食と腸内細菌が織りなす腸内代謝環境の構築と健康への影響
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所ヘルス・メディカル微生物研究センター ◇ 〒567–0085 大阪府茨木市彩都あさぎ7–6–8
発行日:2023年8月25日
腸内細菌が我々の健康状態や疾患の発症・重篤化などと関わっていることが明らかになってきているが,その作用メカニズムとして,ポストバイオティクスなど腸内細菌が作り出し宿主に対して生理活性を持つ代謝物が注目されている.筆者らのグループでは,日本人を対象に腸内環境に関する大規模なデータベースを構築し,独自に開発した解析ツールとともにデータを公開しながら,腸内環境と健康に関する研究を進めている.本稿では,最近筆者らが見いだした肥満や糖尿病の改善・予防が期待できる腸内細菌(Blautia)や脂質代謝物(αKetoA)などを例に,“食と腸内細菌が織りなす腸内代謝環境”と題して,腸内細菌による代謝という観点から食事や健康との関連を含めて腸内環境について考えてみたい.
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