Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 95(2): 144-150 (2023)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950144

特集Special Review

神経変性の原因となるタンパク質微粒子の形成と伝播機構Molecular mechanisms of formation of pathological protein aggregates and propagation in neurodegenerative diseases

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発行日:2023年4月25日Published: April 25, 2023
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アルツハイマー病,パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症などの主要な神経変性疾患の原因タンパク質の構造がクライオ電子顕微鏡解析により次々と明らかになってきた.疾患ごとにタンパク質の折りたたみ構造は異なり,構造の違いに基づいた疾患分類が提唱されている.また折りたたまれたタンパク質はプリオン病における異常型PrPのように,鋳型となって自身と同じタンパク質を異常型に変えながら線維化していく性質を持つ.タウ,αシヌクレイン,TDP-43について,さまざまな疾患における多様な病態とその構造について概説する.異常タンパク質の構造解明は神経変性疾患の発症,進行メカニズム,病気の診断・治療薬開発に役立つことが期待される.

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