シナプス接着分子Neurexin–Neuroliginと自閉症スペクトラム症
信州大学先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所/学術研究院医学系分子細胞生理学教室 ◇ 〒390–8621 長野県松本市旭3–1–1 信州大学学術研究院医学系分子細胞生理学教室
発行日:2023年2月25日
NeurexinとNeuroliginは,シナプスに局在する細胞接着因子のファミリー分子で,これらがシナプス間隙で架橋することにより,シナプスの形成および成熟に寄与していると考えられている.約20年前に,Neuroliginの遺伝子変異が自閉症患者から発見されたのを契機に,自閉症の原因としてのシナプス異常説が浮上した.その後,Neurexin自身や,さらにはNeurexin/Neuroliginとシナプスにおいて直接的,間接的に相互作用する分子の遺伝子異常が自閉症患者から多数発見され,現在Neurexin, Neuroliginは,自閉症と特に関連が深い分子として認知されている.本稿では,これら分子の研究の歴史的経緯をたどりながら,現在までの研究のマイルストーンを概説する.
© 2023 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2023-01-16T11:55:52.921+09:00
This page was last modified on 2023-02-15T11:07:31.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。