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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 96(4): 438-447 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960438

特集

哺乳類におけるセラミドの多様性と合成・分解の分子機構

北海道大学大学院薬学研究院 ◇ 〒060–0812 札幌市北区北12条西6丁目

発行日:2024年8月25日
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哺乳類のセラミドはスフィンゴシンと非水酸化脂肪酸の組合わせを基本としながらも,組織によっては独自の長鎖塩基・脂肪酸組成を持つため,個体全体としてみれば多様性に富む.近年,これらの多様なセラミドの産生の分子機構のほとんどが明らかとなってきた.各セラミドクラスには独自の分解経路が存在し,長鎖塩基は汎用性の高いアシルCoAへと変換される.その中でもフィトスフィンゴシンは脂肪酸α酸化と呼ばれる変わった代謝経路によって奇数鎖アシルCoAへと変換される.本稿では哺乳類セラミドの構造多様性,組織ごとのセラミド組成の違い,多様なセラミドを生み出す分子機構,各セラミドクラスの分解経路について解説する.さらに,セラミド関連遺伝子の変異によって引き起こされる遺伝性疾患やノックアウトマウスの解析から明らかとなった各セラミドクラスの病理的・生理的役割についての最新の知見も紹介する.

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