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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(6): 819-828 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940819

特集Special Review

スプライシング阻害と翻訳制御Splicing modulation-mediated translational control

1理化学研究所開拓研究本部RNA Systems Biochemistry Laboratory, RIKEN Cluster for Pioneering Research ◇ 〒351–0198 埼玉県和光市広沢2–1 ◇ 2–1 Hirosawa, Wako, Saitama 351–0198, Japan

2東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻Department of Computational Biology and Medical Sciences, Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo ◇ 〒277–8561 千葉県柏市柏の葉5–1–5 ◇ 5–1–5 Kashiwanoha, Kashiwa, Chiba 277–8561, Japan

3理化学研究所環境資源科学研究センターChemical Genomics Research Group, RIKEN Center for Sustainable Resource Science ◇ 〒351–0198 埼玉県和光市広沢2–1 ◇ 2–1 Hirosawa, Wako, Saitama 351–0198, Japan

4東京大学大学院大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻Department of Biotechnology, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo ◇ 〒113–8657 東京都文京区弥生1–1–1 ◇ 1–1–1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113–8657, Japan

5東京大学微生物科学イノベーション連携研究機構Collaborative Research Institute for Innovative Microbiology, The University of Tokyo ◇ 〒113–8657 東京都文京区弥生1–1–1 ◇ 1–1–1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113–8657, Japan

発行日:2022年12月25日Published: December 25, 2022
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イントロンはpre-mRNAから除去されるRNA領域であり,一般的にその配列自体に大きな機能はないと考えられてきた.しかしながら近年の研究により,この固定概念を覆すようなイントロンやスプライシング調節の新機能,とりわけ翻訳の制御機構が着目を集めている.これらの機構によって,イントロンが進化的に獲得・保持されている理由やスプライシングを人工的に調節する薬剤(スプライシング調節剤)の抗がん作用が説明できる.スプライシング調節とそれによって誘導されるRNAおよび翻訳制御の理解が生物学および医療応用のフロンティアを切り開くことと期待される.

1. はじめに

スプライシングは転写されたRNAから不必要な配列であるイントロンを除去する反応である.しかしながら,この「不必要」と思われていたイントロンの隠された機能が明らかになってきた.また,スプライシングを人工的に調節する薬剤(スプライシング調節剤)が多様なRNA分子種ならびにそれに付随する翻訳制御を誘起することが明らかになりつつある.スプライシング調節剤は古くから抗がん作用を示すことがわかっていたが,スプライシング調節剤によって誘導されるRNA制御,タンパク質合成制御がその抗がん作用の原因であることを示す多くの成果が報告されている.本稿ではこれらスプライシング調節と翻訳制御に焦点をあてて,最新の知見について解説する.

2. イントロンの意義

そもそもイントロンの存在にはどのような意義があるのだろうか? もちろん高等真核生物においては選択的スプライシング機構によって,一つの遺伝子座から複数のタンパク質バリアントをコードするmRNAを作り出すという意味合いはある.しかしながら,すべてのイントロンが選択的スプライシング機構に資するわけではない.一見するとイントロンの構造自体は非常にむだな構造のように見受けられる.

この根本的問題にアプローチした研究が近年発表された.Saccharomyces cerevisiae(出芽酵母)はゲノム中にイントロンを持つ真核生物であるが,ヒトがそのゲノム中に65万ほどのイントロンを持つのに対し,約300のイントロンしかもたない.そこで,Abou Elelaらのグループは遺伝学的手法により出芽酵母が持つすべてのイントロンを取り除いた株を作製した1).その結果,イントロンの存在自身は栄養が潤沢にある環境では生育自体に必須ではないものの,栄養飢餓に陥った場合に重要な役割を果たすことが示された.一般的に栄養飢餓になると,細胞は余分なタンパク質の合成を抑えるために,リボソームタンパク質の発現を下げる応答が起こる.全イントロン欠失株では,この応答が損なわれていることがわかった.target of rapamycin complex 1(TORC1)複合体は栄養センサーとして知られているが,以上のようなイントロンの機能はTORC1シグナル経路の下流で働くことが示されている(図1).栄養飢餓時にイントロンが多く蓄積することから,これによりスプライソソームを隔離することでスプライシング反応を阻害すると示唆されている.

