Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(1): 106-112 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960106

テクニカルノートTechnical Note

高純度キャップ化mRNAの調製を可能とするPureCap法の開発Development of PureCap method for preparation of capped mRNA in high purity

名古屋大学大学院理学研究科理学専攻生物有機化学研究室Bio-Organic Chemistry Lab, Graduate School of Science, Nagoya University ◇ 〒464–8602 愛知県名古屋市千種区不老町 ◇ Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, Aichi 464–8602, Japan

発行日:2024年2月25日Published: February 25, 2024
HTMLPDFEPUB3

1. はじめに

メッセンジャーRNA(mRNA)はタンパク質合成の鋳型であり,生体内に投与することで目的のタンパク質を発現させることが可能である.したがって,タンパク質補充療法に替わる次世代の医薬品として注目されている.mRNA医薬は対象物の配列情報が特定できれば即座に合成・臨床試験を行うことができ,核に輸送する必要がないためゲノムへの挿入変異リスクがないという点で優れており,さまざまな疾患に対するmRNA医薬の開発が期待されている.

一方,現在用いられているCOVID-19に対するmRNAワクチンの純度はファイザー社やビオンテック社製で55~78%であると報告されており1),含まれる不純物による副作用が懸念されている.この原因として,mRNAにおいて重要な構造である5′キャップ構造の導入効率が低いことがあげられる.

2. 5′キャップ構造

5′キャップ構造とは真核生物のmRNAにおいて,N7-メチルグアノシン(m7G)が5′三リン酸結合を介してmRNAの5′末端に結合した構造である(図1a).5′キャップ構造はキャップ結合タンパク質と複合体を形成し,核膜孔複合体に認識されることで核外へ輸送される2).また,5′キャップ構造がキャップ結合タンパク質と結合し,5′末端を保護することで,核酸分解酵素(5′→3′エキソヌクレアーゼ)による分解を抑制しmRNAの安定性を向上させることも知られている3).細胞質においては5′キャップ構造が翻訳開始因子(eukaryotic initiation factor 4E:eIF4E)と複合体を形成することで翻訳が促進される4).加えて5′末端に最も近いイントロンのスプライシングを促進する.これらの機能から5′キャップ構造はタンパク質の生産効率に関与すると考えられ,mRNAを医薬品として応用する上で5′キャップ構造の構築が重要である.

Journal of Japanese Biochemical Society 96(1): 106-112 (2024)

図1 キャップ構造およびPureCap法の概要7)

(a)真核mRNAのキャップ構造.(b)PureCap法の概略図.PureCapアナログを用いると逆相HPLCで二つのピークが観測される.キャップ化mRNA誘導体の単離後に光照射することでキャップ化mRNAを単一のピークで得ることができる.

3. 従来の5′キャップ構造導入法

in vitroで5′キャップ構造を導入する方法の一つとして,転写と同時にキャップ構造を導入する共転写法が広く用いられている.これは一般的なT7 RNAポリメラーゼによる転写反応がグアノシンから開始される特徴を利用した方法で,転写反応の際にキャップアナログ(m7GpppG)を添加しておくことでキャップ化mRNAを得ることができる.しかしキャップアナログにはm7G側にも3′位水酸基が存在するため,m7G側からも伸長してしまう.この逆伸長産物は正常なキャップ構造を持たないため翻訳促進効果が得られない.これを防ぐため,m7Gの3′位水酸基をメチル基で保護したAnti-Reverse Cap Analog(ARCA)が一般に用いられている5, 6)

ARCAを用いた共転写法の問題点として,5′キャップ構造を持たない5′末端三リン酸体も同時に得られてしまう点があげられる.これは反応系中において,ARCAと競合してポリメラーゼに取り込まれるグアノシン5′-三リン酸(GTP)からも伸長が起こるためである.5′末端が三リン酸のmRNAはウイルス由来mRNAに多く存在している構造であるため,真核生物はこれを外来RNAとして認識し免疫応答を引き起こす.これは5′末端が三リン酸のmRNAがRIG-I(retinoic acid-inducible gene I protein)と結合してサイトカインの生産を誘導するためであり,mRNAの分解や翻訳の停止につながる3, 4).したがって5′末端が三リン酸のmRNAを取り除く必要がある.しかし長鎖mRNAにおける1塩基の差では物性の差がほとんどないため,ゲル電気泳動や逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)による分離は困難である.

