セラミド構造の多様性によるスフィンゴ糖脂質の機能制御
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発行日:2024年8月25日
スフィンゴ糖脂質には,糖鎖構造の違いに加えてセラミド構造の違いによる多様性により非常に多くの分子種が存在する.シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質であるガングリオシドは,上皮成長因子(EGF)やインスリン,レプチンなどの受容体とのシス相互作用により,それらのシグナルを制御している.一方で近年,ガングリオシドGM3のセラミド構造の違いに基づく多様な分子種が,Toll-like receptor 4(TLR4)の内因性リガンドとして自然免疫応答を正負両方向に制御すること,さらに,中性糖脂質のグロボシドや硫酸化糖脂質スルファチドもTLR4の活性化調節に関わることが見いだされている.ここでは,セラミド構造の多様性に基づくスフィンゴ糖脂質によるTLR4の機能制御について,最近の知見を交えながら概説する.
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