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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 95(6): 719-729 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.950719

特集Special Review

ペルオキシソームの動態と機能制御研究の新展開Recent advances in research on the dynamics and functional regulation of peroxisome

1九州大学理学研究院生物科学部門Department of of Biology, Graduate School of Sciences, Kyushu University ◇ 〒819–0053 福岡市西区元岡744 ◇ 744 Motooka, Nishi-ku, Fukuoka 819–0053, Japan

2崇城大学生物生命学部生物生命学科Department of Biotechnology and Life Sciences, Faculty of Biotechnology and Life Sciences, Sojo University ◇ 〒860–0082 熊本市西区池田4–22–1 ◇ 4–22–1 Ikeda, Nishi-ku, Kumamoto 860–0082, Japan

3九州大学基幹教育院Faculty of Arts and Sciences, Kyushu University ◇ 〒819–0053 福岡市西区元岡744 ◇ 744 Motooka, Nishi-ku, Fukuoka 819–0053, Japan

4レオロジー機能食品研究所Institute of Rheological Functions of Food ◇ 〒811–2501 福岡県糟屋郡久山町久原2241–1 ◇ 2241–1 Kuhara, Hisayama-cho, Fukuoka 811–2501, Japan

5兵庫県立大学理学研究院生命科学専攻School of Sciences, University of Hyogo ◇ 〒678–1297 兵庫県赤穂郡上郡町光都3–2–1 ◇ 3–2–1 Koto, Kamigori-cho, Hyogo 678–1297, Japan

発行日:2023年12月25日Published: December 25, 2023
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ペルオキシソームは極長鎖脂肪酸のβ酸化をはじめとした多様かつ重要な代謝機能を有する細胞小器官(オルガネラ)である.ペルオキシソーム形成に必須な多数のペルオキシン遺伝子(PEX)の同定,およびその翻訳産物であるペルオキシンの機能解析が大きく進展し,ペルオキシソーム欠損症の全病因PEX遺伝子の解明に続いてペルオキシソームの形成機構が明らかとなってきた.ここでは,ペルオキシソーム構成タンパク質の輸送局在化やペルオキシソームの分裂,形態制御,分解などの統合的制御によるペルオキシソーム形成機構を概説し,ペルオキシソームタンパク質の輸送局在化機構や酸化ストレス応答におけるペルオキシソームの役割に関する最新の知見について,哺乳類ペルオキシソームを中心に我々の成果を紹介する.

1. はじめに

ペルオキシソームは一重の単位膜に囲われた細胞小器官(オルガネラ)の一つであり,真核生物に広く存在する.ペルオキシソームは過酸化水素を産生する複数の酸化酵素と,過酸化水素の分解酵素であるカタラーゼを有するオルガネラとして同定されたが1),極長鎖脂肪酸のβ酸化や種々の物質の酸化などの異化反応,およびエーテルリン脂質プラスマローゲンや胆汁酸,ドコサヘキサエン酸の生合成反応などを含む多様な代謝機能が明らかにされている2).ヒトにおけるペルオキシソームの生合成や代謝機能の障害は,中枢神経系の機能異常を含む種々の重篤な症状を呈する致死性劣性遺伝病であるペルオキシソーム欠損・形成異常症[Zellwegerスペクトラム症候群(Zellweger spectrum disorders)]を発症することからも,生体でのペルオキシソームの重要性が示されている3, 4).現在までに酵母系で30種以上,哺乳類で14種のペルオキシソーム形成因子(PEX遺伝子,翻訳産物をペルオキシンと呼称)が同定されており,ヒトペルオキシソーム欠損症患者の全病因PEX遺伝子の解明に至っている4, 5)表1).ミトコンドリア,葉緑体とは異なり独自のDNAを持たないペルオキシソームであるが,成長,分裂を経て増殖する生合成過程とペルオキシソーム特異的オートファジー(ペキソファジー)による分解機構が統合的に制御され,自身の恒常性が維持されると考えられている.