4. PureCap法7)

高純度なキャップ化mRNAを合成するため,我々はPureCap法を開発した.疎水性タグとしてo-ニトロベンジル(Nb)基を導入したキャップアナログ誘導体(PureCapアナログ)を用いて共転写することで,疎水性タグを有するキャップ化mRNA誘導体が生成する.Nb基の疎水性によって,キャップ化mRNA誘導体と未キャップ化mRNAの疎水性の差が大きくなり,逆相HPLCを用いた分離精製が可能である.また,Nb基は光照射によって除去することができるため,キャップ化mRNA誘導体を単離後に光照射することで目的のキャップ化mRNAを高純度で得ることができる(図1b).

5. さまざまなジヌクレオチドPureCapアナログ

我々は4種類のジヌクレオチドPureCapアナログ(DiPure)を設計・合成した.疎水性タグの構造におけるtert-ブチル(tBu)基は疎水性と化学的安定性を高める役割を持つ8).4種類のうち3種類のDiPure(図2a, 13)は2′または3′位水酸基に疎水性タグまたはメチル基を有しており,m7G側からの鎖伸長を阻害し,キャップ構造の導入後に光照射することでO-メチル(OMe)修飾の有無と位置が異なる3種類のキャップ化mRNAを調製することができる.これにより,従来は不可能であった異なるOMe修飾を持つキャップ構造の翻訳活性の比較が可能となった.残りの1種類(4)は塩基部N2位に疎水性タグが導入されている.続いて我々は,T7プロモーターを含み,NanoLuc®ルシフェラーゼ(Nluc)をコードする676塩基対の二本鎖DNAを鋳型とし,T7 RNAポリメラーゼを用いて650塩基のmRNAを転写合成した.転写産物を逆相HPLCで解析したところ,ARCAを用いた場合は16.4分に単一のピークが観測され,DiPure(1)を用いた場合は16.4分のピークに加えて18.5分のピークが観測された(図2b).これはNb基によってキャップ化mRNAの疎水性が向上したためである.さらに18.5分のピークを回収し,365 nmの紫外光を照射すると疎水性Nb基の脱保護により溶出時間は16.4分に変化した.さらに逆相HPLCで精製したmRNAをDNAzyme 10-239)で5′末端から23塩基を切断し,変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(dPAGE)にて解析したところ,ARCAを用いて調製したmRNAのキャップ化率が57%であったのに対して,DiPureを用いて調製したmRNAのキャップ化率は99%以上であった.これらの結果から,PureCap法を用いることで高純度なキャップ化mRNAを調製できることが示された.

Journal of Japanese Biochemical Society 96(1): 106-112 (2024)

図2 PureCapアナログの構造および逆相HPLCによる精製7)

(a)合成されたジヌクレオチドPureCapアナログ.(b)逆相HPLCを用いた解析結果.ARCAを用いるとCrudeにおいてピークの分離は観測されない.DiPureを用いるとCrudeにおいてピークの分離が観測され,キャップ化mRNAを単離することに成功した.さらに光照射することでピークシフトが観測され,疎水性タグの除去が確認された.

6. Cap1, Cap2構造の構築を可能とするPureCapアナログ

前節で述べたDiPureを用いて調製されるmRNAはCap-0構造を有する.しかし,いくつかの哺乳細胞ではCap-0構造と比較してCap-1構造を持つmRNAの翻訳活性が高いことが報告されている10).さらにCap-2構造はCap-1構造と比較して,自然免疫受容体であるRIG-1に対するmRNAの親和性を劇的に低下させ,mRNAの安定性と翻訳活性を適度に増加させる.DiPureを用いてCap-1構造およびCap-2構造を有するmRNAを調製することはできないため,我々はトリヌクレオチドPureCapアナログ(TriPure)およびテトラヌクレオチドPureCapアナログ(TetraPure)を合成した(図3a).続いて,翻訳活性におけるCap-0, Cap-1, Cap-2構造の影響を調べるためTriPureおよびTetraPureを用いて650塩基のmRNAを調製した.予備実験の結果からType IIIφ6.5プロモーターを用いるとキャップ化mRNAの生成量が増加したため,Type IIIφ6.5プロモーターを用いた.逆相HPLCにおいてPureCapアナログによって調製されたキャップ化mRNAは未キャップ化mRNAと異なる溶出時間を示し,キャップ化mRNAを単離することに成功した.PureCapアナログの組込み効率は,TriPureが54~68%であるのに対し,TetraPureは21~25%であった.TetraPureの組込み効率が低いのは,その立体的なかさ高さが鋳型DNAやポリメラーゼとの間に形成される開始複合体を不安定化させているためだと推測される.さらにDNAzyme 10-23で5′末端から23塩基を切断し,dPAGEにて解析したところ,TriPureおよびTetraPureを用いたキャップ化mRNAは未キャップ化mRNAをほとんど含んでおらず,高純度なCap-1およびCap-2構造を有するキャップ化mRNAの調製に成功したことが示された.

