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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(2): 258-270 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940258

総説Review

タンパク質分解技術と創薬PROTAC/SNIPER化合物の開発Targeted protein degradation and drug discovery

東京大学大学院薬学系研究科Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1 ◇ 7–3–1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113–0033, Japan

発行日:2022年4月25日Published: April 25, 2022
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抗体,小分子阻害剤開発による創薬は大きな成功を収めているが,これらの薬剤の標的分子は細胞が発現するタンパク質の22%程度でしかなく,それ以外のタンパク質はいわゆるアンドラッガブルな標的とみなされてきた.近年開発されたタンパク質分解技術では,アンドラッガブルな標的タンパク質を分解する化合物(PROTAC, SNIPER, E3モジュレーターなど)を開発することができるため,創薬の新しいプラットフォーム技術として大きな注目を集めている.本稿ではさまざまな化合物による標的タンパク質分解機構を紹介し,筆者らが開発した各種SNIPER化合物を中心にタンパク質分解医薬品の特徴などについて説明する.

1. はじめに

分子標的治療(molecular targeted therapy)あるいは分子標的薬(molecular targeted drugs)という言葉が使われるようになってから30年近くになる.病気の発症機構を明らかにし,発症の原因となっている分子の機能を阻害するという分子標的治療の概念は合理的であり,特異的な阻害剤を開発すれば副作用の少ない優れた薬剤になることが当初から期待されていた1).分子標的薬の大きな成功例の一つはがん治療における各種のキナーゼ阻害剤であろう2, 3).慢性骨髄性白血病細胞に特徴的な融合キナーゼBCR-ABLを阻害するイマチニブがこのタイプの白血病に著効を示して以来4–6),各種のキナーゼ阻害剤が開発され,がんの分子標的薬開発に大きな影響を与えた.近年では抗体などのバイオ医薬品の開発も盛んに行われており,2020年に世界で売上高の多かった医薬品の上位20品目のうち12品目はバイオ医薬品(ペプチドを含む),7品目が小分子阻害剤であった.

これらの医薬品が標的とする分子は,小分子阻害剤では細胞内外の酵素活性を持つタンパク質,バイオ医薬品では細胞外もしくは細胞膜上のタンパク質である.これらドラッガブルな標的タンパク質は細胞が発現するタンパク質の22%程度といわれており,それ以外のタンパク質は創薬の難しいアンドラッガブルな標的タンパク質と考えられてきた.具体的には転写因子,アダプタータンパク質など酵素活性を持たない細胞内のタンパク質などである.近年開発されたタンパク質分解技術では,PROTAC(proteolysis targeting chimera),SNIPER(specific and nongenetic IAP-dependent protein eraser),E3モジュレーターなどの化合物によってアンドラッガブルなタンパク質を分解することが可能であり,これらの技術を基にした創薬研究が現在世界中で活発に行われている7–17).本稿ではタンパク質分解を誘導するさまざまな化合物について紹介し,筆者らが開発した各種SNIPER化合物を中心にタンパク質分解医薬品の特徴などについて説明する.

2. 細胞内のタンパク質分解経路

細胞内のタンパク質は主に二つの経路(ユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系)で分解される.ユビキチン・プロテアソーム系はポリユビキチン鎖修飾を受けたタンパク質をプロテアソームで分解する経路であり,タンパク質を個別に分解する機構である18–21).もう一つのオートファジー・リソソーム系は,隔離膜によって取り囲んだ細胞小器官などをリソソームで一括して分解する機構である22, 23).本稿で紹介するタンパク質分解技術は,これら細胞にもともと備わっているタンパク質分解機構を利用して,標的とするタンパク質を分解する技術である.ユビキチン・プロテアソーム系を利用して標的タンパク質を分解する化合物の開発が先行して進んできたが,最近ではオートファジー・リソソーム系を利用してタンパク質分解を誘導する化合物の報告も増えつつある.

