真核微生物におけるセラミドと環境適応との連関性
岐阜大学応用生物科学部 ◇ 〒501–1193 岐阜県岐阜市柳戸1–1
発行日:2024年8月25日
真核微生物において,セラミドおよび複合スフィンゴ脂質は,正常な生育に必須な脂質である.出芽酵母はスフィンゴ脂質の生合成遺伝子の解明において多大な貢献をしてきた微生物である.また,複合スフィンゴ脂質の構造多様性が哺乳動物と比べて比較的シンプルなため,構造と生理機能の相関についても詳しく研究されている.筆者らはこれまでに,出芽酵母において複合スフィンゴ脂質の構造多様性の存在が,形質膜や細胞壁といった細胞表面の環境のインテグリティを維持することで,多面的な環境ストレスに対する耐性能獲得につながることを示した.また,複合スフィンゴ脂質の生合成の異常によって発動する救済機構に関しても新たな知見を見いだしている.本稿では,これらについて最近の知見を含めて概説する.
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