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図1 出芽酵母におけるイントロンの役割

増殖期ではスプライシングが正常に行われ,リボソームタンパク質合成およびリボソーム生合成が円滑に進む.一方,栄養飢餓等によって静止期になった出芽酵母はイントロンを蓄積させ,スプライシング反応を阻害する.これにより,イントロンを多く含むリボソームタンパク質の翻訳ならびにリボソームの生合成が抑制され,ストレス応答が促される.

同様にBartelらも出芽酵母の知られざるイントロンの機能について報告している2).Bartelらは,出芽酵母を増殖静止期に長時間おいた後にRNA-Seqをしたところ,イントロン部分のRNAが極端に細胞に蓄積することを発見した.このイントロン断片はスプライシング反応後に生じる投げ縄構造をとっていない,直鎖構造であると示唆されている.特にTORC1が阻害された場合にイントロン断片が蓄積する.この直鎖状イントロン断片がスプライソソームと結合し,スプライソソームを隔離する可能性が示され ている(図1).

以上のように,二つの報告で細部の差異はあるが,栄養飢餓時にTORC1依存的に蓄積したイントロンが,スプライシングの阻害を誘導することが共通している.出芽酵母ではイントロンが比較的多い遺伝子群としてリボソームタンパク質遺伝子があり,スプライシング不良によりリボソームの合成と翻訳が影響を受けると予想される.このメカニズムにより,最終的に栄養飢餓時に必要以上のタンパク質合成を避け,環境適応が促進されているのだろう.以上のような出芽酵母での知見が,そのままヒトを含む高等真核生物に適応可能かどうかは現在のところ不明である.しかしながら,ヒトにおいて熱ストレスやDNAダメージによってスプライシング阻害が誘導されることが報告されており3, 4),同様の未知なるイントロンの機能,ひいては翻訳制御機構が高等真核生物に存在しても不思議ではない.

3. スプライシング調節剤によって生じるRNA分子種

スプライシング活性を調節する化合物(splicing modulator,スプライシング調節剤)はその多様でユニークな活性から多くの注目を集めている.スプライシング調節剤の詳細については芳本の稿を参照されたい.スプライシング調節剤の処理によって最終的に合成されるRNAの形態は多様である.ここではその分子種について概説する.

スプライシング調節剤で処理すると,スプライシングパターンが大きく変動する.この変動パターンはRNA-Seqを行うことで解析することができる.イントロン保持(intron retention),エクソンスキッピング(exon skipping)を主に誘導しつつ,相互排他的エクソン,代替5′ splice site,代替3′ splice siteのようなパターンも生じさせる(図2A)5–7)

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図2 スプライシング調節剤処理によって生じるRNA分子種

(A)スプライシング調節剤によって生じるスプライシングパターン.(B)イントロン保持mRNAはイントロン内部の相同的な配列(SINEやLINE等)により,二次構造を形成しやすい.(C) U1 snRNPによるPCPAからの保護(telescripting).(D) U2 snRNP標的スプライシング調節剤により,U1 snRNPがpre-mRNA上から解離せず利用可能なU1 snRNP量が減少する.これによりtelescriptingが生じず,PCPAが起こる.

イントロンは一般的にエクソンよりも長い.またそのイントロンの中にはlong interspersed nuclear element(LINE)やshort interspersed nuclear element(SINE)といったレトロトランスポゾン由来の配列が多く組み込まれている.このような反復配列を多く持つイントロンが保持されると,二本鎖RNA(double-stranded RNA:dsRNA)を形成するということが明らかになってきた8)図2B)(その生理活性についての詳細は7-3)の項で後述する).

