水晶体の全オルガネラ分解現象の分子機構と生理的意義
順天堂大学医学部生理学第二講座 ◇ 〒113–8421 東京都文京区本郷2丁目1番1号A棟8階北
発行日:2022年10月25日
目の水晶体を構成する細胞の最終分化過程では,ミトコンドリア,小胞体,核などのすべてのオルガネラが分解される.これまでに核DNAの分解を担うDNA分解酵素は同定されていたが,その他のオルガネラの分解機構についてはほとんど不明であった.最近筆者らは,水晶体のオルガネラ分解はサイトゾルのPLAATホスホリパーゼを介する新規オートファジー非依存的オルガネラ分解機構によること,その作用は水晶体の透明化に必要であることを見いだした.本稿では水晶体の全オルガネラ分解の研究の歴史をひも解きながら,PLAATホスホリパーゼによるオルガネラ分解の分子機構,意義,未解決課題について概説する.
© 2022 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2022-08-31T17:21:13.787+09:00
This page was last modified on 2022-10-14T10:42:36.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。