腸内細菌の組成や代謝に影響を与えるマイクロバイオームモジュレータ
1 慶應義塾大学薬学部創薬研究センター ◇ 〒105–8512 東京都港区芝公園1–5–30
2 慶應義塾大学先端生命科学研究所 ◇ 〒997–0017 山形県鶴岡市大宝寺字日本国403–1
3 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 ◇ 〒252–0882 神奈川県藤沢市遠藤5322
発行日:2023年8月25日
腸内細菌の組成や代謝に影響を与える因子をマイクロバイオームモジュレータと呼んでいるが,これには,下部消化管まで到達する糖・タンパク質・脂質などの栄養素,抗菌剤などの薬剤,生菌,ファージ,腸内細菌代謝物などがあげられる.各マイクロバイオームモジュレータは異なる腸内環境変化を引き起こすため,結果として宿主に異なる影響を及ぼす.そのため,マイクロバイオームモジュレータは,腸内細菌叢の構成異常(ディスバイオーシス)を改善し,宿主の健康状態に応じた腸内環境を構築できる可能性がある.本稿では,マイクロバイオームモジュレータが宿主生理機能に与える影響について,主に腸内細菌代謝物の観点から述べるとともに,マイクロバイオームモジュレータの課題点について論じたい.
© 2023 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2023-07-14T08:07:00.359+09:00
This page was last modified on 2023-08-21T10:53:48.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。