また,スプライシング調節剤は正常な転写終結とpolyA鎖付加を破綻させることも理解されるようになってきた.イントロン中には通常使われない,潜在的なポリアデニル化サイト(polyadenylation site:PAS)が数多く存在する.これらの潜在的なPASが使われてしまうと,予定されていたよりも上流で転写終結とpolyA鎖付加が起きてしまう(premature cleavage and polyadenylation:PCPA).そこでイントロン中の潜在的なPASが利用されないように抑制するメカニズムが存在する.これを“telescripting”と呼ぶ(図2C).telescriptingを担うのがスプライソソームを構成する複合体の一つである,U1核内低分子リボヌクレオタンパク質(small nucleolar ribonucleoprotein:snRNP)である9–11).U1 snRNPは5′ splice site(SS)付近に結合し,PAS上での切断・ポリアデニル化(cleavage and polyadenylation:CPA)複合体の活性を抑制する12)

U2 snRNPの構成因子であるSF3bタンパク質を標的とするスプライシング調節剤[Spliceostatin A(SSA)やプラジエノライドB(PlaB)]で処理をした細胞をRNA-Seqで解析をすると,PCPAが生じることが示されてきた13)図2D).同様に,RNAポリメラーゼIIが転写中のRNAを回収し,次世代シークエンサーおよびナノポアシークエンサーで解析する手法(POINT-SeqおよびPOINT-nano)によっても同様の現象が報告されている14).通常U2 snRNPを単純に不活性化してもPCPAは誘導されてないので11, 13),一見すると矛盾する結果になる.しかしながら詳細な生化学的解析により,SF3bタンパク質を標的とするスプライシング調節剤によってU1がRNA前駆体から解離せずに隔離されてしまい,telescriptingに参加可能なU1 snRNPの量が減ってしまうために,PCPAが生じることが報告されている13)図2D).

4. 品質管理機構

以上のようにスプライシング調節剤によって多様な分子種が誘導されるが,一般的には,複数の機構によって品質管理を受けると理解されている(図3).たとえば,イントロンを保持したRNAは核の中に係留され4, 6, 15, 16),その後核内エキソソームによって分解を受ける17)図3A).しかしながら一部のmRNAは細胞質に移行することが知られている6–8, 13, 15, 16).細胞質でこれらのイントロン保持mRNAは翻訳を受ける.上流のエクソンで始まった翻訳を始めたリボソームは,下流の保持されたイントロン中に生じる未成熟終止コドン(premature termination codon:PTC)まで翻訳を続けることになる.このようなmRNAは,スプライシング反応に形成されるexon-junction complex(EJC)が翻訳反応によって解離できず,ナンセンスコドン介在的mRNA分解(nonsense-mediated mRNA decay:NMD)機構を誘導することで,速やかに分解される18)図3B).

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図3 イントロン保持mRNAの品質管理機構

(A)核係留とエキソソームによる核内RNA分解.(B)ナンセンスコドン介在的mRNA分解による細胞質RNA分解.

5. イントロン保持mRNAからのタンパク質合成

しかしながら,実際はすべてのイントロン保持mRNAがNMDによって分解除去されるわけではなく,多くのmRNAが継続的に翻訳を受ける7, 13, 15, 19–24).たとえば,SSA処理によってイントロンが保持されたp27およびIκBα mRNAでは,上流のエクソンから保持された下流イントロン中のPTCまでの短縮タンパク質がwestern blotによって検出可能なほど蓄積する15).また,質量分析によっても,スプライシング調節剤によって保持されたイントロン由来のペプチドが多数検出されている7, 21–25)

質量分析によるタンパク質の同定は,イントロン翻訳の直接的かつ強固な証拠となる.その一方で,質量分析法による手法には網羅性や定量性といった部分で不利であることが多い.これに対し,次世代シークエンサーを用いたリボソームプロファイリング法という手法は以上のような点を克服することができる手法である26)図4A).リボソームプロファイリング法はいわゆるRNaseフットプリント法を用いる27).RNA結合タンパク質がRNAに結合すると,一定のRNAの領域を占有することになる.このような複合体をRNaseによって処理するとRNA結合タンパク質が結合していない領域は分解されてしまうが,タンパク質が結合している領域はRNaseがアクセスすることができないことから,分解から免れる.このようなRNaseフットプリント法をmRNA上のリボソームに応用したのがリボソームプロファイリングの原理である.リボソームが生じさせるフットプリントはおおよそ30塩基程度になる.これらを回収し次世代シークエンサーで解析することによって,どのmRNAのどの領域にどの程度リボソームが存在していたか,という情報を取得することができる(図4A).

