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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 94(6): 868-874 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940868

特集Special Review

ナンセンスコドン介在的mRNA分解(NMD)と共役した選択的スプライシングによる遺伝子発現の制御Comprehensive analysis of alternative splicing coupled with nonsense-mediated mRNA decay (AS-NMD) in C. elegans

琉球大学大学院医学研究科生化学講座Department of Biochemistry, Graduate School of Medicine, University of the Ryukyus ◇ 〒903–0215 沖縄県中頭郡西原町字上原207番地 ◇ Nishihara-cho, Okinawa 903–0215, Japan

発行日:2022年12月25日Published: December 25, 2022
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筆者らは,線虫のナンセンスコドン介在的mRNA分解(NMD)欠損変異株を利用して,全長mRNAの直接シーケンシング解析により,NMDの基質となるスプライスバリアントの網羅的探索を行い,259遺伝子の289バリアントを同定した.このうち,S-アデノシル-L-メチオニン(SAM)合成酵素をコードするsams遺伝子群では,SAMの濃度に応じて3′スプライス部位のAGジヌクレオチドのアデニン塩基がN6-メチルアデノシン(m6A)修飾を受けることで発現量が間接的にフィードバック制御されるという新奇の制御機構の発見に至った.本稿では,直接RNAシーケンシング解析を利用したmRNA全長配列解析やsams遺伝子の発現量の選択的スプライシングによる制御の意義などについて概説する.

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