Journal of Japanese Biochemical Society 96(1): 106-112 (2024)

図3 Cap-1, Cap-2構造の構築を可能とするキャップアナログおよび哺乳細胞におけるNluc mRNAの翻訳活性7)

(a)TriPureおよびTetraPureの構造とトリヌクレオチドおよびテトラヌクレオチドキャップアナログの構造.(b)DiPureとDiPure/N2の光照射前後の翻訳活性.(c)キャップ化効率による翻訳活性の比較.(d)Cap-1およびCap-2構造を有するmRNAの翻訳活性の比較.(b~d)における○は各サンプルの実測値を示す.データは平均値±標準誤差で示した(n=4).(b~d)では1元配置分散分析後にTukey検定を,(d)ではDunnett検定を行い,統計的有意差を以下のように示した.ns: p>0.05 (not significant), *: p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001, ****: p<0.0001.

7. mRNAの免疫原性の評価

外部から導入されたRNAはToll様受容体3(TLR3),TLR7, TLR8, RIG-Iなどのパターン認識受容体によって認識され,宿主細胞の免疫反応を引き起こす11).調製されたmRNAにキャップされていない5′ppp-RNAやdsRNAといった不純物が含まれていると,抗ウイルス感染に対する防御機構が活性化される11, 12).それらがRIG-1によって感知されると,細胞型免疫応答が起こり,プロテインキナーゼRが活性化され,細胞内翻訳が阻害される.5′ppp-RNAは抗ウイルスタンパク質であるinterferon-induced protein with tetratricopeptide repeats 1(IFIT1)とIFIT5によっても認識される13).したがって,キャップされたmRNAを調製する際には,できるだけ未キャップ化mRNAを除去することが不可欠である.我々はPureCap法によって得られた高純度キャップ化mRNAの免疫原性をNF-κBレポーター(Luc)-HEK293細胞株14)を用いて評価した.PureCapアナログで調製したmRNAによるルシフェラーゼの発現レベルは,モックトランスフェクションサンプル(RNAなし)とほぼ同程度であった(図3b).一方,コントロールのキャップアナログを用いてmRNAを調製し,ARCAまたはTri_1をトランスフェクションした場合,モックトランスフェクションサンプルと比較して2.7倍および2.2倍のルシフェラーゼ発現が観察された.この発現は,Antarcticホスファターゼを用いてmRNAを脱リン酸化すると減少したことから,これらの免疫原性は主に5′ppp-RNAに起因することが示された.これらの実験は,未キャップ化mRNAから5′ppp-RNAを除去することが,調製したmRNAの免疫原性を低下させる効果があることを示しており,逆相HPLC精製によって5′ppp-RNAとdsRNAの両方の不純物を除去できるPureCap法の有効性が示された.

8. 翻訳活性評価

PureCap法によって調製されたキャップ化mRNA(Nluc)の翻訳活性を評価した.

1)疎水性タグ導入位置による翻訳活性への影響

DiPure/2′とDiPure/N2を用いてmRNAを調製し,疎水性タグの導入位置が翻訳に与える影響を調べた(図3b).キャップ化mRNAを逆相HPLCで単離し,光照射前後のサンプルをそれぞれHeLa細胞に導入した.その結果,N2位に疎水性タグが導入されたmRNAは翻訳が有意に抑制され,疎水性タグ除去後の活性のわずか1.6%であった15).一方,DiPure/2′で調製されたmRNAは光照射前後でほぼ同程度の翻訳活性を示し,2′-水酸基へのNb基の導入は翻訳活性を損なわないことが示された.

