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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(5): 749-753 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940749

みにれびゅうMini Review

死細胞由来分子群による腫瘍免疫微小環境の調節機構Orchestration of tumor immune microenvironment by dead-cell derived molecules

1Herbert Irving Cancer Center, Columbia UniversityHerbert Irving Cancer Center, Columbia University ◇ 1130 St. Nicholas Avenue 2nd Floor, Room 201 New York, NY 10032 United States ◇ 1130 St. Nicholas Avenue 2nd Floor, Room 201 New York, NY 10032 United States

2東京大学先端科学技術研究センターResearch Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo ◇ 〒153–8904 東京都目黒区駒場4–6–1 ◇ 4–6–1 Komaba, Meguro-ku, Tokyo 153–8904, Japan

発行日:2022年10月25日Published: October 25, 2022
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1. はじめに

免疫チェックポイント阻害剤(ICB)およびCAR-T療法の登場により,免疫療法はがん治療の選択肢の一つとして確固たる地位を占めるようになっている.特にICB療法の成功は,がん細胞が免疫システムを効果的に抑制し,免疫応答から逃避することにより増殖する姿を浮き彫りにした.がんにおける免疫抑制メカニズムは多岐にわたり,免疫チェックポイント分子の発現に加え,免疫抑制因子(抗炎症性サイトカインなど)の産生や,制御性T細胞(Treg)などの免疫抑制細胞の分化誘導が代表的である.このようにがんにおける免疫調節機構は次第に明らかにされつつあるものの,その機構はがん種や組織によって大きく異なっており,未解明な点も数多く残されている.特に近年,がんの増殖に有利な微小環境(tumor microenvironment:TME)の概念が注目されており,免疫調節機構に主眼をおいた研究では腫瘍免疫微小環境(tumor immune microenvironment:TIME)とも呼ばれ,がん細胞や非免疫細胞と免疫細胞が相互に影響し合うことにより腫瘍の増殖,転移に有利な免疫微小環境が構築されると考えられている1).しかしながら,TIME形成に関わる因子や機構は明らかにされていない.

筆者らの研究室では,生体の危機シグナルに対する免疫応答の研究からTIME形成機構の解明を目指している.細胞はダメージを受けて細胞死に至る過程において,さまざまなメッセージを周囲の細胞に発している.死細胞が免疫系に対して発する危機応答誘導因子については,細胞障害関連因子(damage-associated molecular patterns:DAMPs)またはアラーミンなどとも呼ばれている.DAMPsは主にToll-like receptor(TLR)などの自然免疫受容体によって認識され,サイトカインやケモカイン分子の発現を誘導する.代表的なDAMPsとしてミトコンドリアDNAなどの核酸や,HMGB1, HSPsなどのタンパク質分子が報告されており,これらは各々に対応する自然免疫受容体によって認識され,炎症性サイトカインの誘導や炎症性細胞のリクルートを行い,危機に対応する炎症・免疫応答を惹起する.このような応答は生体の恒常性維持に寄与する一方で,過剰な応答が誘導された際には自己免疫や代謝疾患などの炎症を病態基礎に持つ疾患の増悪にも関与すると考えられている.

腫瘍においては低酸素や低栄養環境にさらされた腫瘍細胞が恒常的に細胞死を起こすことが知られている.腫瘍死細胞もDAMPsを放出すると考えられるが,がん病態におけるDAMPsの役割はほとんどわかっていなかった.筆者らは以前,腫瘍死細胞から放出されるプロスタグランジンE2(prostaglandin E2:PGE2)が腫瘍免疫応答を抑制することを見いだし,報告している2).腫瘍において,死細胞から放出されたPGE2は免疫抑制性のM2型マクロファージの分化を促進し2),またPD-L1の発現を亢進させることで抗腫瘍免疫応答を抑制し,腫瘍増殖を促進する3).筆者らはさらに,抗がん剤処理による腫瘍細胞の細胞死誘導の際にPGE2の合成に関わる酵素遺伝子(prostaglandin-endoperoxide synthase 2:Ptgs2)の発現が増強されることも見いだしており2),抗がん剤等の処理による治療の際においてもこのような免疫抑制機構が作動するのではないかと推測される.

さらに最近,筆者らは腫瘍免疫を抑制するTIME形成に関わるDAMP分子としてtranslationally controlled tumor protein(TCTP)を見いだした4).本稿では,TCTPのTIME形成促進と抗腫瘍免疫抑制機構について紹介し,TCTP阻害剤を用いてのTIMEの人為的調節と腫瘍免疫療法への応用の可能性について紹介したい.

