Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(4): 457-465 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960457

特集Special Review

セラミドによる皮膚バリア形成Skin barrier formation by ceramides

1北海道大学大学院薬学研究院生化学研究室Laboratory of Biochemistry, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Hokkaido University ◇ 〒060–0812 北海道札幌市北区北12条西6丁目 ◇ Kita 12-jo, Nishi 6-chome, Kita-ku, Sapporo 060–0812, Japan

2順天堂大学薬学部(2024年4月より)Faculty of Pharmacy, Juntendo University ◇ 〒279–0013 千葉県浦安市日の出6–8–1 ◇ 6–8–1, Hinode, Urayasu, Chiba 279–0013, Japan

発行日:2024年8月25日Published: August 25, 2024
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セラミドは化粧品などに含まれることから,日常でも見聞きする機会が増え,皮膚によい働きがあるという認識が広まってきた.しかし,セラミドが皮膚においてどのような働きがあり,どのような種類が存在するのかはあまり知られていない.一般的な組織・細胞にもセラミドは生体膜成分の複合スフィンゴ脂質の疎水骨格部分として存在するが,多くて数クラス/数十分子種である.一方,ヒトの皮膚角質層には23クラスと1500を超える分子種からなる多様なセラミドが存在し,透過性バリア(皮膚バリア)の形成に働いている.その中でも特に特殊なセラミドであるアシルセラミドと結合型セラミドは皮膚バリア形成に重要である.本稿では皮膚角質層のセラミドの多様性,アシルセラミドと結合型セラミドの産生の分子機構,セラミド組成変化と皮膚疾患との関連などについて最新の知見を紹介する.

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