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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 95(2): 201-208 (2023)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950201

特集Special Review

ナノワイヤ・ナノポアデバイスによる超高性能細胞外微粒子解析技術Ultra-high performance analysis of extracellular fine particles using nanowire/nanopore technology

1名古屋大学未来社会創造機構ナノライフシステム研究所Institute of Nano-Life-Systems, Institutes of Innovation for Future Society, Nagoya University ◇ 〒464–8603 愛知県名古屋市千種区不老町 ◇ Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, Aichi 464–8603, Japan

2名古屋大学大学院工学研究科生命分子工学専攻Department of Biomolecular Engineering, Graduate School of Engineering, Nagoya University ◇ 〒464–8603 愛知県名古屋市千種区不老町 ◇ Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, Aichi 464–8603, Japan

3量子科学技術研究開発機構量子生命・医学部門量子生命科学研究所Institute of Quantum Life Science, National Institutes for Quantum Science and Technology (QST) ◇ 〒263–8555 千葉県千葉市稲毛区穴川4–9–1 ◇ 4–9–1 Anagawa Inage-ku, Chiba 263–8555, Japan

4JSTさきがけJapan Science and Technology Agency (JST) ◇ 〒332–0012 埼玉県川口市本町4–1–8 ◇ 4–1–8 Honcho, Kawaguchi, Saitama 332–0012, Japan

発行日:2023年4月25日Published: April 25, 2023
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細胞外微粒子は外因性・内因性のものに大別され,広範な粒子種を包含する.この中でも,健康の指標となるバイオマーカーや,ウイルス・細菌に代表される感染性有害微粒子を高感度・高効率に検出することで,健康長寿社会の実現に貢献することができる.当研究室はナノ空間工学を活用した新しいバイオデバイス,“ナノバイオデバイス”の開発を推進しており,細胞外微粒子に対しても,最先端の微細加工技術と情報科学を駆使してその解析技術の開発を進めてきた.本稿ではその中でも,ナノスケールの導線(ワイヤ)による生体粒子の濃縮および内包物抽出,またナノ細孔(ポア)を用いたイオン電流計測に基づく単一生体粒子分析について,それぞれの応用展開も含めて紹介する.

1. ナノワイヤ・ナノポアデバイスによる超高性能細胞外微粒子解析技術

細胞は生物の最小単位であり,17世紀にイギリスのRobert Hookeによってその存在が見いだされて以降,その理解は常に科学における重要なテーマである.特に1980~90年代は分子生物学が隆盛を誇り,1990年には遺伝情報解読のマイルストーンであるヒトゲノム計画が提案されるに至った.その成果は2000年代のポストゲノム時代を招き,得られた情報を活用するために分野横断的な技術が目覚ましく発展を遂げた.近年ではゲノム編集が遺伝子操作技術に革新をもたらし,医療・産業分野における新しい扉を開こうとしている.

しかしこれほど科学技術が発展してなお,いまだ生命の根本的理解には至っていない.現在では高次の生体における細胞–組織–臓器–個体の階層構造の縦断的理解を求め,量子科学を基盤とした生命科学技術,すなわち量子生命科学による解析が世界中で展開されている.その一方,細胞をより広範な系で捉え,細胞のみならず,その活動に影響を与える“細胞外微粒子”を考慮した包括的なアプローチが進んでいる.生体内の細胞外微粒子には,ナノからマイクロサイズに至るさまざまなものが存在し,環境中から生体内に取り込まれるPM2.5やナノマテリアル等の外因性微粒子と,細胞外小胞であるマイクロベシクルやエクソソームなどの生体内由来の内因性微粒子に大別される.我々は絶えずこの両微粒子の影響下にあり,健康長寿社会の実現にその理解は避けられない.