表1 ペルオキシンとその機能,およびヒトペルオキシソーム欠損症
機能役割ヒト病態酵母タンパク質の特徴
ペルオキシソーム膜タンパク質(PMP)輸送
PMPのシャペロン,受容体Pex19ZSDPex19CaaXモチーフ
Pex19の受容体Pex3ZSDPex3PMP
Pex3の受容体Pex16ZSDPex16*, Pex36*PMP
ペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送
マトリクスタンパク質受容体PTS1受容体Pex5S/LZSDPex5, Pex9TPRドメイン
PTS2受容体Pex7RCDPPex7WDドメイン
Pex7共受容体Pex5LRCDPPex20, Pex18**, Pex21**TPRドメイン(Pex5L)
タンパク質膜透過装置Pex5と結合,膜透過複合体Pex14ZSDPex14PMP
Pex13ZSDPex13PMP, SH3
Pex17PMP
Pex8IPO
ユビキチンリガーゼ複合体Pex2ZSDPex2PMP, RING
Pex10ZSDPex10PMP, RING
Pex12ZSDPex12PMP, RING
E2Pex4E2 (UbcH5a/b/c)
Pex4の膜アンカーPex22PMP
PTS受容体のエクスポート複合体PTS受容体のエクスポートPex1ZSDPex1AAA-ATPase
Pex6ZSDPex6AAA-ATPase
Pex1–Pex6複合体の膜アンカーPex26ZSDPex15PMP
ペルオキシソームの分裂
Pex11ファミリーPex11α/β/γZSD***Pex11, 25, 27, 34PMP
Pex23, 28, 29, 30, 31, 32PMP
ZSD:Zellweger spectrum disorders, RCDP:rhizomelic chondrodysplasia punctata.*PEX16PEX36はそれぞれ酵母Yarrowia lipolyticaPichia pastorisのみに存在.**Saccharomyces cerevisiae由来(P. pastoris Pex20と相同).***ヒト患者はPEX11β欠損のみが同定されている.TPR:tetratricopeptide repeat, SH3:Src homology-3, RING:really interesting new gene, AAA-ATPase:ATPases associated with diverse cellular activities, CaaX:ファルネシル化モチーフ,IPO:intraperoxisomal organizer of the protein import machinery, PMP:peroxisomal membrane protein, WD:Trp-Aspモチーフ.

本稿ではペルオキシソーム形成機構を概説し,哺乳動物を中心としたペルオキシソームタンパク質の輸送局在化機構や酸化ストレス応答におけるペルオキシソームの役割について,我々の成果を中心に最近の研究の進展を解説する.

2. ペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)の機能

ペルオキシソームの形成は一般的には“growth and division model”6)が受け入れられており,サイトゾルの遊離型ポリソームで新規合成された構成タンパク質が既存のペルオキシソームに局在化し,その結果ペルオキシソームが成長,分裂して増殖していくと考えられている5, 7, 8)PEX遺伝子の同定に続いて進展したペルオキシンの機能解析により,ペルオキシンの機能は,1)膜タンパク質輸送と初期膜の形成,2)マトリクスタンパク質輸送,3)分裂と形態制御,の三つに大別されている5, 7, 8)図1).

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図1 哺乳類ペルオキシンの細胞内局在と機能

ペルオキシン中の数字はPEX遺伝子産物固有の番号(発見順)を示す.(A) Pex3, Pex16, Pex19はペルオキシソーム膜タンパク質の輸送と膜形成に必須である.(B)哺乳動物ペルオキシン14種のうち,10種はペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送を担う.PTS1タンパク質は,①PTS1受容体Pex5(2種のアイソフォーム,S型とL型)とサイトゾルで結合,②Pex14との結合を介してペルオキシソーム膜へ標的化,③主にPex14とPex13から構成される膜透過複合体による膜透過,を経てPex5とともにマトリクスへ移行する.その後Pex5は,④RINGフィンガーを持つ3種のペルオキシンPex2, Pex10, Pex12からなるユビキチン(Ub)リガーゼ複合体によりシステイン残基(Cys)にモノUb化修飾を受け,⑤AAA-ATPaseであるPex1およびPex6の働きによりサイトゾルへとエクスポートされる.放出されたCys-Ub化Pex5は脱Ub化酵素USP9Xあるいはグルタチオン(GSH)による還元化により脱Ub化され,次の基質輸送へ再利用される(⑥).一方,PTS2タンパク質はPex5L-Pex7-PTS2タンパク質複合体としてPex14と結合後に輸送される.(C) 3種のPex11アイソフォーム,ダイナミン様タンパク質1(DLP1)およびFis1, Mffはペルオキソームの増殖・分裂制御に関わる.NME3はDLP1にGTPを供給し,ペルオキシソームの分裂を制御する.図は文献8を改変,作製した.

3. 膜タンパク質輸送と初期膜の形成

主にサイトゾルに局在するPex19,およびペルオキシソーム膜タンパク質であるPex3とPex16はペルオキシソーム膜タンパク質(PMP)輸送に必須である(表1).PMPは遊離リボソームで全長タンパク質として合成されサイトゾルへ放出された後,直接ペルオキシソームへと翻訳後輸送される(図1).PMP受容体として機能するPex19はPex3を除くほとんどのPMPとサイトゾル中で複合体を形成,安定化し,ペルオキシソーム膜上のPex3に結合することでPMPを標的化させる(クラスI経路)9, 10).小胞体への膜タンパク質輸送にはトランスロコンを介した翻訳共輸送やC末端に1回の膜貫通領域を持つテイルアンカー型膜タンパク質の輸送を担うGET経路など複数の輸送機構が存在するが11),ペルオキシソーム局在性テイルアンカー型膜タンパク質(Pex2612)やACBD513))や複数膜貫通型タンパク質(PMP2214))をはじめ,さまざまなタイプのPMPがPex19に認識されてクラスI経路を介して輸送される.一方,哺乳動物においてPex3はPex19依存的にペルオキシソーム膜上のPex16へと標的化される(クラスII経路)10).サイトゾルで形成されたPMP–Pex19複合体がペルオキシソーム膜上のPex3と結合すると,Pex19はPMPから解離してサイトゾルに戻るとともに,PMPが膜へ挿入される.しかし,PMPのタイプを問わない膜挿入能を持つ点を含めて,Pex19とPex3によるPMPの膜挿入過程の詳細は明らかとなっていない.

