Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(4): 548-556 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940548

特集Special Review

液–液相分離データベースを天然変性タンパク質の観点から整理するComparison of the liquid–liquid phase separation databases

1前橋工科大学工学部Faculty of Engineering, Maebashi Institute of Technology ◇ 〒371–0816 群馬県前橋市上佐鳥町460–1 ◇ Kamisadori 460–1, Maebashi, Gunma 371–0816, Japan

2名古屋大学大学院情報学研究科Graduate School of Informatics, Nagoya University ◇ 〒464–8601 名古屋大学千種区不老町 ◇ Furo-cho, Nagoya, Aichi 464–8601, Japan

発行日:2022年8月25日Published: August 25, 2022
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近年,液–液相分離(LLPS)に関連したデータベースが整備され始めた.そこには,LLPSを駆動するタンパク質や,実験の情報などが収録されている.主な四つのデータベースは,データの収集方針やエントリの単位なども異なるが,各々の特徴を理解すれば有用な情報が得られるだろう.収録タンパク質の多くは天然変性タンパク質であり,それ以外のものの大半は天然変性タンパク質と共存して液–液相分離を起こすものである.RNA結合ドメインを持つタンパク質が多くを占めており,RNAと共存し液–液相分離を起こすタンパク質の研究が進展していることがうかがえる.LLPS関連タンパク質の天然変性領域のアミノ酸組成は,これまで天然変性タンパク質データベースに収録されてきたものとは少し異なる特徴を持つようだ.

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