Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 95(4): 509-520 (2023)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950509

総説Review

自然免疫を介した病原体認識と獲得免疫の誘導Recognition of pathogen infection by innate immunity and its role in the development of adaptive immunity

奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域分子免疫制御研究室Laboratory of Molecular Immunobiology, Nara Institute of Science and Technology ◇ 〒630–0192 奈良県生駒市高山町8916–5 ◇ 8916–5 Takayama-cho, Ikoma, Nara 630–0192, Japan

発行日:2023年8月25日Published: August 25, 2023
HTMLPDFEPUB3

自然免疫は感染防御の初期に働く生体防御機構であり,マクロファージや樹状細胞が主要な働きをする.これら細胞は,病原体の構成成分を認識するパターン認識受容体を介して病原体の侵入を察知し,炎症や獲得免疫成立に重要な分子群の発現を誘導する.パターン認識受容体には,Toll-like receptorファミリー,RIG-I-like receptorファミリー,インフラマソーム等が知られており,それぞれ異なる病原体成分を認識する.パターン認識受容体を介する応答は,獲得免疫誘導に必要であることからアジュバント開発の標的となる一方,炎症の起点となるためさまざまな炎症疾患と関連する.本稿では,パターン認識受容体に関する最近の知見や自然免疫による獲得免疫制御に関する我々の最近の知見を紹介する.

This page was created on 2023-07-10T10:57:25.51+09:00
This page was last modified on 2023-08-22T10:48:00.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。