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図4 リボソームプロファイリングによるイントロン翻訳領域の同定

(A)リボソームプロファイリング法の概略.(B)スプライシング調節剤によって誘導されるイントロン由来リボソームフットプリントの特徴.CDS:コード領域.

通常の細胞培養条件では,スプライシングが正常に進んでいるため,イントロンはmRNAから取り除かれており,もちろんイントロンに由来するリボソームフットプリントを取得することはできない.これに対し,スプライシング調節剤で処理するとイントロンが保持されたmRNAが生じ,イントロンから由来するリボソームフットプリントが生じる.

リボソームプロファイリング法では一般的にコドン分解能のあるデータを取得することができる.リボソームはmRNA上を1塩基ずつ進むわけではなく,3塩基ごとに移動する.この動きによってコドンの読み枠が維持されたまま翻訳が進むわけであるが,このリボソームの動きを反映してリボソームフットプリントには3塩基周期性が生じる(図4B).イントロン由来リボソームフットプリントを解析すると,その直前のエクソンから3塩基周期性を保持したままフットプリントが生じることから,直前のエクソンと下流の保持されたイントロンの間でキメラタンパク質が生じることがわかる7)図4B).

また,リボソームは終止コドン上で翻訳を停止し,mRNAから解離するわけだが,これを反映して,リボソームフットプリントは終止コドン下流からは得られなくなる.実際にイントロン上で最初に現れるPTCに着目すると,その下流でリボソームフットプリントが減少する.以上のことから,スプライシング調節剤によって直前のエクソンから読み枠をずらさずにPTCまで翻訳が続いていることが示されている7)図4B).イントロン保持されたmRNAだけでなくイントロン中でPCPAが生じてしまったmRNAも同様に,PTCまで翻訳が進む13)図4B).

6. イントロン翻訳産物の性質

ではイントロンから翻訳されたタンパク質にはどのような性質や機能があるだろうか? これまでにp27遺伝子由来のイントロン保持mRNAから翻訳される短縮タンパク質の機能が詳しく解析されている.スプライシング調節剤(SSA)によって処理されるとp27 mRNA前駆体の第1イントロンが保持される.第1エクソンの開始コドンから,第1イントロンのPTCまでが翻訳され,エクソン部分とイントロン部分のキメラタンパク質が生じる.p27は元来cyclin-dependent kinase(CDK)阻害因子として働くが,この短縮形タンパク質も同様にCDK阻害能を持つ15).その一方で,核局在化シグナル(nuclear localization signal:NLS)を欠いているので,元来の核局在化ができず,細胞全体に存在する.また,C末端側はプロテアソーム系による速やかな分解に必須であるが,この領域も欠いていることから,その分解制御機構が失われるということが示唆されている.

また,より網羅的にイントロン由来翻訳産物の性質が解析されている.リボソームプロファイリングによってイントロン翻訳が大規模同定されているが,そのイントロン翻訳産物のアミノ酸含有率を調べると,特にArg, Gly, Proなどの残基が多い7)図5A).これはイントロンの5′側がGC含有率が高くなっており,CGN(Arg),GGN(Gly),CCN(Pro)の出現頻度が高いからであろうと推察される28).また,天然変性ドメイン(intrinsic disorder domain)を生じやすい.こういった性質のタンパク質は相分離・凝集体を形成しやすいことが近年報告されているが29–32),イントロン翻訳産物も凝集体を作りやすいということがわかってきた7)図5B).

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図5 スプライシング調節剤によって誘導されるイントロン翻訳産物の機能

(A, B)イントロン翻訳産物のアミノ酸配列の特徴.(C, D)非ストレス環境下でのmTORC1および翻訳の活性化(C)とスプライシング調節剤によるその阻害(D).P:リン酸.