Pex19とPex16に依存したサイトゾルからペルオキシソームへ直接PMPが輸送される経路に加えて,特に酵母系では小胞体を経由した間接的なPMPの輸送経路が議論となっている.ペルオキシソームの新規(de novo)合成はPex3とPex16を持つ小胞体の“seed”から開始するというモデルが提唱されており,酵母においてはPMPが小胞体に輸送されてからペルオキシソームに至る複数の様式が示唆されている15–17).哺乳動物では,Pex3とPex14がまずミトコンドリアに標的化し,両タンパク質を含むペルオキシソーム前駆体小胞がミトコンドリアから放出される.これが小胞体由来のPex16を含む小胞と融合することで,マトリクスタンパク質輸送が可能となる初期ペルオキシソームが形成され成熟化する,という報告がなされた18).一方で,これらの結果はペルオキシソームを完全に欠失した変異体に相補PEX遺伝子を導入することでペルオキシソームの初期形成を解析したもので,ほとんどが“growth and division”で形成される通常時におけるペルオキシソームの新規合成および小胞体の関与の生理的意義ははっきりしていない.

Pex16は上述のとおりに哺乳動物ではクラスII経路を介してPex3をペルオキシソームに輸送するのに必須であり10),ヒトペルオキシソーム欠損症患者由来のPEX16欠損性線維芽細胞ではペルオキシソームを完全に欠落している19).一方,酵母Yarrowia lipolyticaなどいくつかの生物種のPex16欠損変異株では機能を持つペルオキシソームが少量残存している20, 21).我々は最近,CRISPR-Cas9法によりPEX16をノックアウトした動物培養細胞(PEX16-KO細胞)を樹立し,哺乳動物におけるPex16の役割を詳細に解析した22).複数の培養細胞種で樹立したPEX16-KO細胞はいずれも,数は少ないが大きいペルオキシソームを持つ細胞と,完全にペルオキシソームを欠落した細胞を含んでいた.詳細な解析から,Pex16はペルオキシソーム初期膜の形成に重要なタンパク質ではあるが,必ずしも必須ではないこと,ヒトペルオキシソーム欠損症患者由来のPEX16欠損性ヒト線維芽細胞でペルオキシソームが完全に欠損している19)のは,この患者由来細胞では変異型Pex16(アミノ酸配列R176stop)が初期膜形成を阻害している結果であることが明らかとなった22).種間を超えたPex16の生理的な役割が明らかになることが期待される.

4. マトリクスタンパク質輸送

ペルオキシソームのマトリクスに局在する可溶性タンパク質(マトリクスタンパク質)の大部分には,輸送シグナルとしてC末端3アミノ酸配列Ser-Lys-Leu(SKLモチーフ)およびその類似配列が存在し,非切断型のペルオキシソーム移行シグナル-1(PTS1)として機能する23, 24).また,一部のマトリクスタンパク質はN末端切断型延長ペプチド配列であるPTS2(nonapeptide:R/K-L/V/I-X5-H/Q-L/A)を持つ25, 26).哺乳動物ペルオキシン14種のなかで10種がマトリクスタンパク質輸送に必須であり,そのうちPex5とPex7はそれぞれPTS1とPTS2の特異的受容体である(表1図1).Pex5はC末端領域のTPRドメインを介してPTS1タンパク質を認識,結合する一方で,N末端領域にはペルオキシソーム膜上のPex14およびPex13との結合部位であるpentapeptideモチーフ(WxxxF/Y)を複数有している27)図2A).以下に哺乳類におけるPTS1を有するタンパク質(PTS1タンパク質と呼称)のペルオキシソームへの輸送とこれに関与するペルオキシンについて説明する(図1参照).遊離型リボソームで合成されたPTS1タンパク質は,①サイトゾルでPex5と結合,②Pex5とペルオキシソーム膜上のPex14との結合を介してペルオキシソームに標的化,③Pex14とPex13を含む複数の膜局在性ペルオキシンからなる膜透過複合体による膜透過,の過程を経てマトリクスへ移行する.その後Pex5は,④C末端にRINGフィンガーを持つ3種のRINGペルオキシンPex2, Pex10, Pex12で構成されるペルオキシソーム膜上のユビキチン(Ub)リガーゼ複合体により,Pex5のN末端領域に保存されたCys残基がチオエステル結合を介したモノUb化修飾を受け28–30),⑤Cys-Ub化されたPex5がUb結合タンパク質Awp1/ZFAND631)およびAAA-ATPaseであるペルオキシンPex1–Pex6複合体によりATP加水分解依存的にサイトゾルにエクスポートされる32, 33)図1).Pex5は積荷であるPTS1タンパク質と複合体を形成したまま膜透過するが,Pex5がどのようにしてPTS1タンパク質と解離して自身のみがエクスポートされるのかはわかっていない.サイトゾルにエクスポートされたCys-Ub化Pex5は,USP9Xおよびグルタチオンによりそれぞれ酵素的,非酵素的に脱Ub化され,再びPTS1タンパク質の輸送に利用される(総説5, 7, 8, 34)を参照).哺乳動物Pex5にはS型と37アミノ酸の挿入配列を持つL型の二つのアイソフォームが存在し,Pex5LはPTS2受容体であるPex7と結合してPex5L–Pex7–PTS2タンパク質複合体を形成し,Pex14を介してPTS2タンパク質をマトリクスへ輸送する(図127, 35)

