植物におけるセラミドの代謝と機能
埼玉大学大学院理工学研究科 ◇ 〒338–8570 埼玉県さいたま市桜区下大久保255
発行日:2024年8月25日
固着性の独立栄養生物である植物は,動物や菌類とは異なる生存戦略を発達させている.真核生物に普遍的な生体膜要素であるスフィンゴ脂質に目を向けても,植物では他の生物にみられないユニークな構造が随所にみられ,それらに裏打ちされた独自の分子機能が進化してきたことがうかがい知れる.このような植物セラミドの固有構造が果たす生物学的機能を理解することは,植物という生き物の生き方の本質に迫ることにとどまらず,植物を栄養や生理活性物質の供給源として利用する我々人類にも有益な情報を与えてくれる.本稿では,植物に特徴的なスフィンゴ脂質のセラミド骨格および親水部の代謝系と機能について,進化的な視点を織り交ぜながら,最近の知見や研究動向を紹介したい.
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