「オルガネラ接触場の新たな機能」~MERCsを介した物質輸送とミトコンドリア制御機構に注目して~
学習院大学理学部生命科学科 ◇ 〒171–8588 東京都豊島区目白1–5–1
発行日:2024年10月25日
オルガネラ接触場は,異なるオルガネラが互いに近接し,コミュニケーションを取り合うための領域であり,特に注目を浴びている「ミトコンドリアと小胞体の接触領域(MERCs)」は,ミトコンドリア機能維持や細胞増殖などの多彩な現象に関与する.その機能異常が疾患の原因となることも指摘されており,MERCsの重要性に関する研究は盛んに繰り広げられてきたが,常に変化し続けるMERCsの形成を評価する解析手法が限定的であるという問題点もあった.筆者らは2006年にミトコンドリアユビキチンリガーゼMITOLをミトコンドリア動態制御分子として同定し,その後MITOLがMERCsの形成制御を担うことを見いだした.本稿では,MITOLを足がかりとして同定された新たなMERCsの役割,さらには生細胞内での生理的なMERCsの評価手法について最新の知見を紹介する.
© 2024 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2024-08-29T17:33:39.027+09:00
This page was last modified on 2024-10-17T09:05:16.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。