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図2 ペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送のモデル図

(A) Pex5L(ヒト:Hs),Pex14(ヒト:Hs),Pex13(酵母S. cerevisiae: Sc)のドメイン構造の模式図.Pex5L分子内のマゼンダはWxxxF/Yモチーフを,青は両親媒性ヘリックスを,緑と水色のboxはそれぞれPex5L特異的な37アミノ酸の挿入とtetratricopeptideリピート(TPR)領域を示す.Pex14内の「P」はリン酸化を受けるセリン232を示す.TM:推定膜貫通領域,CC:coiled-coil, SH3:Src homology-3. Pex13が有するYGリピート領域(オレンジ)は相分離を担う.(B)ペルオキシソームUbリガーゼ複合体の構造と機能のモデル図.Pex2, Pex10, Pex12はペルオキシソーム膜を貫通した直径10.3 Åのopen poreを形成し,サイトゾル側にはRING tower(緑)が位置する.アンフォールド状態のPex5のN末端がマトリクス側から孔に入り,poreの開口部から一部露出したPex5 N末端のCys残基がサイトゾル側開口部に近接するPex2のRINGフィンガー(RF2)によりモノUb化される.その後Cys-Ub化Pex5がPex1–Pex6によりサイトゾルへと引き出される.数字はペルオキシンの番号を示す.(C)ペルオキシソームへのマトリクスタンパク質の膜透過モデル.(i) Pex13多量体のYGリピートによってペルオキシソーム膜内に高密度構造体が形成され,これを通り道としてPex5がPTS1タンパク質をペルオキシソーム内に輸送する(上段).FGリピートに富む核膜孔複合体(nuclear pore complex:NPC)内部を核輸送受容体とともに行き来する核タンパク質の輸送(下段)と類似したモデルである.(ii)ペルオキシソーム膜上に散在したPex14/Pex13がPex5–PTS1タンパク質を捕捉すると,天然変性領域を介して集積,液-液相分離することで膜透過装置が形成され,PTS1タンパク質が輸送される.(i)では膜透過装置においてPex13が優勢かつ安定であるのに対し,(ii)では膜透過装置の形成そのものが動的,という点で異なっている.(B)は文献37, (C)は文献39と42を参考に改変,作製した.

ペルオキシソームへのタンパク質輸送では,基質であるPTS1タンパク質がフォールディングを維持して多量体を形成した状態で膜透過可能である36).この点で,膜透過に基質タンパク質のアンフォールディングが不可欠な小胞体やミトコンドリアへのタンパク質輸送とは大きく異なっている.実際,マトリクスタンパク質輸送に必須なペルオキシン群は,他オルガネラへのタンパク質輸送装置との相同性はみられない.ごく最近,Pex5のエクスポート(上記ステップ④と⑤),およびPex5–PTS1タンパク質のインポートと膜透過(ステップ②と③)に関する複数の報告があり,マトリクスタンパク質のペルオキシソームへの輸送機構の新たな輸送モデルが提唱されている.以下に記す.

Rapoportらは,好熱性真菌Thermothelomyces thermophilus由来のRINGペルオキシンからなるUbリガーゼ複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡観察により明らかにした37)図2B).1分子ずつのPex2, Pex10, Pex12で構成されたUbリガーゼ複合体は,それぞれのサブユニットの5回膜貫通領域が組み合わさってマトリクスからサイトゾルへ貫通した直径10.3 Åの孔(aqueous pore)を形成しており,サイトゾル側には三つのRINGフィンガーからなる“RINGタワー”が位置していた.酵母系を用いたUbリガーゼ複合体への変異導入によるPTS1タンパク質の輸送活性の解析から,実際にこの孔がPex5エクスポート時の通路となっていることが示された.さらに同グループはアフリカツメガエル卵抽出液を用いたin vitro輸送アッセイ系による詳細な解析を行い,Pex5のN末端領域に新規に見いだした短い両親媒性ヘリックスがUbリガーゼ複合体の孔内部と相互作用し,Pex5のCys-Ub化が可能となる配置をとるのに必須であることを示した38).これらの結果から,彼らはこのUbリガーゼ複合体がPex5のretro-translocationチャネルとして機能すると結論づけ,Pex5のN末端がマトリクス側からUbリガーゼ複合体の孔に侵入すると,孔のサイトゾル側開口部に近接したPex2のRINGフィンガーが適正に位置したPex5のN末端のCys残基をモノUb化し,Cys-Ub化されたPex5がPex1–Pex6によりサイトゾルへと引き出される,というモデルを提唱した39)図2B).以前から,Pex5のUb化修飾とAAA-ATPase(Pex1–Pex6複合体)によるサイトゾルへのエクスポート機構は,ミスフォールドした小胞体タンパク質がポリUb化されp97/VCPによりサイトゾルへ放出,分解される小胞体関連分解(endoplasmic reticulum-associated degradation:ERAD)との類似性が議論されていた.ERADにおけるUbリガーゼHrd1とその結合タンパク質であるDer1からなるレトロトランスロコン複合体が“half-channel”型である40)のに対し,ペルオキシソームUbリガーゼ複合体はaqueous poreを有しており,膜透過装置の構造の観点からはSec61/SecYトランスロコンに近く,その進化的由来にも興味が持たれる.