標的タンパク質を選択的に分解する化合物は,そのまま医薬品のリード化合物となる可能性もあるが,基礎研究のツールとしても有用である.ゲノム編集またはRNA干渉法で遺伝子発現を抑制することによって現れる表現型の変化を解析することは,目的とするタンパク質の機能解析によく用いられる常套手段である.しかしこれらタンパク質の生合成をブロックする方法では,標的タンパク質の発現量が変化するまでに比較的長い時間(数日)を必要とするため,その間に細胞にさまざまな二次的変化が生じてしまうことも多い.これに対して化合物による標的タンパク質の分解は数分から数時間で起こるため,タンパク質の消失(減少)による変化をより直接的に解析することができる.オーキシンデグロン法24, 25),dTAG(degradation tag)法26)などが知られているが,これらの技術の詳細については他の文献を参照していただきたい.

3. タンパク質分解を誘導する化合物

タンパク質分解を誘導する化合物はその構造と作用機序によっていくつかのカテゴリーに分類される.ここではその分類ごとに代表的な化合物と分解機構などについて述べる.

1)E3モジュレーター(分子糊)

E3モジュレーターはE3ユビキチンリガーゼ(以下E3)に結合して,その基質特異性を変化させる化合物である.植物ホルモンのオーキシンはCRLユビキチンリガーゼ複合体の基質認識サブユニットTIR1に結合すると,AUX/IAAタンパク質のユビキチン化と分解を引き起こす27, 28).AUX/IAAはオーキシン応答遺伝子の発現を抑制しているため,AUX/IAAを分解することによってオーキシン応答遺伝子の発現が誘導される.

ヒトの医薬品として開発された化合物では,レナリドミドなどのサリドマイド類が同様な作用機序で標的タンパク質の分解を引き起こす(図1).サリドマイドは過去に催奇性が問題となったが,免疫調節機能などの有用な薬理作用が再び注目され,厳格な安全管理の下で多発性骨髄腫などの治療に使用されるようになった.その後サリドマイドの直接の標的分子がユビキチンリガーゼCRBNであり29),レナリドミド,ポマリドミドなどの類縁化合物も含めてE3モジュレーター作用によりイカロスファミリー転写因子(IKZF1, IKZF3)などのタンパク質を分解することが明らかになった30–32).化合物の側鎖を修飾することにより分解するタンパク質(ネオ基質)を変化させることができるが33, 34),現在の技術ではネオ基質を予測することはできない.

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図1 レナリドミド(E3モジュレーター)による標的タンパク質(ネオ基質)分解のメカニズム

レナリドミドはE3ユビキチンリガーゼCRL4CRBNの基質認識サブユニットCRBNに結合し,糊のように作用して標的タンパク質(ネオ基質)との結合を仲介する.CRL4CRBNに結合した標的タンパク質は,ユビキチン化され,プロテアソームで分解される.E3モジュレーターの側鎖を修飾すると結合するネオ基質も変わる.

レナリドミドと同様にE3モジュレーター活性を示す化合物として,インディスラムなどのスルホンアミド化合物が知られている.インディスラムはDCAF15に結合し,スプライシング制御因子RBM39/CAPERαの分解を誘導する35, 36)

これらの化合物は,E3とネオ基質タンパク質を結合させる糊のような働きをすることから,分子糊(molecular glue)と呼ばれることもある.上記三つとは作用点が異なるが,CDK阻害剤CR8はユビキチンリガーゼのアダプタータンパク質DDB1とCDK12を結合させる分子糊として働き,CDK12と結合しているサイクリンKのユビキチン化と分解を誘導することが報告されている37).またBCL6阻害剤BI-3802は,BCL6タンパク質の重合を仲介する分子糊として作用し,SIAH1によるユビキチン化とプロテアソームによる分解を誘導する38)

2)疎水性タグ化合物

エストロゲン受容体を分解するフルベストラントはβエストラジオールに疎水性の側鎖が付加した構造をしており,エストロゲン受容体に結合すると受容体の構造変化を引き起こして分解を誘導する39).乳がんの治療薬として上市されているが,フルベストラントは分解を意図して開発された化合物ではなく,後にエストロゲン受容体を分解することが明らかになった40).同様なカテゴリーの化合物としてBoc3Arg,アダマンタンなどの疎水性残基を利用した化合物が報告されている41–44).化合物の結合によって構造変化を起こしたタンパク質が細胞内のタンパク質品質管理機構によって認識され分解に至ると考えられているが,分解に関与するユビキチンリガーゼなどの詳しいメカニズムはわかっていない.この方法で分解できる標的タンパク質は今のところエストロゲン受容体,アンドロゲン受容体などの一部のタンパク質に限られているが,Haloタグなどを利用して化合物を標的タンパク質に共有結合させると多くのタンパク質を分解することができる.

