Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(4): 514-522 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940514

特集Special Review

植物の環境応答を支える液–液相分離とコンデンセート形成Liquid–liquid phase separation and condensate formation on environmental responses in plants

岡山理科大学生命科学部Faculty of Life Science, Okayama University of Science ◇ 〒700–0005 岡山県岡山市北区理大町1–1 ◇ 1–1 Ridaicho, Okayama, 700–0005, Japan

発行日:2022年8月25日Published: August 25, 2022
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植物は芽生えた場所から動けない.そのため真夏の酷暑や冬の厳寒期,強い雨風にさらされても,同じ場所で生き抜く必要がある.その生き抜くための戦略として,植物は周囲の環境変化を敏感に感じとり,巧みに適応している.本稿では,液–液相分離によって形成されるコンデンセートが,植物の環境応答においてどのように働いているかを概説する.さらに高温ストレスや乾燥ストレス,高塩濃度ストレス,低酸素ストレス,病害ストレスなどの危機的な環境刺激によって形成される翻訳抑制コンデンセートであるストレス顆粒の役割,構成因子,形成条件について詳細な解説を行う.

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