酵母におけるアミノ酸の代謝調節機構・生理機能の解析および発酵・醸造への応用
奈良先端科学技術大学院大学研究推進機構 ◇ 〒630–0192 奈良県生駒市高山町8916–5
発行日:2024年10月25日
アミノ酸は生体内のタンパク質の構成要素であり,栄養素やエネルギー源,呈味成分としてだけでなく,細胞内や血漿中に遊離の状態で存在し,多彩な生理機能を担っている.近年,その生理機能が注目され,アミノ酸の添加によって機能性を高めた飲食品,サプリメント,医薬品,化粧品などが商品化されている.高等生物のモデル生物として,また発酵化学産業において重要な酵母のアミノ酸代謝とその調節機構は多種多様であり,それらの分子機構の解明によって,生命現象や細胞機能に対する理解を深めることができる.一方,酵母の細胞内アミノ酸含量を制御することで,アミノ酸そのものや代謝関連物質の生産,付加価値を高めた発酵・醸造食品の製造などが期待できる.本稿では,酵母におけるアミノ酸の代謝調節機構と生理機能,産業応用に関して,筆者らの研究を中心に概説する.
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