セラミドによる皮膚バリア形成
1 北海道大学大学院薬学研究院生化学研究室 ◇ 〒060–0812 北海道札幌市北区北12条西6丁目
2 順天堂大学薬学部(2024年4月より) ◇ 〒279–0013 千葉県浦安市日の出6–8–1
発行日:2024年8月25日
セラミドは化粧品などに含まれることから,日常でも見聞きする機会が増え,皮膚によい働きがあるという認識が広まってきた.しかし,セラミドが皮膚においてどのような働きがあり,どのような種類が存在するのかはあまり知られていない.一般的な組織・細胞にもセラミドは生体膜成分の複合スフィンゴ脂質の疎水骨格部分として存在するが,多くて数クラス/数十分子種である.一方,ヒトの皮膚角質層には23クラスと1500を超える分子種からなる多様なセラミドが存在し,透過性バリア(皮膚バリア)の形成に働いている.その中でも特に特殊なセラミドであるアシルセラミドと結合型セラミドは皮膚バリア形成に重要である.本稿では皮膚角質層のセラミドの多様性,アシルセラミドと結合型セラミドの産生の分子機構,セラミド組成変化と皮膚疾患との関連などについて最新の知見を紹介する.
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