2. TCTPについて

TCTPは進化的に高度に保存された約20 kDaのタンパク質である.TCTPは既知の機能ドメインを持たないが,(i)九つのβ-strandとH1 helixからなるコア部分,(ii)H2およびH3 helixからなるhairpinおよび(iii)mobile loopの三つの部位が種間で高度に保存されている5).TCTPは細胞質においてアポトーシスやタンパク質合成制御に関与していることが報告されているが,その機能は不明な点も多い6, 7).また,TCTPは細胞外にも放出され,マスト細胞からのヒスタミン放出を促すhistamine releasing factorとしても知られている8)

TCTPはまた,さまざまながん組織で発現量の上昇が認められており,がんの病態制御にも関与していることが示唆されている9, 10).TCTPの腫瘍促進メカニズムとしては細胞周期制御,細胞死の抑制などが報告されているが,詳細は不明であった.また,これまでの研究はTCTPが,がん細胞自身に及ぼすcell-autonomousな機能に着目したものがほとんどであり,TCTPのDAMPとしての作用やTIME形成への関与についてはまったく不明であった.

筆者らはまずがん死細胞から放出される分子がマウス腹腔マクロファージに対し,CXCL1やCXCL2などのケモカイン遺伝子を誘導することを見いだした.このCXCL1/2の遺伝子誘導を行う分子を同定するため,各種クロマトグラフィーによる分子の精製および質量分析によりTCTPをはじめとする複数の候補分子を得た.実際にTCTPのリコンビナントタンパク質をマウス腹腔マクロファージに添加するとCXCL1/2の遺伝子発現上昇が認められた.筆者らは次に,TCTPを認識する受容体の同定を試みた.DAMPs分子はTLRをはじめとした自然免疫受容体を介してシグナル伝達を行うことが多い.そこで自然免疫受容体の代表的なアダプター分子の遺伝子欠損マウスを用いた検討を行ったところ,MyD88遺伝子欠損マウス由来の腹腔マクロファージにおいてはリコンビナントTCTPによるケモカイン誘導がみられなかった.したがってTCTPはMyD88をアダプター分子とする自然免疫受容体によって認識されていると考えられた.MyD88はTLRsの主要なアダプター分子であることから,種々のTLRsの遺伝子欠損マウスを用いた検討,および種々にTLRsを過剰発現させたHEK293T細胞におけるルシフェラーゼアッセイにより,TLR2がTCTPの受容体であると考えられた.

筆者らは次にTCTPの腫瘍増殖における役割を検討するため,種々のマウスがん細胞株においてCRISPR/Cas9を用いてTCTP遺伝子欠損細胞(以下TCTP KO細胞)を作製した.興味深いことに,in vitroの増殖においてはTCTP KO細胞は野生型細胞(以下TCTP WT細胞)と比較して顕著な変化を示さなかったが,in vivoの皮下移植モデルにおいてTCTP KO細胞はTCTP WT細胞と比較し,いずれのがん腫においても顕著な増殖遅延を示した.このTCTPによる腫瘍増殖促進効果がTCTPの細胞内あるいは細胞外における機能,いずれによるかどうか検討するため,筆者らはTCTPタンパク質のN末端にヒトIL-2遺伝子の分泌ペプチドを付与した分泌型TCTPを作製した.この分泌型TCTPタンパク質は翻訳後,細胞内にとどまることなく,ER-Golgi経路を介して細胞外に恒常的に分泌される.この分泌型TCTPのcDNAをTCTP KO細胞に導入したところ,皮下増殖の顕著な亢進を認めたことから,細胞外TCTPは腫瘍増殖を促進するものと考えられた.また,TCTP KO細胞ではin vitroにおいてはWT細胞と同様に増殖するにもかかわらず,in vivoでは顕著な増殖遅延を示すことから,TCTPが腫瘍細胞にcell-autonomousな変化を及ぼすのではなく,腫瘍微小環境の調節を介して腫瘍増殖を促進することが示唆された.

