Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 95(6): 730-735 (2023)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2023.950730

特集Special Review

ゴルジ体の形と機能ゴルジンタンパク質群による制御A brief review of the golgi apparatus: Its structure and function

岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域Faculty of Interdisciplinary Science and Engineering in Health Systems, Okayama University ◇ 〒700–8530 岡山市北区津島中3–1–1 ◇ Tsushimanaka 3–1–1, Kita-ku, Okayama 700–8530, Japan

発行日:2023年12月25日Published: December 25, 2023
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ゴルジ体は,ゴルジ層板と呼ばれる平坦な袋状の膜構造体,そしてそれらが複数積み重なったゴルジスタックと呼ばれる構造体,さらにそれらが横方向に連結したゴルジリボンと呼ばれる構造体の総称である.この特有な構造は,ゴルジ体の主要な役割である小胞体から届いたタンパク質や脂質の化学修飾,およびそれらの分泌と仕分けを効率的に遂行する上で重要である.長い棒状のタンパク質でありコイルドコイルを有するゴルジンタンパク質群は,さまざまな分子や構造体をゴルジ体に繋留する能力を有し,この過程を通じてゴルジ体の構造や細胞小器官(オルガネラ)としてのアイデンティティの維持に寄与する.このようなゴルジンの中には,真核生物の古代の祖先に存在していたものも含まれており,ゴルジンの進化が現在のゴルジ体の特有な構造に影響した可能性が示唆されている.

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