最新技術で明らかになったエンドセリン受容体の構造と機能
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1 東京大学理学部1号館東棟583
発行日:2023年10月25日
エンドセリンとその受容体であるETAおよびETBは,複数のGタンパク質を介して,成長,生存,浸潤,血管新生などの体内の恒常性をつかさどる.本稿では,X線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡法によるこれらの受容体の構造決定と,エンドセリンによる受容体活性化機構に焦点を当てる.我々の一連の研究で,エンドセリンの結合に伴う受容体の大きな構造変化や,それがどのように細胞内側に伝わるか,そしてエンドセリン受容体独自のGタンパク質結合様式が明らかになっている.本稿ではさらに,臨床的な拮抗薬と逆作動薬の結合様式についても詳細に解説する.こうした知見は,Gタンパク質活性化のメカニズムの理解に大きく貢献し,さらにエンドセリン受容体を標的とした血管拡張作用のある拮抗薬や作動薬の開発につながる.
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