Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(2): 133-142 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960133

特集Special Review

グリコサミノグリカン鎖の硫酸化修飾の制御機構とその異常による疾患発症機構Sulfation status of chondroitin sulfate glycosaminoglycan chains: Functional correlations between their fine-tuning mechanisms and pathological manifestations

神戸薬科大学薬学部生化学研究室Laboratory of Biochemistry, Kobe Pharmaceutical University ◇ 〒658–8558 兵庫県神戸市東灘区本山北町4–19–1 ◇ 4–19–1 Motoyamakita, Higashinada, Kobe, Hyogo 658–8558, Japan

発行日:2024年4月25日Published: April 25, 2024
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ムコ多糖とも称されるグリコサミノグリカン多糖は,細胞外マトリックスの普遍的構成成分であり,数多くの硫酸基とカルボキシ基を持つため,高い水分保持活性を備えた組織の構造支持体として捉えられてきた.一方,硫酸基の空間配置によって生み出されるグリコサミノグリカン鎖の構造多様性は,さまざまな生理活性タンパク質とのコンタクトを可能にする分子基盤でもある.実際,近年の研究から,グリコサミノグリカン鎖が,増殖,分化・運命決定といった細胞機能全般を積極的に支える細胞外シグナル分子であることが広く認知されるようになってきた.本稿では,グリコサミノグリカン多糖の代表格であるコンドロイチン硫酸鎖の硫酸化制御機構に関する最近の知見を交え,コンドロイチン硫酸鎖の硫酸化修飾の意義と疾患発症との関連について概説する.

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