2)キャップ化効率が翻訳活性に与える影響

mRNAのキャップ化率が翻訳に与える影響を調べるため,DiPure/2′を用いてmRNAを調製し,2通りの処理を行った.一方は逆相HPLCによる精製後に光照射することで99%以上のキャップ化率を有していた.もう一方は逆相HPLCによる精製前に光照射することで疎水性タグを除去したため,逆相HPLCではキャップ化mRNAを単離できず混合物であり,57%のキャップ化率を有していた.これらのキャップ化率の異なるmRNAをHeLa細胞へ導入した結果,混合物のmRNA(後者)は高純度mRNA(前者)の約60%の翻訳効率を示した(図3c).さらに,非免疫細胞であるHeLa細胞,および免疫細胞であるマウス未熟樹状細胞由来JAWS II細胞にNluc mRNAを導入した.HeLa細胞において,DiPure/2′で調製したmRNAはARCAで調製したmRNAよりも2~3倍高い翻訳活性を示した.また,ARCAによって調製されたmRNAの未キャップ化mRNAを脱リン酸化しても,翻訳活性はほとんど変化しなかった.JAWS II細胞においても同様の結果が確認され,DiPure/2′を用いて調製されたキャップ化mRNAはARCAを用いて調製されたmRNAよりも約3倍高い活性を示した.これら両者の翻訳活性の違いは,キャッピング効率の違いに起因すると考えられる.以上の結果から,PureCapアナログを用いて高純度にキャップ化されたmRNAを調製することが,mRNAの翻訳活性の向上に寄与することが示された.

3)Cap-1およびCap-2構造が翻訳活性に与える影響

HeLa細胞とJAWS II細胞を用いて,Cap-0, Cap-1, Cap-2キャップ構造を持つNluc mRNAの翻訳活性を比較した(図3d).これらの実験では,HeLa細胞でもJAWS II細胞でも,Cap-0とCap-1構造を持つキャップ化mRNAの間に明らかな翻訳活性の差はみられなかった.一方,TetraPure_2およびTetraPure_2/m6Aを用いて導入したCap-2構造を有するmRNAの翻訳活性は,Cap-1およびCap-0構造を有するmRNAよりも高かった.Cap-2構造を有するmRNAの翻訳活性の向上は,HeLa細胞よりもJAWS II細胞で顕著であり,Tri-1キャップアナログで調製したCap-1構造を有するmRNAよりも最大で4.2倍活性が高かった.

4)in vivoにおける翻訳活性の評価

マウスを用いた動物実験においてCap-2構造がCap-1構造に比べ,そのmRNAの翻訳活性を増加させるかどうかを調べた.in vivoイメージングにおける,肝臓と脾臓のホモジネートからのNluc定量では,Cap-2構造を有するmRNAはCap-1構造を有するmRNAと比較して,約3倍高い翻訳活性を示した.この結果から,動物におけるタンパク質発現効率を高める上でCap-2構造が有利であることが示された.

9. PureCap法を用いた長鎖mRNAの調製および精製

調製するmRNAが長鎖になるほど逆相HPLCでの分離度は低下する.そこで疎水性タグの構造を元のtBuから,より疎水性の高いフェニルエチル,n-ヘキシル,n-ウンデシルに変えた.我々はSARS-CoV2のスパイクタンパク質をコードする4247塩基のmRNAをターゲットとして選択し,キャップアナログの疎水性を高めることでキャップ化mRNAの分離を改善できるかどうかを調べた.最も疎水性の高いn-ウンデシル基を導入したPureCapアナログは,反応溶液中で沈殿を形成してしまい転写産物はほとんど得られなかった.一方でフェニルエチル,n-ヘキシルを導入したPureCapアナログを用いて長鎖mRNAの合成および逆相HPLCでの分離に成功した.さらにDNAzyme 10-23を用いて5′末端分析をした結果,tBu,フェニルエチル,n-ヘキシルでそれぞれ95%,98%,90%のキャップ化率が確認され,PureCap法を用いた高純度長鎖mRNAの調製に成功した.

10. まとめ

我々は疎水性タグを導入したPureCapアナログを用いて高純度キャップ化mRNAを調製することに成功した.このPureCap法ではmRNAの精製に逆相HPLCを用いるだけでよく,酵素処理を用いる必要がない.さらに4247塩基の長鎖mRNAにも適用することができた.TetraPureCapアナログを用いることでCap-2構造を導入することも可能であり,培養細胞や動物において高い翻訳活性を示すことが示された.Cap-2構造を有するmRNAはmRNA医薬の標的となりやすい肝臓や脾臓においてタンパク質翻訳効率を向上させたため,今後のmRNA医薬において有用なmRNAを提供することが期待される.

引用文献References

1) Tinari, S. (2021) The EMA covid-19 data leak, and what it tells us about mRNA instability. BMJ, 372, n627.

2) Izaurralde, E., Lewis, J., Gamberi, C., Jarmolowski, A., McGuigan, C., & Mattaj, I.W. (1995) A cap-binding protein complex mediating U snRNA export. Nature, 376, 709–712.