筆者らは,TCTPがCXCL1/2といったケモカインの発現を誘導することから,TCTPが免疫細胞集団の調節,すなわちTIMEの制御を介して腫瘍増殖の促進を行っているのではないかと考えた.実際にTCTP KO腫瘍内部においては,TCTP WT腫瘍と比較し,腫瘍内CXCL1/2の顕著な低下が認められた.CXCL1/2はミエロイド系細胞,特に好中球の遊走を促進することが知られている11).がん患者においてはmyeloid-derived suppressor cells(MDSCs)と呼ばれる未熟なミエロイド系細胞が腫瘍の進展とともにがん微小環境,リンパ組織,血液中などに蓄積する.MDSCsは血管新生や増殖因子の産生の他,免疫抑制性サイトカインやメディエーター(TGF-β, NOSやROSなど)抗腫瘍免疫応答を強力に抑制し,腫瘍増殖を促進することからがん免疫療法の治療標的としても注目されている(図112).CXCL1/2はMDSCsの主要なサブセットである,好中球に類似したpolymorphonuclear MDSCs(PMN-MDSCs)の遊走も促進することが知られている.実際にフローサイトメトリーにより腫瘍内の免疫細胞の解析を行うと,TCTP KO腫瘍においては,TCTP WT腫瘍と比較し,PMN-MDSCsの顕著な低下がみられた(図2A).さらに分泌型TCTPを導入したTCTP KO腫瘍においてはPMN-MDSCsの増加が認められた(図2B).MDSCsはCD8陽性T細胞やNK細胞など,抗腫瘍活性を持つリンパ球を抑制することで腫瘍進展を促す.TCTP KO腫瘍においてはCD8陽性T細胞の増加,およびNK細胞の活性化マーカーの上昇が認められた.これらの結果により,TCTPはCXCL1/2の発現誘導を介してPMN-MDSCsのTIMEへの遊走を促進し,CD8陽性T細胞やNK細胞による抗腫瘍免疫応答を抑制することで腫瘍進展を促進しているものと考えられた.筆者らはさらに,腫瘍から放出されたTCTPがどの細胞に作用し,CXCL1/2の産生を誘導しているか検討した.TCTP WT腫瘍内の各免疫細胞集団をセルソーターにて分取し,CXCL1の遺伝子発現量を検討したところ,MDSCsのもう一つの主要サブセットであるmonocytic MDSCs(M-MDSCs)がCXCL1/2を顕著に発現していることを見いだした.したがってTCTPによるCXCL1/2の産生誘導は主にM-MDSCsによって担われているものと考えられた.

Journal of Japanese Biochemical Society 94(5): 749-753 (2022)

図1 MDSCsによる多彩な抗腫瘍免疫抑制機構

PMN-MDSCs, M-MDSCsともに複数のメカニズムにより抗腫瘍免疫応答を抑制する.たとえばMDSCsによるNO, ROSの産生はT細胞受容体(TCR)のニトロ化などの修飾を介してTCRシグナルの低下をもたらす.Arg IやIDOはT細胞の増殖に必要なl-アルギニンやl-トリプトファンといったアミノ酸を枯渇させる.MDSCs上に発現するPD-L1はT細胞上の免疫チェックポイント分子であるPD-1に結合し,免疫チェックポイントを活性化する.TGF-βなどの免疫抑制性サイトカインはTregを誘導する.

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図2 TCTPは腫瘍微小環境へのPMN-MDSCsのリクルートを促進する

(A)野生型およびTCTP KO SL4(マウス大腸がん細胞株)細胞をC57BL/6マウス皮下に移植し,19日後に腫瘍内の免疫細胞をフローサイトメーターにより解析した.(左)代表的なFACSプロットを示す.(右)PMN-MDSCsのCD45陽性細胞に占める割合を示す.(B) TCTP KO SL4細胞にMockベクター(TCTP KO+Mock腫瘍)あるいは分泌型TCTP cDNAをコードしたベクターを遺伝子導入した細胞(TCTP KO+IL-2ss-TCTP腫瘍)をC57BL/6マウス皮下に移植し,19日後に腫瘍内の免疫細胞をフローサイトメーターにより解析した.(左)代表的なFACSプロットを示す.(右)PMN-MDSCsのCD45陽性細胞に占める割合を示す.* p<0.05 (unpaired two-sided Student’s t-test). 文献4より改変.

近年,がん免疫療法の治療標的として,MDSCsや腫瘍随伴マクロファージ(tumor-associated macrophage:TAM)に代表される免疫抑制性のミエロイド系細胞集団が注目されており,これらの細胞をターゲットとした創薬開発が活発に行われている13).そこで筆者らは,TCTPを阻害することでTIME中へのMDSCsの集積を阻害し,抗腫瘍免疫応答を活性化することができるのではないかとの仮説を立てた.実際にTCTPタンパク質に対するモノクローナル抗体を作製し,マウス大腸がん細胞株であるSL4細胞担がんマウスに投与したところ,腫瘍体積の縮小および腫瘍内のPMN-MDSCsの蓄積低下が認められた.また,抗マラリア薬として知られているDihydroartemisinin(DHA)は,ヒトTCTPに結合し,ユビキチン-プロテアソーム系によるTCTPの分解を促進することが報告されている14).実際にSL4細胞担がんマウスにDHA投与したところ,腫瘍体積の縮小が認められた.さらに抗TCTPモノクローナル抗体あるいはDHAと抗PD-1抗体を併用することで抗腫瘍効果のさらなる増強が認められた.