3)IAPアンタゴニスト

IAP(inhibitor of apoptosis protein)は細胞死を阻害し,炎症の制御に重要な役割を果たす一群のタンパク質であるが45, 46),そのうちcIAP1, cIAP2, XIAPなどのファミリーメンバーはE3活性を示す.IAPアンタゴニストはこれらIAPのBIR3ドメインに結合してその機能を阻害するだけでなく,cIAP1などのユビキチン化と分解を引き起こす.一部のがん細胞はIAPの過剰発現により細胞死を免れているため,IAPアンタゴニストは新しい作用機序を持つ抗がん剤として期待され,多くのIAPアンタゴニストが開発されてきた45, 47–52).しかしIAPアンタゴニストが分解を誘導できるのはcIAP1, cIAP2などの一部のIAPに限られている.

4)キメラ化合物(PROTAC, SNIPER)

目的とする標的タンパク質の分解に現在最もよく利用されているのが,PROTAC, SNIPERなどのキメラ化合物である.最近はこれらのキメラ化合物をまとめてPROTACと総称することが多いが,本稿ではPROTACの中でIAPを利用して分解を誘導する化合物をSNIPERとして扱う13, 14).PROTAC/SNIPERはE3に結合するリガンドと標的タンパク質に結合するリガンドをつないだキメラ構造をしており,細胞内で標的タンパク質とE3を近接させることにより標的タンパク質のユビキチン化とプロテアソームによる分解を誘導する(図2).標的リガンドを取り替えることによって任意のタンパク質を分解するキメラ化合物を合理的に設計できるという特徴がある.初期のPROTACはE3リガンドにリン酸化ペプチドなどを利用していたため無細胞系で活性を示すにとどまっていたが53),両方のリガンドに小分子化合物を導入したPROTAC/SNIPERが開発され54–56),培養細胞系で標的タンパク質の分解活性を示すようになった.その後E3リガンドの改良によりin vivoでも標的タンパク質の分解活性と薬理活性を示すPROTAC/SNIPERが開発され57–62),創薬の新しいプラットフォーム技術として注目されるようになった63).現在のところ,標的タンパク質の分解に利用されるE3はCRL4CRBN,CRL2VHL,IAPが多いが,他のE3を利用して分解する化合物の報告も増えてきている55, 64–69)

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図2 キメラ化合物(PROTAC/SNIPER)による標的タンパク質分解のメカニズム

PROTAC/SNIPERは標的リガンドとE3リガンドをリンカーでつないだキメラ化合物で,細胞内で標的タンパク質とE3を近接させてユビキチン化し,プロテアソームによる分解を誘導する.標的リガンドを取り替えることにより,目的のタンパク質を分解するキメラ化合物を合理的に設計することができる.

5)脱ユビキチン化酵素阻害剤

ユビキチン化の逆反応を阻害することによって標的タンパク質の分解を誘導する化合物も報告されている.細胞内のユビキチン化反応は可逆的な反応であり,標的タンパク質に形成されたポリユビキチン鎖は脱ユビキチン化酵素によって除去される70, 71).細胞内の多くのタンパク質はユビキチン化が引き金となって分解されるが,一部のタンパク質は常にユビキチン化を受けていながら脱ユビキチン化酵素の作用によって分解を免れている.細胞には約100種類の脱ユビキチン化酵素があるが,たとえば慢性骨髄性白血病の融合タンパク質BCR-ABLはUSP25による脱ユビキチン化によって細胞内で分解を免れているため,USP25阻害剤はBCR-ABLの分解を誘導する72).また別の脱ユビキチン化酵素USP19の発現を抑制するとユーイング肉腫の融合タンパク質EWS-FLI1が減少し,肉腫の増殖が抑制される73).その他にもUSP9Xを阻害するWP1130はERGタンパク質の分解を引き起こすことが報告されている74).脱ユビキチン化酵素阻害剤は多くのタンパク質の分解に適用できるわけではないが,がん細胞の増殖に重要な変異タンパク質のいくつかは脱ユビキチン化酵素を阻害することによって分解できると考えられる.

