Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(6): 861-867 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940861

特集Special Review

植物pre-mRNAスプライシングの特徴とその生理的役割Characteristics of plant pre-mRNA splicing and its physiological significance

東京大学大学大学院新領域創成科学研究科Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo ◇ 〒277–8562 千葉県柏市柏の葉5–1–5 生命棟601 ◇ Bioscience Building 601, 5–1–5 Kashiwanoha, Kashiwa, Chiba 277–8562, Japan

発行日:2022年12月25日Published: December 25, 2022
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植物は多くの真核生物と異なり,自ら動くことができないため,環境変化に応答して生育を調整するための独自の分子機構を発達させている.近年の研究成果から,そのための仕組みの一つが,pre-mRNAスプライシングであることが示唆されている.本稿では,pre-mRNAスプライシング機構の植物特異的な側面,特に筆者らが解析してきたU small nuclear ribonucleoprotein(U snRNP)生合成について,シロイヌナズナの分子生物学研究の知見を中心に概説する.さらに,植物環境応答におけるpre-mRNAスプライシングの重要性を示す研究例を紹介し,pre-mRNAスプライシングが担う植物生理的役割について考察したい.

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