一方,Pex5がどのようにしてPTS1タンパク質とともにフォールディングを維持したままペルオキシソーム内へと膜透過するのか(前述ステップ③),その分子機構は長らく議論されてきた.酵母ペルオキシソーム膜から精製分離したPex14とPex13を主とする膜透過装置複合体を脂質二重膜に再構成した電気生理学的な実験から,Pex5とPTS1タンパク質に依存した“transient pore”の形成を示唆する報告があるが41),これまでペルオキシソームのタンパク質膜透過装置においては他のオルガネラのタンパク質膜透過装置が有するような明確な“孔構造”は観察されていない.

Rapoportら39)およびMichnickら42)は,膜透過装置複合体の構成因子であるPex13のアミノ酸配列中に,配列そのものの保存度は低いもののチロシン(Y)とグリシン(G)に富む領域(YGリピート)が種間で保存されていることに着目し(図2A),核タンパク質輸送との類似性を考えた.核膜孔複合体の内側では,多数の核膜孔タンパク質が有するフェニルアラニン(F)とグリシン(G)に富むFGリピート配列が多価の分子間相互作用を介してメッシュ状のハイドロゲル様構造を形づくり,これが核輸送受容体とその積荷タンパク質のみを選択的に透過させる「分子ふるい」の役割を持つ43)図2C-i,下段).Rapoportらは,酵母Pex13のYGリピートがPex13どうしの高次オリゴマー形成およびPTS1タンパク質輸送に必須であること,精製YGリピートタンパク質がFGリピートと同様のハイドロゲルを形成することを見いだした.さらにPex5–PTS1タンパク質複合体がYGリピートのハイドロゲルにPex13との相互作用依存的に高次構造を維持したまま浸潤できることを明らかにした.これらの結果から,ペルオキシソーム膜上でPex13は内部にYGリピートからなる高密度構造を含む多量体を形成し,Pex5–PTS1タンパク質を選択的に通過させる,という核タンパク質輸送と類似したモデルを提唱した39)図2C-i,上段).

一方Michnickらは,酵母Pex13のYGリピートを天然変性領域(intrinsically disordered region:IDR)と液–液相分離(liquid–liquid phase separation:LLPS)の観点から研究し,Pex13 YGリピートがin vitroで液滴を形成すること,PTS1タンパク質がPex5依存的にPex13 YGリピート液滴に侵入できることを示した.さらに,蛍光相互相関分光法を用いた酵母ペルオキシソーム膜上でのPex13の動態観察の結果を基にして,Pex13/Pex14複合体がサイトゾルからPex5–PTS1タンパク質複合体を捕獲し,これらが天然変性領域を介して一体となり集積することでペルオキシソーム膜上において液–液相分離と膜透過装置が一過的に形成され,PTS1タンパク質が輸送される,というモデルを提唱した42)図2C-ii).前者ではハイドロゲル形成,後者では液–液相分離とPex13 YGリピートの性質の解釈は異なるが,タンパク質の相分離性がペルオキシソームタンパク質の輸送に関与することは確かであろう.なぜPTS1タンパク質がPex5とともにフォールディングを維持したままペルオキシソーム内へと膜透過できるのかを説明可能なモデルであり,今後の研究のさらなる進展が待たれる.また,どちらの報告も酵母ペルオキシソームでの解析であり,Pex13の役割や他ペルオキシンとの相互作用様式が異なる哺乳動物においても同様の輸送機構が保存されているのかは興味深い.

5. 酸化ストレス応答とレドックス制御におけるペルオキシソームの新たな機能

1)ペルオキシソームはカタラーゼの局在変化を介して酸化ストレスと細胞死に対抗する

酸素呼吸等の生命活動に伴い産生される活性酸素種は,生体が持つ抗酸化システムの許容量を超えると酸化ストレスを引き起こし,核酸,タンパク質,脂質などの酸化を介して細胞に毒性を及ぼす.一方で,低濃度の活性酸素種は細胞の運命や機能を調節するシグナル分子として働くことも示されている44).活性酸素種の一種である過酸化水素のほとんどはミトコンドリアで産生されるが,極長鎖脂肪酸のβ酸化の律速酵素であるアシルCoAオキシダーゼや種々の酸化酵素を有するペルオキシソームも過酸化水素の産生の場の一つである45).過酸化水素分解酵素カタラーゼは,哺乳類においてはPex5に依存した輸送により主にペルオキシソーム内に局在している.このようにペルオキシソームは過酸化水素の産生と分解を担うが,細胞レベルでの過酸化水素の恒常性におけるカタラーゼおよびペルオキシソームの役割は不明であった.

