翻訳品質管理RQCによる衝突リボソーム解消の分子機構と生理機能
東京大学医科学研究所RNA制御学分野 ◇ 〒108–8639 東京都港区白金台4–6–1
発行日:2024年2月25日
翻訳伸長の正確な制御は遺伝子発現に重要で,翻訳停止が起きるとタンパク質の機能に欠陥が生じる.翻訳停止したタンパク質は品質管理機構によって認識され排除される.RQCと呼ばれる機構では,翻訳途中のポリペプチド鎖がユビキチン化され,プロテアソームで迅速に分解される.また,機能欠損したリボソームはNRDという機構により分解される.これらの機構ではE3ユビキチンリガーゼが特異的な翻訳停止状態のリボソームを認識し,特定のリボソームタンパク質をユビキチン化することで,異常翻訳による品質管理を行う.本総説では,タンパク質恒常性維持機構の鍵となるリボソーム動態制御と異常翻訳品質管理の分子機構と生理機能の解明の現状を紹介する.
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