Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 95(1): 29-39 (2023)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950029

総説Review

タンパク質のリン酸化は,なぜ非構造領域に群がるのか?リン酸化が生み出す「電荷ブロック」型の液–液相分離制御Why does protein phosphorylation segregate in intrinsically disordered regions?

京都大学大学院生命科学研究科Graduate School of Biostudies, Kyoto University ◇ 〒606–8501京都市左京区吉田近衛町 ◇ Yoshida-konoe, Sakyo-ku, Kyoto 606–8501, Japan

発行日:2023年2月25日Published: February 25, 2023
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リン酸化をはじめとするタンパク質翻訳後修飾は,「立体構造特異的」にタンパク質機能を制御すると考えられてきた.しかし,近年のバイオインフォマティクス解析からは,翻訳後修飾の多くは,立体構造を持たないタンパク質領域(天然変性領域)に生じることが示されている.リン酸化が天然変性領域の液–液相分離を制御する事例が報告されているが,そのメカニズムは不明であった.ここでは,近年報告されたリン酸化の「電荷ブロック」型の液–液相分離制御機構に焦点を当て,従来の「立体構造特異的」制御との相違点を交えながらその特徴を解説する.

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