カタラーゼ/ペルオキシソームと細胞死の関連性は思いがけない実験結果から示された.我々は,カタラーゼをはじめとするペルオキシソームマトリクスタンパク質の輸送障害性のCHO変異細胞ZP114の原因(相補)遺伝子として,ミトコンドリア外膜タンパク質(ポリン)をコードするVDAC2voltage-dependent anion channel 2)を同定した46).詳細な解析の結果,通常VDAC2を受容体としてミトコンドリアにアンカーされ細胞死促進因子として機能するBAKが,ZP114変異細胞ではVDAC2欠損によりペルオキシソームにも一部局在化し,これがカタラーゼをペルオキシソームからサイトゾルへ放出させることが判明した.サイトゾル局在性のカタラーゼは,過酸化水素処理に対して高い細胞死抵抗性をもたらした.正常細胞でもBAKの一部がペルオキシソームに標的化されていることを踏まえ,広く知られたミトコンドリアでのBAKによる細胞死亢進とは逆に,ペルオキシソーム局在性BAKの活性化は,カタラーゼの放出を介して抗酸化ストレス反応として作用するという新規の細胞死調節機構を明らかにした46, 47)図3A).

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図3 BAKとリン酸化Pex14によるカタラーゼの細胞内局在の制御機構

(A)定常時では細胞死促進因子BAKの大部分はミトコンドリア局在であるが,その一部はペルオキシソームにも局在化している(左).酸化ストレスが起こるとBAKの活性化/多量体化が誘導され,ペルオキシソーム内からサイトゾルへカタラーゼが放出される(右).サイトゾル局在性カタラーゼの増加により酸化ストレス抵抗性が高まる.(B)定常時および細胞周期の間期においては,カタラーゼはPex5とPex14を介してペルオキシソーム内へ輸送される(左).酸化ストレス時および細胞分裂期にはPex14のリン酸化が一過的に誘導され,これが選択的にカタラーゼの輸送を抑制する(右).結果としてサイトゾル局在性カタラーゼが増加することで,細胞の生存率を高め(酸化ストレス時),DNA損傷を軽減する(分裂期).

続いて,我々はカタラーゼのペルオキシソームへの輸送の抑制的制御による酸化ストレス応答機構を見いだした.カタラーゼはヘムを含む四量体タンパク質であり,哺乳動物は一つの遺伝子のみを持つ.哺乳動物カタラーゼはPex5との親和性が低い非典型のPTS1(ヒトでは-KANL)を有しており,典型的PTS1タンパク質と同様にPex5およびPex14を含む膜透過装置を介してペルオキシソームへ輸送される36).我々は動物培養細胞において,過酸化水素等の酸化ストレス依存的にPex14のセリン232が一過的にリン酸化されることを見いだした.Pex14のセリン232のリン酸化は典型的PTS1タンパク質の輸送には影響しないが,カタラーゼのペルオキシソームへの輸送を特異的に抑制し,サイトゾル局在性カタラーゼの増加を介して細胞の酸化ストレス耐性を亢進させることを明らかにした48)図3B).過酸化水素はMAPキナーゼの一つp38によるシグナル伝達経路を介してPex14のリン酸化を制御することも判明してきた(未発表).さらに我々は,Pex14が分裂期の動物培養細胞においてもCdk1によるリン酸化が亢進し,これが分裂期におけるペルオキシソームへのカタラーゼ輸送を減弱させることを見いだした49)図3B).分裂期においては核膜が崩壊し酸化ストレスに対するDNA損傷のリスクが高まるため,サイトゾル局在性カタラーゼ量を増加させて対抗すべく機能する細胞の生存戦略の一つと考えられる.酵母Saccharomyces cerevisiaeがサイトゾル型CTT1とペルオキシソーム局在性CTA1の二つのカタラーゼ遺伝子を持つように50),他の生物種は通常複数のカタラーゼ遺伝子を有しており,ペルオキシソーム局在型カタラーゼに加えて,サイトゾル局在型や他オルガネラ局在型カタラーゼが存在する.哺乳動物では非典型的なPTS1(-KANL)をコードするカタラーゼ遺伝子一つだけが種間で保存されており,細胞の置かれた環境,状況に応じてカタラーゼの細胞内局在を動的に制御するシステムが備わっていると考えられる.実際,酵母S. cerevisiaeのPex14のリン酸化はグリオキシル酸回路の代謝酵素citrate synthase 2のペルオキシソームへの輸送を抑制するが,ペルオキシソーム局在性カタラーゼCta1の局在には影響しないと報告されている51)

