかになっている.

謝辞Acknowledgments

この総説をまとめるにあたって協力くださった以下の方々に謝意を表したい.加塩麻紀子(自然科学研究機構生理学研究所細胞生理研究部門,自然科学研究機構生命創成探究センター温度生物学研究グループ),内田邦敏(静岡県立大学食品栄養科学部環境生命科学科生体機能学研究室),鈴木喜郎(岩手医科大学医学部生理学講座統合生理学分野),斎藤茂(自然科学研究機構生理学研究所細胞生理研究部門,自然科学研究機構生命創成探究センター温度生物学研究グループ),高山靖規(昭和大学医学部生理学講座生体制御学部門).

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著者紹介Author Profile

富永 真琴(とみなが まこと)

自然科学研究機構生理学研究所細胞生理研究部門教授.医学博士.

略歴

1984年愛媛大学医学部卒業.循環器内科医を経て,92年に京都大学で医学博士号取得.96~99年に米国UCSF博士研究員.99年に筑波大学講師.2000年に三重大学医学部教授.2004年より現職.

研究テーマと抱負

アメリカでカプサイシン受容体TRPV1とTRPV2の遺伝子クローニングと機能解析に関わる.その研究内容で2021年にジュリアス教授がノーベル生理学医学賞を受賞.1997年から温度感受性TRPチャネルの研究に携わる.

ウェブサイト

https://www.nips.ac.jp/cs/index.html

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