Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(1): 36-44 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960036

総説Review

翻訳品質管理RQCによる衝突リボソーム解消の分子機構と生理機能Ribosome dynamics control and translation quality control mechanismsKey mechanisms to maintain protein homeostasis

東京大学医科学研究所RNA制御学分野Division of RNA and gene regulation, Institute of Medical Science, The University of Tokyo ◇ 〒108–8639 東京都港区白金台4–6–1 ◇ 4–6–1 Shirokanedai, Minato-ku 108–8639, Japan

発行日:2024年2月25日Published: February 25, 2024
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翻訳伸長の正確な制御は遺伝子発現に重要で,翻訳停止が起きるとタンパク質の機能に欠陥が生じる.翻訳停止したタンパク質は品質管理機構によって認識され排除される.RQCと呼ばれる機構では,翻訳途中のポリペプチド鎖がユビキチン化され,プロテアソームで迅速に分解される.また,機能欠損したリボソームはNRDという機構により分解される.これらの機構ではE3ユビキチンリガーゼが特異的な翻訳停止状態のリボソームを認識し,特定のリボソームタンパク質をユビキチン化することで,異常翻訳による品質管理を行う.本総説では,タンパク質恒常性維持機構の鍵となるリボソーム動態制御と異常翻訳品質管理の分子機構と生理機能の解明の現状を紹介する.

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