この細胞外微粒子の重要性が世界的に認知されることに先駆け,わが国では2017年度,文部科学省によって戦略目標「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」が設定された.そして,当該微粒子に対する生体応答機序の解明やそれに必要な技術開発,体内動態制御に向けた展開による,将来の医療や産業応用に向けた基盤研究が推進されることとなった.この目標を達成するため,CREST「細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出」が発足し,

  1. 1)細胞外微粒子の生体・細胞への取り込み,体内動態の理解に基づく生体応答機序解明
  2. 2)細胞外微粒子の検出・分離・計測・解析に係る基盤技術の創出および高度化
  3. 3)細胞外微粒子の体内動態制御に向けた基盤技術創出への展開

を領域の柱とした.遂行にあたってはこのうち少なくとも二つを取り込んだ形での分野融合的チーム構成を求め,広い分野から数多くの研究者が参画し,これまで非常に特色ある研究が行われてきた.

一方,これまで当研究室では,新たなナノ構造構築に基づくナノ空間創成とナノ空間における生体分子・細胞の特異的現象を解明し,ナノ空間科学を創成するとともに,ナノ空間工学を活用した新しいバイオデバイス,“ナノバイオデバイス”の開発を推進してきた(図1).さらに,ナノ空間科学・工学融合によりのみ実現できる生命の新規計測技術の創製を行うとともに,その計測技術でしか解明できない生命現象の解明に取り組んできた1–12)

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図1 当研究室におけるナノバイオデバイスの例

(a)ナノワイヤおよび(b)ナノポアの電子顕微鏡(SEM)画像.(c)量子ドット(Qdot 655:赤色部)によって染色した細胞の顕微画像.

本領域においても,当研究室はナノバイオデバイスを用いた新規解析技術の開発を進めてきた.先述のとおり,外因性・内因性を問わず,細胞外微粒子はその多くがナノ・マイクロスケールであり,加えて粒子集団における不均質性の評価のためには,可算個レベルの評価に基づく分析ができることが望ましい.この実現には,低濃度検体を検出可能にする高効率濃縮機構と,低濃度でも検出可能な高感度検出機構の両方からのアプローチが必要となる.本稿ではこの両輪の創出を志向したナノバイオデバイスに関する研究の中から,最先端の微細加工技術と情報科学の融合に基づく,ナノワイヤおよびナノポアを用いた研究の動向について解説する.

2. ナノワイヤを用いた細胞外微粒子の高効率濃縮と内包粒子の抽出

はじめに,ナノワイヤを用いた尿中マイクロRNA分析に基づくがん診断について概説する.ナノワイヤは直径10~100 nm程度の針状ナノ構造体であり,特に単一ナノワイヤに電界効果トランジスタ(FET)の原理を利用したバイオセンサは,ハーバード大のLieberを中心としてその機能が開拓されてきた13).ナノ構造体は特に半導体材料に対して微細加工技術を駆使して作製するトップダウン型プロセスと,自己組織化などを利用して高次の構造を組み立てるボトムアップ型プロセスに大別される.ナノワイヤの代表的な作製法として,ボトムアップ型の気液固相(vapor liquid solid:VLS)法や,水熱合成法があげられる.前者は触媒として機能するAuなどの金属粒子を基板上に配置し,数百°Cの高温条件下で原料ガスを導入することでワイヤが伸張する.その直径と長さは金属粒子の直径と原料ガス供給量によって制御できるため,用途に応じた設計も比較的容易である.後者は原料のシード層を高周波スパッタリングなどによって基板に製膜し,成長溶液中へ浸漬することでワイヤが成長する.こちらは簡便に作製可能であることが大きな利点であるが,最近の研究では特定のイオンの添加によってそのアスペクト比を調整する試みも進んでおり14),今後ますます柔軟な設計指針の確立が期待される.

どちらの場合においても,フォトリソグラフィー技術による基板上へのパターン生成によって,ナノワイヤの領域を限定できる.そのため,微細加工技術によって微小流路などを作製し,ナノ・マイクロ空間を活用した試料分析をチップ上で行う,いわゆるmicro-total analysis systems(μ-TAS)分野との親和性が高い.我々は,ナノワイヤを導入することで,平滑な表面と比してその表面積を急峻に上昇させられることに着目し,マイクロ空間における濃縮機構としての活用を進めてきた.

