RNA認識による自然免疫応答Innate immune responses triggered by RNA recognition
京都大学大学院医学研究科医化学分野Department of Medical Chemistry, Graduate School of Medicine, Kyoto University ◇ 〒606–8501 京都市左京区吉田近衛町 医学部A棟 ◇ Yoshida-Konoe-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606–8501, Japan
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核酸は,あらゆる生命体にとって細胞機能の根幹をなす物質である.Toll様受容体やRIG-I様受容体など,核酸を感知するシステムは,自己と非自己を巧みに識別し,ウイルスの侵入に対してI型インターフェロンをはじめとした抗ウイルス応答を誘導する.しかしながら,外来性核酸のみならず,宿主由来の核酸もまた宿主の監視対象であり,その誤認識は過剰な自然免疫応答を引き起こす.
近年,コロナワクチンの開発により,人工核酸の細胞への導入にはRNA修飾が鍵であることが広く認知されるようになった.また,RNA修飾の解析技術の進歩に伴い,その分子機構の詳細が急速に明らかにされつつある.本稿では,RNAを中心とした自己・非自己認識の仕組みについて,これまでの知見を概観し,このようなメカニズムの破綻が自然免疫応答に及ぼす影響と,それに伴う病態について解説する.さらに,免疫を制御する核酸の役割について筆者らの最近の取り組みについて紹介したい.
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