Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(5): 629-643 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960629

総説Review

酵母におけるアミノ酸の代謝調節機構・生理機能の解析および発酵・醸造への応用Analysis of metabolic regulation mechanisms and physiological functions of amino acids in yeast and their application to fermentation and brewing

奈良先端科学技術大学院大学研究推進機構Institute for Research Initiatives, Nara Institute of Science and Technology ◇ 〒630–0192 奈良県生駒市高山町8916–5 ◇ 8916–5 Takayama, Ikoma, Nara 630–0192, Japan

発行日:2024年10月25日Published: October 25, 2024
HTMLPDFEPUB3

アミノ酸は生体内のタンパク質の構成要素であり,栄養素やエネルギー源,呈味成分としてだけでなく,細胞内や血漿中に遊離の状態で存在し,多彩な生理機能を担っている.近年,その生理機能が注目され,アミノ酸の添加によって機能性を高めた飲食品,サプリメント,医薬品,化粧品などが商品化されている.高等生物のモデル生物として,また発酵化学産業において重要な酵母のアミノ酸代謝とその調節機構は多種多様であり,それらの分子機構の解明によって,生命現象や細胞機能に対する理解を深めることができる.一方,酵母の細胞内アミノ酸含量を制御することで,アミノ酸そのものや代謝関連物質の生産,付加価値を高めた発酵・醸造食品の製造などが期待できる.本稿では,酵母におけるアミノ酸の代謝調節機構と生理機能,産業応用に関して,筆者らの研究を中心に概説する.

This page was created on 2024-08-30T08:38:02.227+09:00
This page was last modified on 2024-10-18T08:05:57.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。