代表的な濃縮の対象として,バイオマーカーがあげられる.ここでのバイオマーカーとは身体の状態を評価するために利用される体液中生体微粒子を指す.健康診断においても,血中バイオマーカーの値から肝機能のような内臓の状態評価が行われるなど,その有用性はよく知られている.この血液や尿などの体液を収集し,そこに含まれるバイオマーカーから我々の健康状態を評価するリキッドバイオプシー(液体生検)が,近年ますますの発展を遂げている.特に着目されているのはがん診断における展開である.従来の診断では,組織生検によって病変部位を切除し,より詳細な解析が行われる.しかし,がん治療は早期の発見と治療が重要である一方,多くのがんは早期での自覚症状はほとんどない.そのため,我々の健康を日常的に管理する上では,侵襲性が低い,しかしバイオマーカーを鋭敏に評価できる高性能なシステムが求められる.

ナノワイヤでのがん診断において,我々が着目したバイオマーカーがエクソソームである.エクソソームは細胞同様脂質二重膜で構成された直径30~150 nm程度の小胞であり,さまざまな体液中に存在する.その内部にタンパク質やマイクロRNAを有した細胞間情報伝達ツールであることが知られており,バイオマーカーとしての可能性が追及されている.ナノワイヤで細胞外微粒子を捕集する試みは,韓国科学技術院(KAIST)やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のグループによっても展開されていたが15, 16),当研究グループでは尿中エクソソームの濃縮へと活用した.尿は最終生成物であり,血液のように多量の血球成分を含まず,その採取に侵襲性もない優れた試料であるが,そのエクソソーム濃度は非常に低い(0.01 vol%)17).従来法として超遠心や試薬による凝集などがあげられるが,いずれも回収効率や操作の煩雑さにおいて課題がある.このような状況において,ナノワイヤが高性能濃縮技術としてその機能を発揮した.

計測では,底面にナノワイヤを成長,あるいは埋め込んだマイクロ流路に尿を流し,エクソソームを静電的に捕集する(図2a).その後界面活性剤が含まれた細胞溶解バッファーを流すことで,エクソソームの脂質二重膜を破壊し,内部のマイクロRNAを高濃度に抽出する.抽出されたマイクロRNAは蛍光標識された後,マイクロアレイへと導入される.マイクロアレイ上には多様な配列のオリゴヌクレオチドプローブが高密度に修飾されており,相補的なマイクロRNAの含有量によって結合量が変化する.そのため,体液中に含まれるマイクロRNAの発現量が,各プローブが修飾されたスポットの蛍光強度から評価できる.

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図2 ナノワイヤによるエクソソーム捕捉

(a)模式図.(b)ポリジメチルシロキサン(PDMS)流路中のヘリンボーン構造.

これまでの研究により,1 mLの尿を対象とした実験で,99%以上の尿中浮遊物質が40分程度で回収された.さらには超遠心では尿20 mLから200~300種類のみが検出されているにすぎなかったマイクロRNAが,1000種類以上尿中に含まれていることが見いだされた.さらに,がん(前立腺,膀胱,肺,膵臓,肝臓)検体と非がん検体の尿の比較から,マイクロRNAの発現傾向が異なることが明らかとなった18).この成果を端緒に,ナノワイヤを利用したがん検知の研究が大きく進むことになった.最近の脳腫瘍を対象とした研究では,患者から取り出した腫瘍が放出するマイクロRNAをナノワイヤで抽出し,マイクロアレイによる解析を行った.その結果,脳腫瘍患者の腫瘍細胞より作製したオルガノイドと,患者の尿検体のマイクロRNAが73.4%一致していることが示された.さらに,脳腫瘍患者検体と非がん検体の尿中マイクロRNAの発現の比較から,正確度99%,感度100%,特異度97%で脳腫瘍が診断できることが実証された19).時間とコストの観点からも,日常生活で高感度分析が可能なCTやMRIを受ける機会はほとんどないため,脳腫瘍はその進行に伴って発現する神経症状を受け,初めて検査を受けることが多い.これが他のがんと比較して発見が遅くなる要因の一つであり,早期発見が特に求められているが,この結果から尿中のマイクロRNAが脳腫瘍の早期検知に向けたバイオマーカーとして活用できる展望が開かれた.