6)オートファジー・リソソーム系による分解を誘導する化合物

上記の化合物はいずれもユビキチン・プロテアソーム系に作用して標的タンパク質の分解を誘導するが,オートファジー・リソソーム系を利用してタンパク質分解を誘導する化合物も報告されている.

細胞内に侵入したA群連鎖球菌はオートファジーによって分解されるが,その際に菌表面がS-グアニル化修飾されこれを目印として隔離膜が形成される.AUTAC(autophagy-targeting chimera)は,S-グアニル基を模したp-fluorobenzylguanineと標的リガンドをリンカーでつないだキメラ化合物で,標的タンパク質やミトコンドリアの周りに隔離膜形成を誘導しオートファジーで分解する75, 76)

マンノース6-リン酸受容体などの細胞膜受容体は刺激によって細胞内に取り込まれリソソームで分解される.LYTAC(lysosome-targeting chimera)は,マンノース6-リン酸受容体のリガンド(ポリペプチドにマンノース6-リン酸を数十個結合した分子)に抗体を結合したキメラ分子で,抗体が結合するタンパク質(細胞外もしくは細胞膜上のタンパク質)をマンノース6-リン酸受容体とともに細胞内に取り込んでリソソームで分解する77)

またATTEC(autophagosome-tethering compound)は,伸長したポリグルタミンとLC3の両者に結合活性を示す化合物で,分子糊のように作用して変異型タウなどの凝集性タンパク質を分解する活性を示すことが報告されている78, 79)

以上のようにタンパク質分解を誘導するさまざまな化合物が開発されてきたが,目的のタンパク質を分解する化合物を合理的に設計可能なPROTAC/SNIPERをベースにした創薬研究が現在活発に行われている.時間的には少し遡るが,以下の項では我々の研究室で行ってきたSNIPER開発の経緯とPROTAC/SNIPERの特徴などについて述べる.

4. SNIPER開発の経緯と展開

1)MeBSによるcIAP1分解からSNIPER化合物の着想

我々の研究室では,IAPファミリータンパク質による細胞死制御機構を研究していたが,その過程でメチルベスタチン(methyl-bestatin:MeBS)がIAPファミリータンパク質のcIAP1を特異的に減少させることを見いだした80).cIAP1はE2ユビキチン結合酵素と結合するRINGドメインを持つタンパク質であり,E3としての機能を持っている.詳しい解析の結果,MeBSはcIAP1のBIR3ドメインと相互作用し,cIAP1のRING依存的な自己ユビキチン化を活性化してプロテアソームによる分解を誘導することを明らかにした.またMeBSの構造活性相関解析から,MeBSのメチルエステルを比較的大きな置換基に換えてもこの活性は保持されるが,ベスタチン骨格を修飾するとcIAP1との相互作用が失われ,cIAP1分解誘導活性もなくなることがわかった.したがってMeBSはベスタチン骨格を介してBIR3ドメインと相互作用していると推測された(図3A).またメチル基はcIAP1から離れていると考えられたことから,MeBSのメチル基を標的タンパク質に結合するリガンドと置換した化合物によって,標的タンパク質をcIAP1によってユビキチン化し,プロテアソームで分解できるのではないかと考えた(図3B).

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図3 メチルベスタチンの作用から着想したSNIPER化合物

(A)メチルベスタチンの化学構造とcIAP1分解メカニズム.メチルベスタチン(MeBS)はcIAP1の3番目のBIRドメインにベスタチン骨格を介して結合し,cIAP1のRING依存的な自己ユビキチン化とプロテアソームによる分解を誘導する.(B)メチルベスタチンによるcIAP1分解機構を基に考案したSNIPER化合物の構造模式図と,想定した標的タンパク質分解メカニズム.

