Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(5): 662-675 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960662

総説Review

プロテインキナーゼCK2の核内分子機能Molecular function of protein kinase CK2 in the nucleus

公立大学法人福島県立医科大学医学部生体物質研究部門Department of Biomolecular Sciences, Fukushima Medical University School of Medicine ◇ 〒960–1295 福島県福島市光が丘1番地 ◇ 1-Hikari-gaoka, Fukushima 960–1295, Japan

発行日:2024年10月25日Published: October 25, 2024
HTMLPDFEPUB3

プロテインキナーゼCK2はセリン/トレオニンキナーゼの一つで,リン酸化酵素としての活性は1954年に初めて同定された.その後の研究から,すべての真核細胞に存在することが明らかとなり,多くのCK2基質が見いだされるとともに,生存,増殖,分化,などさまざまな生理機能へ重要な役割を果たすことがわかってきた.恒常性維持へ寄与するハウスキーピング酵素と考えられてきたが,近年では環境に応じたCK2の活性変動や細胞内局在変化が起こることも報告されてきた.本稿では,細胞周期進行に伴うCK2核内移行の研究から明らかになった,核におけるエピジェネティックなCK2機能と,がん再発症例で見いだされた核小体へのCK2集積等について概説する.

This page was created on 2024-09-10T14:11:09.264+09:00
This page was last modified on 2024-10-18T09:26:27.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。