このようなイントロン翻訳産物凝集体は細胞ストレスの原因となることも示されている.一般に凝集体はプロテアソーム等のタンパク質分解機構の基質となるが,それが大量に生じると分解が間に合わず細胞ストレスとなる33).スプライシング調節剤を作用させるとまさにそのようなストレス応答が生じる(proteotoxic,タンパク質毒性).mitogen-activated protein kinase(MAPK)の一つであるc-Jun N-terminal kinase(JNK)は,凝集体の蓄積に呼応してリン酸化を受け活性化する(図5D).JNKはさらにmammalian target of rapamycin complex 1(mTORC1)の構成因子の一つであるRAPTORのリン酸化を誘導し,mTORC1を不活性化する7)

mTORC1が不活性化することにより,細胞内翻訳は大きな影響を受ける.mTORC1はキナーゼとして働き,下流の基質タンパク質をリン酸化する.代表的な基質には4EBP1やLARP1と呼ばれる翻訳抑制因子がある34–37).通常の細胞増殖時には4EBP1やLARP1はmTORC1によりリン酸化を受け,機能が阻害されるので,翻訳は活性化されている(図5C).その一方でmTORC1が不活性化すると,4EBP1やLARP1は脱リン酸化し,翻訳抑制因子として働く34–37)図5D).実際にスプライシング調節剤によってmTORC1の基質の脱リン酸化が生じる7)図5D).また,タンパク質合成が全体的に減少する.スプライシング調節剤によって生じる翻訳制御をリボソームプロファイリングによって解析すると,mTORC1を直接阻害した場合と同様の影響が生じる7).このように,スプライシング調節剤はmTORC1阻害を介して最終的に合成されるタンパク質の量と質を変化させる機能がある.

また,スプライシング調節剤によって誘導されたイントロン翻訳産物は細胞内で分解された後に,最終的に主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHC I)によって細胞表面に提示される.これはMHC Iに結合しているペプチド鎖の質量分析によって明らかにされている23–25)

7. spliceosome-targeted therapies(STT)

スプライシング調節剤はがんを選択的に抑える機能があることがわかってきた38).スプライシング調節剤を介した治療をspliceosome-targeted therapies(STT)と呼ぶ.では以上で解説したような,非常に複雑なRNA・翻訳制御機構ががん抑制にどのように寄与するのだろうか? 一つの仮説はスプライシング異常によって細胞死や細胞増殖をつかさどる重要な因子が影響を受ける,というものである.

1)Mcl-1およびVEGF

アポトーシスを制御するBcl2ファミリータンパク質の一つであるMcl-1のアイソフォームがスプライシング調節剤で変動することが報告されている.Mcl-1LとMcl-1Sは同じBcl2ファミリー遺伝子であるMcl-1遺伝子のスプライシングアイソフォームであるが,Mcl-1Lがアポトーシス阻害能を持つのに対し,Mcl-1Sはアポトーシス誘導性である.スプライシング調節剤によってエクソンスキッピングが起こり,Mcl-1Sが誘導されることによって細胞死が誘導されると報告されている39–41)図6A).

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図6 STTを誘導するメカニズムの概略

(A)スプライシング調節剤によりMcl-1遺伝子でエクソンスキッピングが生じ,アポトーシス誘導性アイソフォームであるMcl-1Sが増大する.(B)イントロン保持により二本鎖RNAが形成され,それを認識するタンパク質群により抗ウイルス応答が生じ,アポトーシスが誘導される.(C)イントロン翻訳産物が蓄積し,分解された後,neoantigenとしてMHC Iによって細胞外へ提示される.これにより,T細胞が活性化し,細胞死を誘導する.(D)スプライソソーム構成因子のゲノム変異とスプライシング調節剤の正常型スプライシング因子抑制効果により合成致死が誘導される.

また,細胞増殖に必須なVEGF遺伝子の発現がスプライシング調節剤によって極端に減少することも報告されており42–44),がん細胞増殖抑制との関係が示唆されている.

このような個別の遺伝子のスプライシング不良や発現制御による説明がなされる一方で,これらは一部のがん細胞しか適応できない場合が多い.より一般的な説明として以下のような報告がある.

2)mTORC1阻害

多くのがん細胞でmTORC1の活性化がみられる.そこでmTORC1の阻害を基盤とした抗がん剤の開発が進んでいる34, 45).temsirolimusやeverolimusはその代表である.スプライシング調節剤は上記のようにmTORC1の不活性化を誘導することから,これによってがん細胞の増殖を抑える可能性が示唆されている7)図5D).