2)第一世代SNIPER化合物の開発

このアイデアを基に,ベスタチンをcIAP1リガンドとして利用した各種SNIPER化合物を産官学の合成化学者とともに共同で開発した.最初に開発したSNIPER(CRABP)はATRA(all-trans retinoic acid)を標的リガンドとして導入した化合物で,ATRA結合タンパク質であるCRABP2(cellular retinoic acid binding protein 2)を減少させる活性を示した54, 81–83).またタモキシフェン(4-hydroxytamoxifen)を標的リガンドとしてエストロゲン受容体(ERα)を分解するSNIPER(ER)を84, 85),さらにKHS-108をリガンドとしてTACC3(transforming acidic coiled-coil)タンパク質を分解するSNIPER(TACC3)を開発した(図486).これらの結果から,標的リガンドを取り替えることによって目的とするタンパク質を分解するSNIPER化合物を合理的に開発することができるというコンセプトが実証され,さらにさまざまな標的タンパク質を分解する第一世代SNIPER化合物を開発した87–90).第一世代のSNIPERは標的タンパク質の分解に10 µMまたはそれ以上の濃度を必要とするものが多い.

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図4 第一世代SNIPERによる標的タンパク質の特異的分解(文献86を改変)

メチルベスタチンのメチル基をレチノイン酸(ATRA),TACC3リガンド(KHS),タモキシフェン(4OHT)に置換したSNIPER化合物は,それぞれの標的タンパク質であるレチノイン酸結合タンパク質(CRABP-II),TACC3タンパク質,エストロゲン受容体(ERα),を特異的に分解した.これらの第一世代SNIPERでは,標的タンパク質の分解には10 µM程度の濃度を必要とした.数値はコントロールを100としたときのタンパク質量を示す.

3)第二世代SNIPERの開発

上述したようにIAPファミリータンパク質はがん治療の標的分子として以前から注目されており,多数のIAPアンタゴニストがすでに開発されている.これらのIAPアンタゴニストは,cIAP1だけではなくXIAPなどのBIRドメインにも高い親和性で結合することが報告されている.そこで,これらのIAPアンタゴニストを導入し,より低濃度で標的タンパク質の分解活性を示すSNIPERの開発を試みた.その結果開発されたSNIPER(ER)-87, 105などの化合物は,培養細胞では数十nM程度の濃度でエストロゲン受容体の分解誘導活性を示した(図5A, B).またヒト乳がん細胞を移植したヌードマウスにこれらのSNIPER(ER)を投与すると,がん細胞内のエストロゲン受容体を減少させ,がんの増殖を抑制した(図5C57, 58).分解誘導メカニズムを詳細に解析した結果,これらのSNIPER(ER)はXIAPを優先的にエストロゲン受容体にリクルートして“エストロゲン受容体-SNIPER-XIAP”の三者複合体を形成することにより,XIAP依存的にエストロゲン受容体をユビキチン化して分解誘導することが明らかになった.また標的リガンドを取り替えることによってBCR-ABL, BRD4, PDE4などの標的タンパク質を数nM~数十nMで分解誘導する各種SNIPER化合物を開発することができた57, 91, 92).これらの結果から,適切な標的リガンドとIAPリガンドを組み合わせることによって,培養細胞では数十nMオーダーという低濃度で標的タンパク質を分解し,in vivoでも分解活性を示すSNIPER化合物を開発するプラットフォーム技術がひとまず完成した.

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図5 第二世代SNIPERによるエストロゲン受容体の分解と,乳がんに対する抗がん活性(文献57を改変)

(A)第二世代SNIPER(ER)-87の化学構造.(B)SNIPER(ER)-87のエストロゲン受容体分解活性.100 nMのSNIPER(ER)-87はエストロゲン受容体を強く分解し,この分解はプロテアソーム阻害剤MG132によって完全に阻害された.数値はコントロールを100としたときのタンパク質量を示す.(C)SNIPER(ER)-87の抗がん活性.SNIPER(ER)-87は,ヌードマウスに移植したヒト乳がん細胞MCF7の増殖を阻害した.上の写真は14日後に摘出したがんの大きさ,下のグラフは薬剤投与開始後のがんの増殖を示す.