ナノワイヤは,原子層堆積法(atomic layer deposition:ALD)やパルスレーザー堆積法(pulsed laser deposition:PLD)を用いることで,ナノワイヤ表面への金属酸化膜などの素材の製膜が可能であり,表面の性質を柔軟に変化させることができる(コア-シェル型ナノワイヤ).流路においても,魚の骨状(ヘリンボーン)の刻み目を入れた流路内にらせん状の水流を生じさせることができ(カオティックミキサー,図2b),より効率的な濃縮が可能になっている.さらに,濃縮機構としての対象はエクソソーム中のマイクロRNAにとどまらず,セルフリーDNA(cfDNA)など広く遊離核酸に及び20),今後評価可能な健康状態の拡充に期待が高まる.このように,機能・構造の付与に加え,その対象も拡充されており,さらなる高性能化が期待される.

このように,低濃度検体の濃縮において有用なナノワイヤだが,さらに微小な液胞を破砕し,その内包粒子を抽出する機構としても活用できる.もともとナノスケールのピラー構造(ナノピラー)を有するクランガーゼミ(Clanger cicada;Psaltoda claripennis)というセミの翅が,付着した細菌を引き裂くことで抗菌作用を発揮することが知られており,人工的に作製したナノピラー構造でも,黄色ブドウ球菌などに対してその機能が実証されている21).この細菌の破砕は,視点を変えれば小胞からの内包粒子抽出であり,類似の構造であるナノワイヤでも同様の効果を発揮することが期待された.

モデル細菌として,大腸菌と枯草菌が破砕実験に供され,駆動力として外部電場や圧力が利用された.蛍光顕微鏡観察によって,破砕によるDNAの抽出が確認されるとともに,LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法によって,抽出されたDNAが増幅できることが実証された22).その破砕原理はナノピラーのような穿孔に基づくものとは異なり,多数のナノワイヤに絡みつくように吸着した細菌が,外部駆動力によって牽引されることによる(図3).この際,一定以上のアスペクト比になると,単純な土台となってしまい,破砕能が失われるため,粒子種に応じたナノワイヤの設計が重要となる.この設計の難しさはあるものの,生体由来の細胞外微粒子はその多くが細菌同様に脂質二重膜によって構成されていることから,多様な粒子種に対する遺伝情報に基づく同定への応用が期待されるなど,破砕機能が実証されたことの意義は大きい.

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図3 ナノワイヤによる枯草菌の破砕

ナノワイヤ(直径30 nm)に取り込まれた枯草菌のSEM画像(左,スケールバー:1 µm)とその拡大図(中央,右,スケールバー:200 nm).SEM観察のためPtコーティングを行っている.(文献22より転載)

このように,ナノワイヤは細胞外微粒子の濃縮・その内包粒子の抽出において,きわめて高性能なデバイスとして機能することが実証されてきた.社会実装の観点では,エクソソームのナノワイヤでの濃縮を基盤技術としてベンチャー企業の創出も行われており(Craif株式会社,https://craif.com/),対象とするがん種は限定的ながらも,そのリスクスクリーニング検査サービスも医療機関を通じてすでに提供が開始されている.厚生労働省の報告では,がんは生涯で男性の2人に1人,女性の3人に1人が発症し,日本人の最大の死因であるとされる.その超早期発見が,尿一滴で完結する日常的なヘルスチェックによりもたらされる日も近い.

3. ナノポアを用いた細胞外微粒子の高感度検出

一方,高感度検出機構の代表的なものとしては,ナノポアがあげられる.ナノスケールの細孔であるナノポアは,単一生体粒子レベルの感度を有することから,不均質な生体粒子集団に対して,個々の粒子の個性に基づいた評価を行うことが可能である.

ナノポアによるセンシングでは,電解質溶液で満たされたポアに対してDC電圧を印加し,その結果生じるイオン電流を計測する23).この際,検体粒子の通過はポア内部のイオンを瞬間的に排除するため,電流計測ではパルス状のシグナルとして検出することができる(図4).このシグナルには検体の体積や表面電荷といった物理性状が複雑に反映されており,このイオン電流抑制強度(波高)およびポア通過時間(波幅)をキャラクタリゼーションや粒子間の識別へと活用する.