3)二本鎖RNA形成による抗ウイルス応答

イントロン保持によって二本鎖RNAが形成されることが示されているが,これらはいわゆる二本鎖RNAセンサータンパク質群によって認識され抗ウイルス応答が誘導され,最終的にアポトーシスが生じることが示されている8).これらは特に,がん遺伝子であるMycが増幅したがん細胞で特に顕著に生じる(図6B).

4)neoantigen

上記のようにスプライシング調節剤によってイントロンからタンパク質が合成されMHC Iによって提示される23–25).通常の細胞ではこのようなペプチド抗原(antigen)は存在しないため,neoantigenと呼ばれる.neoantigenが提示された細胞は,T細胞の標的となって攻撃を受ける.このメカニズムは免疫チェックポイント阻害による抗がん剤と併用することにより,効果が高まることが示されている24)図6C).

5)合成致死(synthetic lethality)

がん患者らのゲノム配列解析により,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)や慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)などの造血器腫瘍において,非常に高頻度にスプライソソーム構成因子(SF3B1, SRSF2, U2AF1等)が変異し,さらにはスプライシング反応異常が生じていることがわかってきた46, 47).興味深いことに,これらのがん細胞でみられる変異は,特定の残基に集中して起きるホットスポット変異であって片側アレル(対立遺伝子座)のみにみられることから,両アレルに同様の変異が入ると細胞は生存できないことが推定される.すなわち変異スプライシング因子ががんのドライバーになる一方で,もう一方の正常型遺伝子が細胞の生存を支えていると考えられる.一般的にスプライソソーム構成因子に変異を持つがん細胞は特にスプライシング調節剤感受性が高いと報告されているが,これは変異と調節剤の両者による合成致死(synthetic lethality)によるものと考えられている48–52)図6D).

8. おわりに

以上のようにイントロンが保持されることによって多様なRNA分子,翻訳産物,またはそれに伴う細胞応答が複雑に生じることがわかってきた.イントロン翻訳産物に,いまだ解明されていない新機能が付与されている可能性は大いにある.スプライシング調節剤によってES細胞などのpluripotent(多能性)幹細胞を,totipotent(全能性)幹細胞に誘導できるという驚くべき報告もある53).この報告では,totipotentに必須な遺伝子の発現がスプライシング調節剤によって誘導される,と解釈されているが,イントロン翻訳産物がtotipotent能誘導に一躍を担っている可能性もある.スプライシング調節とそれに付随するRNA制御機構・翻訳制御機構のさらなる理解が生物学のあらたなフロンティアを拓くことに疑いはない.

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著者紹介Author Profile

岩崎 信太郎(いわさき しんたろう)

理化学研究所開拓研究本部 主任研究員/東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 客員准教授.博士(生命科学).

略歴

1983年栃木県に生る.2006年東京大学教養学部卒業.11年同大学院新領域創成科学研究科博士課程修了,同年東京大学分子細胞生物学研究所助教,13年より米国Carnegie Institution for Scienceを経て,米国California大学Berkeley校ポスドクフェロー.16年より理化学研究所RNAシステム生化学研究室准主任研究員,17年改組により主任研究員.また17年より東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻客員准教授.

研究テーマと抱負

RNAと翻訳が関わる現象を網羅的かつ生化学的な手法により理解すること.

ウェブサイト

http://www.riken.jp/research/labs/chief/rna_sys_biochem/

http://iwasakirna.com/ja/

趣味

無い時間を縫ってみるお笑い番組.

吉田 稔(よしだ みのる)

理化学研究所環境資源科学研究センター グループディレクター/東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻 教授.農学博士.

略歴

1957年東京都生まれ.81年東京大学農学部卒業,86年同大学院農学系研究科博士課程修了.同年東京大学助手,95年助教授を経て2002年理化学研究所主任研究員.13年同環境資源科学研究センターグループディレクター,22年より理化学研究所研究政策審議役.

研究テーマと抱負

研究テーマは生理活性物質のケミカルバイオロジー,化学遺伝学.化合物の細胞内標的分子とそれらの生理機能を解明することで生物学と創薬の発展に貢献したい.

ウェブサイト

https://www.riken.jp/research/labs/csrs/chem_genom/index.html

http://www2.riken.jp/SPD/CG/index.html

趣味

ワイン,歴史小説,美術品鑑賞.

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