Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(6): 806-813 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940806

特集Special Review

「イントロンの長さ」の不可思議に端を発する新しいスプライシング機構の発見The mysteries of ‘intron length’ triggered the discovery of novel mechanisms of splicing

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発行日:2022年12月25日Published: December 25, 2022
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真核生物のイントロンの長さは,高等生物になるほど長くなる.とりわけ,ヒトのイントロンでは,約30~116万塩基と驚異的な広さに分布する.真核生物は,さまざまな長さのイントロンに対応できるようにスプライシングの仕組みを進化させてきたに違いない.しかし,教科書に書かれているのは,研究に好都合な長さのイントロンに対応するスプライシングの仕組みである.極端な長さのイントロンに注目した研究から,新しいスプライシング分子機構が発見された.非常に長いイントロンでは,イントロン内の多段階のスプライシングが広く使われていることがわかった.一方,非常に短いイントロンにおいては,従来知られていたU2AFというスプライシング因子に代わって,SPF45(RBM17)因子が関与している新しいスプライシング機構が,筆者らの研究で明らかとなった.

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