さらに,ヒト全遺伝子に対する網羅的な機能阻害スクリーニングにより,過酸化水素による酸化ストレス毒性の制御に関わる遺伝子群を同定したところ,カタラーゼが細胞死に抵抗性を与える因子として同定された.一方で,PEX5, PEX14を含む9種のPTS1タンパク質輸送に必須なPEX遺伝子もそれらの機能阻害により細胞死に抵抗性を示す因子として同定された.すなわち,これらはペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送の欠損により蓄積したサイトゾル局在性カタラーゼに依存した結果を実証している52).この結果は,上記の二つの解析とは独立に細胞の酸化ストレス抵抗性獲得におけるサイトゾル局在性カタラーゼの重要性を示したものである.以上の一連の研究は,リン酸化を介したペルオキシソームタンパク質輸送の制御機構の新規な解明であり,カタラーゼの細胞内局在の調節により酸化ストレスに応答するという細胞の新たな生存戦略を示すものとなった.興味深いことに,多数回継代ヒト線維芽細胞における細胞内活性酸素濃度の上昇とサイトゾル局在性カタラーゼ量の増加53)や,線虫における老化に伴うペルオキシソームタンパク質輸送能の低下54)が報告されており,カタラーゼの細胞内局在制御と老化の進行との関連性も示唆されている.

2)サイトゾル局在化カタラーゼによるレドックス制御

ヒト個体におけるペルオキシソーム形成の障害はZellwegerスペクトラム症候群をはじめとするペルオキシソーム欠損症を発症する4, 5).ペルオキシソーム欠損症患者は発生期に神経細胞遊走障害や小脳形態形成異常などの中枢神経系障害を呈し,重篤な場合は生後1年以内に死亡する4, 55).これまでにさまざまなPEX遺伝子ノックアウトマウスが作製されてきたが56),ペルオキシソーム形成障害がどのようにしてこれらの病態発症を引き起こすのか,その分子機構は不明であった.我々はPex14のC末端領域を欠失したPex14ΔC/ΔCマウスを作製し,小脳の形態形成に関与する因子について詳細に解析したところ,神経栄養因子brain-derived neurotrophic factor(BDNF),およびその不活性型受容体TrkB-T1がPex14ΔC/ΔCマウスで増加していることを見いだした57).TrkB-T1は活性型受容体TrkB-TK+のリン酸化活性に対して阻害的に作用することが知られている.Pex14ΔC/ΔCマウスでは小脳形態形成に必須な活性型BDNF受容体であるTrkB-TK+の自己リン酸化,およびその下流シグナル伝達活性の低下が観察された.以上のことから,BDNF-TrkBを介した細胞シグナル応答の障害がペルオキシソーム形成異常症におけるプルキンエ細胞の未発達など小脳形態異常の主たる原因であることを発見した(図4A).

Journal of Japanese Biochemical Society 95(6): 719-729 (2024)

図4 サイトゾル局在化カタラーゼとレドックス制御

(A)野生型マウスでは,プルキンエ細胞表面にTrkB-TK+が発現しており,BDNFが結合することでホモ二量体を形成する.細胞質側に露出するチロシンキナーゼ(TK)ドメインの自己リン酸化および下流のシグナル伝達系の活性化により樹状突起が発達する(左).Pex14ΔC/ΔCマウスではBDNFおよびTKドメインを欠失した不活性型TrkB-T1の発現量が増大している.TrkB-T1がTrkB-TK+に対してドミナントネガティブに作用し,TKドメインの自己リン酸化が阻害されるため,シグナル伝達系の活性が低下し,プルキンエ細胞の樹状突起の形態形成異常が起きる(右).(B)ペルオキシソーム欠損アストロサイトにおいて,カタラーゼはサイトゾルに安定的に誤局在する.サイトゾル局在性カタラーゼの作用により,還元性グルタチオン(GSH)やNADH, NADPHなどが増加し,サイトゾルの還元性が増大する.これによりBdnf mRNAの発現が増大し,細胞外へのBDNFの分泌が増加することで,神経細胞の軸索分岐増加を導く.図は文献57, 62を改変,作製した.

ペルオキシソームの形成障害による小脳形成異常の一因がBDNF量の増大であることが明らかとなった一方で,ペルオキシソーム形成障害においては極長鎖脂肪酸のβ酸化やエーテルリン脂質プラスマローゲンの生合成をはじめとするペルオキシソームが有する多様な代謝機能が喪失しており,いずれの要因がBDNF量の増大に関与するのかは不明であった.これまでの研究で,ペルオキシソーム欠損変異細胞(S. cerevisiae,動物培養細胞)の細胞内,特にサイトゾルは誤局在したカタラーゼに依存して野生型細胞より還元的であることが示されていた58, 59).我々は最近,サイトゾル局在性カタラーゼと,分子メカニズムは不明であるがそれに伴う細胞内還元性代謝物質であるグルタチオン,NADH, NADPHの上昇が,ペルオキシソーム欠損性変異細胞のサイトゾルのレドックス状態をより還元的とすることを示した60).さらに,ラットアストロサイト由来細胞RCR-1のペルオキシソームを欠損させるとBDNFの分泌が増加し,非接触系で共培養したラット海馬初代培養神経細胞の軸索の分岐を誘導することを見いだした.このペルオキシソーム欠損性RCR-1のBDNF増大は,極長鎖脂肪酸のβ酸化およびプラスマローゲンの生合成の不全ではなく,カタラーゼのサイトゾル局在化に伴う細胞内の還元性増大に起因していた.以上の結果から,Pex14ΔC/ΔCマウスの小脳でのBDNF量の増加は,ペルオキシソーム形成障害によるカタラーゼのサイトゾル誤局在がもたらすサイトゾルの還元性増大に起因することが示唆された(図4B).さらに,タモキシフェン誘導性コンディショナルPex2ノックアウトマウスの解析により,成体マウス海馬におけるペルオキシソームの障害がBDNFシグナリングの異常を介して恐怖刺激記憶の低下をもたらすことも明らかとなった61).カタラーゼの一過的なサイトゾル局在化は酸化ストレスの解消と細胞死抵抗性をもたらすが,恒常的なサイトゾル局在化はサイトゾルの還元性増大を介して“レドックスストレス”を誘発し,細胞に大きな影響を及ぼす,というカタラーゼとペルオキシソームの新たな機能62)の解明と新規研究展開が可能になったといえる.