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図4 ナノポアによる単一粒子検出

(a)模式図.(b)カルボキシ基修飾ポリスチレン微粒子の検出におけるイオン電流シグナル.

原理そのものは20世紀中盤にWallace H. Coulterによって見いだされたものであり24),当時は血球分析への展開などが行われていた.その転機となったのはナノテクノロジーの勃興である.1989年,David Deamerによって,ポア径をナノスケールまでダウンサイジングすることで,DNAの核酸塩基を識別できるのではないかというアイデアが考案された25).この1分子DNAシークエンシングに向け,世界中の研究者らが30年近くしのぎを削り,国際宇宙ステーション(ISS)で採取された細菌のDNA配列がISS内で決定されるまでに至った.この取り組みは微粒子検出に対しても大きな影響を及ぼし,現在はさまざまなナノポア計測装置が販売され,新たな微粒子分析機器としての地位を確立している.

ナノポアはポアを有する膜貫通タンパク質を利用した生体ナノポアと,半導体材料による固体ナノポアに大別される.生体ナノポアはアミノ酸配列に基づく高いポア径の安定性が特徴であり,脂質二重膜へと導入することで機能させる.一方固体ナノポアの作製法としては,微細加工技術によるトップダウン型プロセスによるものが一般的である.たとえばよく利用される窒化シリコンを素材としたナノポアでは,SiNx/Si/SiNxの三層構造の基板を用いる.まずCF4などをエッチングガスとした反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)により片面のSiNxを一部除去し,Siを露出させる.このSi部分を囲う形でチューブを接続し,KOH水溶液を導入する.これにより,Siは異方的にエッチングされ,反応性の違いから,もう片面のSiNx層が残る.このフリースタンディングなSiNx層がナノポア掘削のためのメンブレンとして利用される.掘削は電子線リソグラフィーによるポアの描画の後,RIEによって行う.また数nmレベルのポアであれば,透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope:TEM)や集束イオンビーム(focused ion beam:FIB)装置を利用した穿孔が行われる.この微細加工技術による作製では,ナノからマイクロまで,検体に合わせた広範なサイズのポア作製が可能だが,非常に高額な装置群が必要になる.また,メンブレンに対して高電圧を印加し,絶縁破壊によって作製することもできる.こちらは比較的安価な装置群で簡便に作製でき,pHや電圧印加を停止する際の電流値を調整することで,数nm~十数nmでそのポア径制御も可能である.

これまでに,空間分解能向上のため,直径に対する厚さの比(アスペクト比)が小さな低アスペクト比ナノポアの作製を志向し,グラフェンやMoS2などの二次元素材が着目されてきた.我々は極薄の窒化シリコン薄膜上にこの低アスペクト比構造を模倣したポアを作製し,再現性と歩留まりのよいデバイスとして多様な計測を展開してきた.たとえば雪だるま状の粒子を測定した場合,厚いナノポアでは全体がポア内部に収まってしまう.これは体積の評価において安定した計測に資するものの,形状を把握することは難しい.一方,非常に薄い低アスペクト比ナノポアでは,その厚みを検体粒子より小さくすることができる.実際に,雪だるま状のポリスチレン微粒子や,複数の粒子が連結した構造を持つ口腔内細菌の一種であるレンサ球菌の検出において,その形状が反映されたと考えられるシグナル形状が取得できており,低アスペクト比構造の有用性を示している26, 27)

さらに近年,ナノポアデバイスによってエクソソームの形状分布をがん診断の新しい指標として利用できる可能性を見いだしている28).まず原理実証として,肝臓がん細胞,乳がん細胞,大腸がん細胞由来エクソソームについてその1粒子検出および解析を行ったところ,それぞれの形状分布が異なっていることが明らかとなった.さらに発展として,血中に含まれるエクソソームについて,健常者と乳がん患者から取得した試料の計測を行い,両者の形状分布の違いから識別した.この研究は,体液中エクソソームの検出がナノポアデバイスによって検出できるとともに,そのがん種の特定も可能であることを示唆しており,ナノワイヤ同様,リキッドバイオプシーの可能性を大きく拓く成果となった.