5. PROATC/SNIPERの特徴

標的タンパク質の分解を作用機序とするPROTAC/SNIPERなどの化合物は,標的タンパク質の機能を阻害する阻害剤とは異なる薬理学的特徴を示す.化合物のカテゴリーによって多少の違いはあるが,ここでは創薬への応用が進むPROTAC/SNIPERの特徴について主に述べる.

1)触媒的作用

PROTAC/SNIPERは細胞内で三者複合体(E3/PROTAC/標的タンパク質)を形成し,標的タンパク質のユビキチン化と分解を引き起こす.最初の標的タンパク質が分解されると,次の標的タンパク質と複合体を形成することができるため,触媒的に次々と標的タンパク質を分解する62).そのため薬剤濃度が低くても標的タンパク質を分解すると考えられており,これまでに開発されたPROTAC/SNIPERではDC50値(標的タンパク質の量を半減させる濃度)がpMオーダーという非常に低濃度で分解活性を示すものも報告されている93).また単回投与で時間が経過した後も細胞内に残った少量のPROTAC/SNIPERが分解活性を示すため,長時間にわたって標的タンパク質の機能を抑制できる.実際BCR-ABLを分解するSNIPER(ABL)(図6A, B)を慢性骨髄性白血病細胞に12時間処理すると,薬剤を除去した後も白血病細胞の増殖を強く阻害しほとんどの細胞がアポトーシスを起こして死滅したが,キナーゼ阻害剤ダサチニブで同様な実験を行うと白血病細胞は薬剤除去後速やかに再増殖した(図6C94).このようなPROTAC/SNIPERの特徴は薬理効果の持続性という点では有利な性質であるが,標的タンパク質が分解された結果有害事象が起こった場合にはこれを制御しにくいことが懸念されるため,臨床応用においては十分な注意が必要である.

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図6 阻害剤と比較して長時間持続するSNIPERの薬理作用(文献94を改変)

(A) SNIPER(ABL)-38の化学構造.(B) SNIPER(ABL)-38のBCR-ABL分解活性.(C) SNIPER(ABL)-38短時間処理後にみられる白血病細胞の増殖阻害.慢性骨髄性白血病K562細胞を各薬剤のIC50値の50倍の濃度で12時間処理した後,薬剤を除去して培養した.キナーゼ阻害剤ダサチニブで処理した細胞は薬剤除去後速やかに再増殖したが,SNIPER(ABL)で処理した細胞は薬剤除去後も細胞数が減少し,数日後にはほとんどの細胞がアポトーシスを起こして死滅した.

2)標的タンパク質のすべての機能の抑制

タンパク質は一般に多機能であり,一つのタンパク質がさまざまなタンパク質との相互作用により多様な機能を示すことが多い.このような多機能タンパク質の機能をすべて阻害することは小分子阻害剤では実質的に不可能であるが,標的タンパク質を分解するPROTAC/SNIPERでは可能である.一つのタンパク質が多様な機能で疾患に関与する場合,PROTAC/SNIPERなどのタンパク質分解医薬品を開発することは合理的な戦略の一つと考えられる.

3)標的タンパク質に対する高い特異性

PROTAC/SNIPERが標的タンパク質を分解するためには,三者複合体を形成することが必要であるが,三者複合体を形成すれば必ず分解されるわけではない95).標的タンパク質を分解するためにはユビキチン化が必要であり,そのためにはE3からユビキチンを受け取るリシン残基が標的タンパク質の適切な位置に存在することが必要である.したがって標的リガンドが結合するタンパク質が複数あったとしてもその中で分解されるのは一部の種類に限られ,標的に対する特異性の高いPROTAC/SNIPERを開発することが可能になると考えられている.これまでに開発されたPROTAC/SNIPERの中には,高深度プロテオーム解析で8000以上のタンパク質を精密に比較解析した結果,一つの標的タンパク質だけが分解された例もある93)

4)PROTACとSNIPERの違い

PROTAC/SNIPERでよく利用されるE3と標的タンパク質との複合体を模式的に示した(図7).標的タンパク質はこれらの複合体を介してユビキチン化を受けプロテアソームで分解される.しかし標的タンパク質にリクルートするE3を変えると,標的タンパク質の分解活性が大きく変わることもよくある96, 97).したがって優れた分解活性を持つPROTAC/SNIPERの開発には,標的タンパク質とE3の最適な組み合わせを見いだすことが重要である.