6. まとめ

ペルオキシソームの生合成およびカタラーゼとペルオキシソームの新たな機能について概説した.特にマトリクスタンパク質輸送に関しては相分離という新たな概念が導入され,タンパク質の膜透過という基本原理に新たな知見が加えられようとしている.Pex13のYGリピートを介した相分離がペルオキシソーム膜のどこで形成されているのか,1回膜貫通型タンパク質であるPex13が相分離時にペルオキシソーム膜上でどのようなトポロジーと高次構造をとっているのか,Pex13のYGリピート構造からどのようにしてPex5がレトロトランスロコンとして機能するUbリガーゼ複合体のaqueous poreにアクセスするのかなど,解決すべき課題は多い.Pex14リン酸化によるカタラーゼ特異的な輸送抑制とPex13の相分離との関連性も興味深い.酵母Pex14/Pex17複合体のクライオ電子顕微鏡観察から,Pex14はペルオキシソーム膜上からサイトゾル側にcoiled-coilからなる棒状構造とそれに続く非構造領域を露出しており37),哺乳動物Pex14でリン酸化を受けるセリン232はcoiled-coilにごく近傍の非構造領域に位置すると推察された(図2A).我々はリン酸化Pex14がより多くPex13と結合することを免疫沈降実験で観察しており48),Pex14のリン酸化がPex13の相分離に影響してカタラーゼの特異的輸送を協調して抑制する可能性が考えられる.

ペルオキシソームの形成障害に由来するヒト病態の研究は,本稿で紹介したノックアウトマウスの解析に加えて,全ゲノムシークエンシング技術の普及によりますます発展している.これまでペルオキシソームの関与が知られていなかったHeimler症候群の原因遺伝子としてPEX1PEX6が同定されたほか63),難聴の患者家系でPEX26の変異が発見される64)など,ペルオキシソームが関与する新たな疾患や病態の報告が蓄積すると思われる.また本稿では紹介できなかったが,他のオルガネラとの協調によるペルオキシソームの機能発現や制御はhot topicの一つである.一例をあげると,ペルオキシソーム欠損症患者由来線維芽細胞ではミトコンドリアの形態や代謝の異常が観察されるが,これはいくつかのPMPがミトコンドリアへと誤局在することが原因であるとわかった.ミトコンドリア外膜のタンパク質品質管理に関与するATAD1の過剰発現でミトコンドリアの異常は改善されたことから,ペルオキシソーム欠損症患者の病態緩和につながることが期待されている65).ペルオキシソームはミトコンドリアなど他のオルガネラに比べて構成タンパク質の種類が少ないことから,生合成や分解,増殖などの基本原理を探究するのに適したモデルオルガネラであり,今後のさらなる研究の進展が期待される.

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著者紹介Author Profile

奥本 寛治(おくもと かんじ)

九州大学大学院理学研究院生物科学部門助教.博士(理学).

略歴

1995年九州大学理学部生物学科卒業.2000年同大学院理学研究院生物科学部門学位取得(理学).日本学術振興会特別研究員(PD)を経て,03年より現職.

研究テーマ

オルガネラの恒常性,動態の制御機構.

ウェブサイト

https://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~funccell/

趣味

テニス,釣り.

阿部 雄一(あべ ゆういち)

崇城大学生物生命学部生物生命学科准教授.博士(理学).

略歴

1979年長野県に生る.2003年九州大学理学部卒業.08年同大学院理学府博士後期課程修了.九州大学理学研究院でのポスドク,同生体防御医学研究所特任助教,同基幹教育院特任助教を経て,22年より現職.

研究テーマと抱負

中枢神経系障害を呈するペルオキシソーム形成異常症の病態発症機構解明.

趣味

自作PC, 登山.

藤木 幸夫(ふじき ゆきお)

九州大学名誉教授,兵庫県立大学特任教授,九州大学-レオロジー機能食品研究所共同プロジェクト研究代表.農学博士.その他については本誌90巻1号(2018),p. 13をご参照ください.

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