また,解析の面においても情報科学との融合により,新たな局面を見せている.先述のとおり,ナノポア分析において利用されるのは一般に波高と波幅である.しかし,検体粒子の持つ物理性状はもちろんその二つのみで表現されるわけではなく,波形全体に複雑に反映されている.特に,低アスペクト比ナノポアによって検出されたシグナルには,単一粒子由来の情報が豊富に含まれていると考えられる.そこでこの情報の活用のため,AIによる機械学習を解析に導入し,物理性状の類似した検体の識別を試みた.学習の教師データのため,波高や波幅に加え,角度や尖度,面積やピーク位置比といった多様なイオン電流シグナル波形の形状特徴量を新規に採用した.加えてイオン電流シグナルを分割し,各区間における電流値とこれらの形状特徴量をランダムに組み合わせることで人工的に特徴量を作製した.このナノポアセンシングと機械学習を組み合わせたアプローチでは,これまで細菌やウイルスを対象とした識別が行われている.代表的な呼吸器感染症起因ウイルス5種(A型およびB型インフルエンザ,RS,アデノ,コロナ)については,70%以上での判定を可能にした29).強調したいのは,この精度が1粒子を検出した際のものという点である.判定精度はシグナル数の増加に伴い上昇し,このウイルス種識別の場合ではおよそ粒子20個ほどでその精度は99%を超え,実用化への展開も検討できるレベルへと至る.ウイルス種のみならず,同一ウイルス種間における亜型の識別も達成された30).細菌では,形状が非常に類似した枯草菌–大腸菌の他,臨床的に重要な病原性細菌(Staphylococcus aureus, Salmonella enterica, Escherichia coli, Bacillus cereus, Pseudomonas fluorescens)の識別を実証している27, 31)

このアプローチでは,ナノポアセンシングによるラベルフリーな検出ができるとともに,臨床現場で取り扱う試料は唾液などになることから,侵襲性も低い.さらに,電気的検出に基づき,識別精度が値として得られることから,検査者の能力に依存しない判定ができる.加えてその検出から判定に要する時間はミリ秒オーダーであり,新規有害粒子のデータベースへの追加も容易であることから,今後大規模データベースへの発展も期待できる.

さらに,デバイスの発展として,分子認識を利用した高精度識別も展開されている.たとえばウイルス検査でも抗原抗体反応を利用した検査キットは広く用いられており,臨床現場での簡便迅速な感染診断を可能にしている.この強固な認識に基づく優れた選択性をナノポアセンシングに導入すれば,さらなる高機能化へつながるように考えられるが,実際には課題がある.一般に分子認識では強い認識能が求められるが,ポア内部での検体による閉塞を引き起こし,それ以上計測を行うことができなくなる.そこで,ペプチドアレイによって検体に対して弱い認識を有するペプチド配列を探索し,ナノポアへと導入した.これにより,少数のペプチド分子–検体粒子間での相互作用に基づき,ポア通過時間が延長されることが期待される.これは視点を変えればイオン電流波形における形状特徴量の増強である.実際に細菌間や,ウイルスの亜型間において,分子認識ナノポアを用いることで,機械学習を利用した判定における識別精度の向上を達成できた32, 33)

加えて,ブリッジ回路を利用した新たな計測系も展開されている(図534).こちらは一般的なナノポア計測とは異なり,検体粒子の通過部分と計測系を分割し,ブリッジ回路を構築する.本計測系はサンプル回路,ブリッジ部分,そしてバランス回路によって構成される.計測では,このバランス回路間の電位差がなくなるよう可変抵抗によって調整する.これにより,検体粒子と比して巨大な流路を使用した場合や,高電圧を印加した場合においても,そのバックグラウンド電流を大幅に低減させた高感度検出が可能になる.これまでにシリコン系の素材であるポリジメチルシロキサン(PDMS)のマイクロ流路を長尺のポアとして用いた計測を展開している.従来の計測系では粒子由来のシグナルがノイズに埋もれて検出が難しい場合でも,ブリッジ回路を用いることで検出できた.これまでに,大腸菌やがん細胞(HeLa細胞),DNAの検出が可能であることが実証された.さらに,PM2.5のサイズや個数濃度の分析が可能であることが示されており,今後バイオエアロゾルのような大気中を浮遊する生体関連微粒子の解析にも展開できると考えられる35)

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図5 ブリッジ回路組込みマイクロ流路による単一粒子検出

(a)概念図および(b)等価回路.(c)当該流路による単一粒子検出.

