細胞膜に障害を及ぼすレンサ球菌由来溶血毒素の構造的および機能的な多様性
徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域 ◇ 〒770–8513 徳島県徳島市南常三島町2丁目1番地
発行日:2023年12月25日
ヒト日和見病原性の口腔レンサ球菌には,細胞膜に膜孔を形成する毒素を産生する株が存在する.その毒素の代表分子であるコレステロール依存性細胞溶解毒素(CDC)には構造的および機能的な多様性が確認され,細胞膜コレステロールを受容体とする典型CDCに加えて,ヒトCD59を受容体とする非典型CDCの存在も確認されている.これらCDCの受容体である細胞膜コレステロールやヒトCD59は,細胞膜に形成される脂質ラフト集積性の分子でもあり,ヒトCD59を受容体とするCDCは,細胞膜に対する膜孔形成のみならず,脂質ラフトを足場とした細胞内シグナル伝達にも影響を及ぼしている可能性が示唆される.本稿では,in silicoでの解析結果も含め,細胞膜に障害を及ぼすレンサ球菌由来CDCの構造的および機能的な多様性について紹介する.
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