PD-L1の細胞内機能と発現制御機構
聖マリアンナ医科大学大学院医学研究科応用分子腫瘍学特別研究員RPD ◇ 〒216–8511 神奈川県川崎市宮前区菅生2–16–1 難病治療研究センター4階
発行日:2022年6月25日
免疫チェックポイント分子PD-L1は多くのがん細胞で高発現がみられ,細胞膜上にてT細胞やマクロファージに発現するPD-1に対するリガンドとして作用し,これらの免疫細胞の不活性化や増殖抑制を促すことで免疫寛容を引き起こす.PD-1やPD-L1の免疫チェックポイント阻害剤は臨床で抗腫瘍効果が示されているが,患者によっては奏功率が低く,腫瘍の完全な消失が困難となっていることが報告されている.この問題を解決するために,現在ではこれらの免疫チェックポイント阻害剤と抗がん剤や分子標的薬との併用療法がすすめられている.PD-L1の機能や発現を制御する分子は分子標的薬の開発の対象となる.本稿ではこれまでに報告されているPD-L1の機能や発現の制御機構について紹介する.
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