認知症モデル作製における革新的研究:我々の研究航路
1 University College London Dementia Research Institute ◇ UCL Cruciform Building, Gower Street, London, WC1E6BT, U.K.
2 理化学研究所脳神経科学センター ◇ 〒351–0198 埼玉県和光市広沢2–1
発行日:2024年8月25日
アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の病態形成過程に,アミロイドβペプチド(Aβ)蓄積とタウ沈着が関与することが遺伝学的・病理学的解析によって明らかにされてから,多くの研究者がそれら病理学的特徴を再現するモデルマウスの作製を試みた.既存のモデルは,病原性変異を導入したアミロイド前駆体,またはタウ遺伝子を過剰発現することで作製されてきたが,さまざまなアーティファクトの存在が示唆されている.本稿では,これまで我々が取り組んできた,次世代型認知症モデルマウスの作製について解説する.この研究を通して,神経変性疾患研究におけるモデル動物の“あり方”を考察し,どのように創薬研究に応用するべきかについて議論する.本稿では綿村直人が加わるまでの西道研究室における研究活動とその後,今後の展開,結語の四部に分けて研究成果を解説し,今後の指針を展望したい.
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