Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(6): 852-860 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940852

特集Special Review

神経ネットワークと可塑性を支配するダイナミックなスプライシング制御メカニズムの理解から創薬に向けてNeuronal alternative splicing: A regulatory mechanism underlying brain network and plasticity

東海大学医学部医学科基礎医学系分子生命科学領域脳神経医学分野Department of Molecular Life Science, Division of Basic Medical Science and Molecular Medicine, School of Medicine, Tokai University ◇ 〒259–1193 神奈川県伊勢原市下糟屋143 ◇ 143 Shimokasuya, Isehara, Kanagawa 259–1193, Japan

発行日:2022年12月25日Published: December 25, 2022
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選択的スプライシングは,神経回路構築に重要なシナプス結合の特異性や神経可塑性を築く生命情報多様性の獲得に重要な仕組みである.神経系では複数のスプライシング調節因子の発現や活性,相互作用によりさまざまな様式で時空間的にスプライシングが制御されており,生命情報の多様性獲得に寄与している.本稿ではこの時空間的な選択的スプライシングの仕組みとして,神経活動依存的制御,神経細胞タイプ特異的制御,および3′末端側RNAプロセシング制御の三つのスプライシング調節を挙げ,特にこれを制御するキーファクターとなるスプライシング調節因子の最近の知見を中心に紹介する.また,本稿ではこのようなスプライシング制御を標的とした新たな創薬アプローチについても考えていきたい.

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