糖鎖の深層理解のための分析技術~糖鎖の定量解析技術が果たす役割~
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発行日:2024年4月25日
ヒトのゲノム解読後,タンパク質や脂質に無限の多様性を与える糖鎖の情報を読み取ろうと,さまざまな糖鎖解析技術が開発されてきた.レクチンアレイやオービトラップ型質量分析装置の登場は,糖鎖研究のメインストリームとして活用され,プロテオミクスとの境界領域に踏み込んだ研究をも加速化させた.一方,既存の技術は時間平均的な糖鎖構造をながめているにすぎない場合が多く,必ずしも糖鎖特有のダイナミクスを把握できているとはいえない.糖鎖研究には,現状の解析技術をもってしてもカバーできていない領域が残されていると予想される.本稿では,これら糖鎖の未知領域に踏み込むための定量的糖鎖解析法として,マイクロチップ電気泳動による高スループット化技術や硫酸化/リン酸化などの糖鎖の二次修飾解析のための技術について紹介する.
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