この計測系の発展として,幅広いレンジの多様な粒子を高感度に検出できることを活かし,ロバスト性の高い持ち運び可能なセンサー(Robust-ionic current sensor:Robust-ICS)も作製した36).一般にナノ・マイクロポア計測はSUSなどで作製された高重量のシールドボックス中で計測を行うが,Robust-ICSでは野外での計測も可能にするため,可搬性の高い厚さ1 mmのアルミプレートで作製し,シールド性能を下げたことによって外部環境の影響をより受けつつもブリッジ回路を組み込んだ計測系でカバーし,多様な環境における粒子検出を可能にした.

ナノポアに関してもベンチャー企業が創出され(アイポア株式会社,https://aipore.com/),他企業との連携によって微粒子計測装置・ポアデバイスといったハードのみならず,シグナル抽出および機械学習を利用したソフトまで一括したソリューションを提供している.今後のデジタル・トランスフォーメーション(DX)との相互作用により,大気中,そして体内の細胞外微粒子が網羅的に評価されるシステムが構築されることが期待される.

以上,本CREST領域が目標とする,内因性と外因性微粒子の融合研究の推進によって,濃縮から検出,解析まで包含した超高性能細胞外微粒子解析に資する技術が数多く創出された.そしてそれらの技術が生み出した潮流は,ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融合領域における新しい学問領域の創成および新規産業創出に寄与しつつある.ナノワイヤとナノポアにおいても,ともにシンプルな構造ながらその性能は大きく飛躍した.今後これらの技術を基に,細胞外微粒子の検出・分離・解析技術の高度化,生体応答機序の解明,体内動態制御に向けた展開のいずれもがさらなる進歩を遂げることが期待される.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

馬場 嘉信(ばば よしのぶ)

名古屋大学未来社会創造機構ナノライフシステム研究所 教授.名古屋大学工学研究科生命分子工学専攻 教授.量子科学技術研究開発機構量子生命・医学部門量子生命科学研究所 所長.理学博士.

略歴

1981年九州大学理学部卒業.86年同大学院博士課程修了.同年大分大学助手・講師.90年神戸薬科大学講師・助教授.97年徳島大学教授.2004年名古屋大学教授.17年CREST細胞外微粒子・研究総括.19年量子生命科学研究所長.

研究テーマと抱負

ナノAIバイオデバイスと量子生命科学による未来医療開拓.ナノテクノロジー,量子科学技術,AIを駆使した,がん超早期診断・低侵襲治療および診断・治療融合技術研究開発など,未来医療の開拓を目指した研究を進めている.

ウェブサイト

https://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/bioanal1/

趣味

ワイン.

有馬 彰秀(ありま あきひで)

名古屋大学未来社会創造機構ナノライフシステム研究所 特任講師.博士(理学).

略歴

2011年大阪大学理学部化学科卒業,16年同大学院理学研究科化学専攻博士後期課程修了.15年日本学術振興会特別研究員(DC2),16年大阪大学産業科学研究所特任助教,19年名古屋大学大学院工学研究科特任助教,21年より現職.

研究テーマと抱負

ナノ・マイクロスケールデバイスを用いた単一生体微粒子分析法の開発.特にマイクロポアデバイスを用いた1細胞解析,および機能性高分子を導入した単一微粒子分析に資するデバイスの開発.

ウェブサイト

https://researchmap.jp/a.arima

趣味

美術鑑賞.

安井 隆雄(やすい たかお)

名古屋大学大学院工学研究科 准教授.博士(工学).

略歴

2007年名古屋大学工学部卒業.12年名古屋大学大学院工学研究科助教.15年JSTさきがけ研究員.18年より現職.

研究テーマと抱負

生命分子分析のための新奇分析空間デバイスの創出.ナノ空間・ナノデバイスを用いた革新的な生命分子分析法の創出.

ウェブサイト

https://researchmap.jp/7000003018

趣味

メダカ飼育.

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