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図7 PROTAC/SNIPERによって形成される複合体模式図(上)と代表的なE3リガンドの化学構造(下)

SNIPERはPROTACと異なり標的タンパク質だけでなくE3として働くcIAP1も分解する.そのためE3の減少がSNIPERによる標的タンパク質の分解活性の低下につながる可能性が指摘されることもあるが,細胞内にはXIAPなどSNIPERでは分解されにくいIAPも存在するため標的タンパク質の分解に大きな問題はない.むしろ前述したようにIAPは多くのがん細胞で過剰発現が認められ治療抵抗性に関与することから,XIAPを利用して標的タンパク質を分解しさらにcIAP1を分解するSNIPERは抗がん剤としての利点があると考えられる13, 14)

5)抗体などの創薬モダリティーとの比較

表1にPROTAC/SNIPERと従来の小分子医薬品,抗体などのバイオ医薬品,今後臨床開発が進むと思われる創薬モダリティーとして核酸医薬品,遺伝子治療製品を比較してその特徴をまとめた.PROTAC/SNIPERには,小分子阻害剤や抗体にはない触媒的な作用があり,持続性に優れた経口薬への展開が可能98, 99)という特徴がある.また標的タンパク質は細胞内タンパク質全般であり,細胞外および細胞膜タンパク質を標的とする抗体とは相補的な関係にある.新しい創薬モダリティーとして核酸医薬,遺伝子治療の実用化も進みつつあるが,それぞれに長所短所がある.あらためていうまでもないが,標的タンパク質およびモダリティーの特性などを考慮して,創薬のストラテジーを考えることが重要であろう.

表1 創薬モダリティーの比較
小分子阻害剤抗体PROTAC/SNIPER核酸医薬遺伝子治療
分子量<500160,000600~12005000~10,000>3,000,000
標的タンパク質存在部位(具体例)細胞内外(酵素,受容体)細胞外,細胞膜(液性因子,受容体)細胞内(酵素,受容体,転写因子,スプライシング因子等)細胞内外(全タンパク質)細胞内外(全タンパク質)
持続性
触媒的作用×××
組織へのデリバリー
経口薬×××

6. 基礎研究への応用

PROTAC/SNIPERを利用した基礎研究への応用も進みつつある.ユビキチン修飾はプロテアソームによる分解のシグナルとなるだけでなく,細胞膜受容体の内在化と分解,ミトファジー,細胞内シグナル伝達,DNA修復など細胞のさまざまな機能制御に関与することが知られている.ユビキチン修飾によってこれらの多様な機能が制御される仕組みの解明は重要な研究課題の一つであるが,有力な仮説としてユビキチンコード仮説が提唱されている100).これは,ユビキチン修飾は一様ではなくポリユビキチン鎖の長さやK48, K63, K11などのユビキチン鎖の連結様式,さらにはアセチル化やリン酸化などの修飾が組み合わされた複雑なコードをなしており101, 102),そのコードを創る分子,読み解く分子,消去する分子などによってさまざまな細胞機能が制御されるという仮説である.

PROTACの一種MZ1によって標的タンパク質BRD4に形成されるユビキチンコードに関しては,CRL2VHLによるK48ユビキチン鎖に加えて,TRIP12によるK29分岐型ユビキチン鎖が形成され,標的タンパク質の分解が効率よく進むことが明らかになった103).またSNIPERによってミトコンドリアのhexokinase-1あるいはTOMM20タンパク質をユビキチン化するとミトファジーが誘導され104),ミトコンドリア膜上に形成されるユビキチン鎖が単独でもミトファジーを誘導するシグナルとなっていることが示された.このようにPROTAC/SNIPERなどの化合物はユビキチンの機能やユビキチンコードを解析するツールとしての利用も見込まれる.

