セラミドによる細胞外小胞の産生と生体機能発現
北海道大学大学院先端生命科学研究院/産学・地域協働推進機構 ◇ 〒001–0021 北海道札幌市北区北21条西11丁目
発行日:2024年8月25日
細胞間で分子を運搬する役割を持つ細胞外小胞(extracellular vesicle:EV)は,さまざまな生理的な現象や疾患に影響を与えていることがわかっている.これらのEV, 特にエクソソームやマイクロベシクルには,セラミドやスフィンゴミエリンといった複合スフィンゴ脂質が多く含まれている.またこれらの脂質は,形質膜からマイクロベシクルが形成される過程や,エクソソーム放出につながるエンドソームから多胞体(multivesicular body:MVB)が形成される過程,核膜からMVBが形成される過程など,EVの生成において多様な影響を与えている.さらに,これらのスフィンゴ脂質は,アルツハイマー病やリソソーム病,単球系細胞の機能に関与するEVの重要な機能成分としても認識されている.本稿では,EV生物学におけるスフィンゴ脂質の重要な役割について解説する.
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