3) Wang, Z., Jiao, X., Carr-Schmid, A., & Kiledjian, M. (2002) The hDcp2 protein is a mammalian mRNA decapping enzyme. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99, 12663–12668.

4) Sahin, U., Karikó, K., & Türeci, Ö. (2014) mRNA-based therapeutics-developing a new class of drugs. Nat. Rev. Drug Discov., 10, 759–780.

5) Muttach, F., Muthmann, N., & Rentmeister, A. (2017) Synthetic mRNA capping. Beilstein J. Org. Chem., 13, 2819–2832.

6) Grudzien-Nogalska, E., Stepinski, J., Jemielity, J., Zuberek, J., Stolarski, R., Rhoads, R.E., & Darzynkiewicz, E. (2007) Synthesis of anti-reverse cap analogs (ARCAs) and their applications in mRNA translation and stability. Methods Enzymol., 431, 203–227.

7) Inagaki, M., Abe, N., Li, Z., Nakashima, Y., Acharyya, S., Ogawa, K., Kawaguchi, D., Hiraoka, H., Banno, A., Meng, Z., et al. (2023) Cap analogs with a hydrophobic photocleavable tag enable facile purification of fully capped mRNA with various cap structures. Nat. Commun., 14, 2657.

8) Litosh, V.A., Wu, W., Stupi, B.P., Wang, J., Morris, S.E., Hersh, M.N., & Metzker, M.L. (2011) Improved nucleotide selectivity and termination of 3′-OH unblocked reversible terminators by molecular tuning of 2-nitrobenzyl alkylated HOMedU triphosphates. Nucleic Acids Res., 39, e39.

9) Santoro, S.W. & Joyce, G.F. (1997) A general purpose RNA-cleaving DNA enzyme. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 4262–4266.

10) Sikorski, P.J., Warminski, M., Kubacka, D., Ratajczak, T., Nowis, D., Kowalska, J., & Jemielity, J. (2020) The identity and methylation status of the first transcribed nucleotide in eukaryotic mRNA 5′ cap modulates protein expression in living cells. Nucleic Acids Res., 48, 1607–1626.

11) Mann, C.D.C. & Hornung, V. (2021). Eur. J. Immunol., 51, 1897.

12) Thompson, M.G., Sacco, M.T., & Horner, S.M. (2021) How RNA modifications regulate the antiviral response. Immunol. Rev., 304, 169–180.

13) Diamond, M.S. & Farzan, M. (2013) The broad-spectrum antiviral functions of IFIT and IFITM proteins. Nat. Rev. Immunol., 13, 46–57.

14) van Dülmen, M., Muthmann, N., & Rentmeister, A. (2021) Chemo-Enzymatic Modification of the 5′ Cap Maintains Translation and Increases Immunogenic Properties of mRNA. Angew. Chem. Int. Ed., 60, 13280–13286.

15) Klöcker, N., Weissenboeck, F.P., van Dülmen, M., Špaček, P., Hüwel, S., & Rentmeister, A. (2022) Photocaged 5′ cap analogues for optical control of mRNA translation in cells. Nat. Chem., 14, 905–913.

著者紹介Author Profile

石田 竜真(いしだ たつま)

名古屋大学大学院理学研究科生物有機化学研究室 修士1年.学士.

略歴

2000年静岡県に生る.23年名古屋大学理学部化学科卒業.同年名古屋大学大学院理学研究科入学.

研究テーマと抱負

PureCapアナログの合成およびPureCap法を用いた光によるmRNAの翻訳活性の制御.所属する生物有機化学研究室で有機化学合成のスキルやmRNAの知識を身につけ,mRNA医薬に貢献できる研究者を目指す.

趣味

テニス,ゲーム.

阿部 洋(あべ ひろし)

名古屋大学大学院理学研究科生物有機化学研究室 教授.博士(薬学).

略歴

1972年北海道に生る.2001年北海道大学薬学研究科博士後期課程修了.13年北海道大学大学院薬学研究院准教授.15年より現職.21年より糖鎖生命コア研究所PI(兼任).

研究テーマと抱負

生物化学を基盤としてmRNA医薬を発展・普及させるための新規修飾デザインや新規骨格を考案し,創薬研究に取り組んでいる.また,ベンチャー企業立ち上げの中心となり,mRNA医薬の創製を目指す.

ウェブサイト

http://biochemistry.chem.nagoya-u.ac.jp

趣味

水泳,読書.

This page was created on 2024-01-18T17:41:33.867+09:00
This page was last modified on 2024-02-16T09:15:59.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。