7. おわりに

PROTAC/SNIPERなどの化合物によるタンパク質分解技術について,主に創薬の観点から述べてきた.PROTAC/SNIPERは(i)標的リガンド,(ii)E3リガンド,(iii)リンカーからなるキメラ化合物であり,それぞれのモジュールを改変することによってさまざまな化合物に展開可能である(図8).(i)標的リガンドについては,これを置換することによってさまざまなタンパク質を分解する化合物を合理的に設計することができる.がん治療の標的分子だけでなく,変異型タウタンパク質など神経変性疾患の原因となる凝集性タンパク質を分解するPROTAC/SNIPERもすでに開発されている68, 105–108).標的リガンドとして必要な活性は標的タンパク質への結合活性のみであるため,阻害活性が弱くて阻害剤としては日の目をみなかった化合物でもPROTAC/SNIPERに組み込むことで優れた分解活性を示す化合物ができる可能性がある.細胞透過性の観点からは小分子リガンドが望ましいが,ペプチド109–111)や核酸112–114)を標的リガンドとして利用したPROTAC/SNIPERも開発されている.(ii)E3リガンドとしてはCRBNに結合するサリドマイド誘導体,VHLに結合するVHLリガンド,IAPに結合するIAPアンタゴニストなどがこれまでPROTAC/SNIPERの開発によく利用されてきた.細胞には600種類以上のE3があるが,分解に利用できるE3はまだわずかであり,これを増やすことは重要である.E3には組織特異的,がん細胞特異的に発現するものもあり,これらのE3を利用して組織特異的あるいはがん細胞特異的に標的タンパク質分解を誘導することは,今後の大きなチャレンジの一つである.(iii)リンカーについては,その長さや構造を変えることによって分解活性や標的タンパク質が変化することも多い93, 115).この部分は化合物の代謝安定性にも大きく関わる部分であり,医薬品として最適な化合物に仕上げるために重要である.

Journal of Japanese Biochemical Society 94(2): 258-270 (2022)

図8 PROTAC/SNIPERを構成する三つのモジュールのまとめ

創薬技術としてだけでなく基礎研究のツールとしても研究開発が進むタンパク質分解技術であるが,まだ歴史の浅い技術であり,今後の改良の余地,応用展開の可能性ともに大きく広がっている.タンパク質分解技術を利用した創薬研究と基礎研究のさらなる発展を期待したい.

謝辞Acknowledgments

本稿で紹介したSNIPERなどの研究成果は,化合物の合成と活性評価などに携わってくれた多くの皆様との共同研究の賜です.合成では,出水庸介博士(国立医薬品食品衛生研究所),石川稔博士(東北大学),長展生博士(理研)がキーパーソンとして中心的な役割を果たし,活性評価では大岡伸通博士,柴田識人博士,服部隆行博士,築茂由則博士(いずれも国立医薬品食品衛生研究所)が重要な貢献をしました.その他にも多くの皆様が研究に協力してくれました.一人一人のお名前をすべて挙げることはできませんが,深く感謝いたします.またエーザイ,武田薬品工業,第一三共,ユビエンスには,絶大なご支援をいただきました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.

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著者紹介Author Profile

内藤 幹彦(ないとう みきひこ)

東京大学大学院薬学系研究科特任教授.薬学博士.

略歴

1960年愛知県に生る.82年東京大学薬学部卒業.87年同大学院薬学系研究科博士課程修了(薬学博士取得).東京大学分子細胞生物学研究所准教授,国立医薬品食品衛生研究所部長を経て2020年より現職.

研究テーマと抱負

現在の研究テーマはタンパク質分解技術の開発と創薬.SNIPER技術を基盤とする新しい医薬品を開発することが今後の目標.

ウェブサイト

https://tpd.f.u-tokyo.ac.jp

趣味

スポーツ観戦,園芸など.

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