腸内細菌における食事成分・薬効成分代謝の解析と代謝物の生理機能
京都大学大学院農学研究科 ◇ 〒606–8502 京都市左京区北白川追分町
発行日:2023年8月25日
食事成分・薬効成分は,ヒトの消化作用のみならず腸内細菌による代謝を受けさまざまな化合物へと変換される.したがって,腸内細菌による食事成分・薬効成分等の機能性化合物の代謝を把握し,代謝物の生理機能を評価することは,健康を実現する腸内デザインにとって重要である.本稿では,腸内細菌における食事成分・薬効成分の代謝解析研究の例として,植物機能性分子ならびに食事成分の腸内細菌代謝の解析例を,生成する代謝物の生理機能解析例とともに紹介する.プロバイオティクスとの対比から一般的にポストバイオティクスと呼ばれるこれらの腸内細菌代謝物は,宿主の疾患を改善し同時に腸内細菌叢を制御するデュアルコントローラ機能を有する分子として期待される.このように,腸内細菌代謝と代謝物の生理機能の理解は,腸管デザインの指針を提示するとともに,その具現化ツールを提供する.
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