最後に筆者らはTCTPによる抗腫瘍免疫抑制機構がヒトでも認められるか検討した.まず,がんゲノムの統合的なデータベースであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)の大腸がん患者データセットにおいて,TCTP遺伝子の増幅が5%程度の患者に認められた.さらにこのamplificationのある患者では,amplificationのない患者と比較し,予後が有意に不良であった.また,TCTP遺伝子の発現量と,抗腫瘍免疫応答のマーカーであるGRZMBやPRF1遺伝子発現量との間に負の相関も認められた.筆者らは大腸がん組織および正常粘膜の組織切片を用いた免疫組織化学染色による検討も行った.大腸がん組織においては正常粘膜と比較し,TCTPタンパク質の発現上昇がみられた.さらに腫瘍ステージの進展により,TCTPの発現上昇が起こることも見いだした.興味深いことにTCTPタンパク質発現量とPMN-MDSCsのヒトでのマーカーであるCD15陽性細胞数の間に正の相関が認められた.これらのデータはTCTPによるPMN-MDSCsを介した抗腫瘍免疫応答回避機構がヒトにおいても重要であることを示唆している.

3. おわりに

本稿では筆者らが最近見いだした新規DAMP分子であるTCTPによる抗腫瘍免疫抑制機構を紹介した.今後,TCTPによる腫瘍促進メカニズム,あるいはTCTP阻害による抗腫瘍効果がどのがん種で認められるかといった課題に取り組んでいく必要があると考えている.また効果的なTCTP阻害のため,より中和活性の高い抗TCTP抗体や,TCTPの機能あるいは発現量を変化させるような低分子化合物の開発などが望まれる.ICB療法は難治性のがんにおいても治癒を目指すことが可能であることを示した.しかしながらICBが奏功する患者は一部に限られるため,腫瘍による免疫抑制機構のさらなる解明が急務である.複数の免疫抑制経路を阻害することで,抗腫瘍応答の効果的な活性化につながり,ICB抵抗性のがんに対しても有効な複合がん免疫療法が実現する可能性がある.1956年にRévészが,死細胞によるがん増殖促進効果を発見して以来15),死細胞が腫瘍免疫を抑制するメカニズムは不明であったが,筆者らの解析を含め,DAMPs研究の進歩により近年その分子的実体が明らかとなりつつあるのではないかと思われる.DAMPsをはじめとする死細胞由来分子による抗腫瘍免疫抑制機構の解明をさらに進めていくことで,次世代の複合がん免疫療法の開発につなげていきたいと考えている.

謝辞Acknowledgments

本研究の実施にあたりご指導いただいた多くの先生方にこの場をお借りして御礼申し上げます.本研究成果は国立研究開発法人日本医療研究開発機構革新的研究開発支援事業(AMED-PRIME),文部科学省科学研究費補助金,公益財団法人上原記念生命科学財団,武田科学振興財団,内藤記念科学振興財団の研究助成を受けました.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

半谷 匠(はんがい しょう)

Postdoctoral Research Scientist, Adam Bass lab, Herbert Irving Comprehensive Cancer Center, Columbia University. 東京大学先端科学技術研究センター炎症疾患制御分野客員研究員.博士(医学).

略歴

1985年福島県に生る.2010年東京大学医学部医学科卒業.16年同大学院医学系研究科博士課程修了.21年より現職.

研究テーマと抱負

免疫系によるがん制御機構の解明を,特に慢性炎症に注目して進めています.現在,慢性炎症とがんゲノム不安定性の相互作用を,新規に開発したマウス発がんモデルを用いて解析しています.

ウェブサイト

http://mol-immu.umin.jp/

趣味

ピアノ,ランニング.

柳井 秀元(やない ひでゆき)

東京大学先端科学技術研究センター特任准教授.博士(医学).

略歴

1976年茨城県に生る.2005年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了.06年東京大学大学院医学系研究科助手.14年東京大学生産技術研究所特任助教.16年特任准教授.19年より現職.

研究テーマと抱負

感染症・炎症・がんにおける自然免疫応答の役割を理解し,その人為的制御法の開発による疾患克服を目指している.特に最近は,自然免疫系が反応する自己分子に興味を持って研究を進めている.

ウェブサイト

http://mol-immu.umin.jp/

趣味

読書,自転車.

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