G4バイオロジーG-quadruplex biology
熊本大学発生医学研究所ゲノム神経学分野Department of Genomic Neurology, Institute of Molecular Embryology and Genetics (IMEG), Kumamoto University ◇ 〒860–0811 熊本県熊本市中央区本荘2丁目2–1 ◇ 2–2–1 Honjo, Chuo-ku, Kumamoto 860–0811, Japan
熊本大学発生医学研究所ゲノム神経学分野Department of Genomic Neurology, Institute of Molecular Embryology and Genetics (IMEG), Kumamoto University ◇ 〒860–0811 熊本県熊本市中央区本荘2丁目2–1 ◇ 2–2–1 Honjo, Chuo-ku, Kumamoto 860–0811, Japan
DNA・RNA高次構造には多様性がある.DNAの基本的な構造は「B型DNA」と呼ばれる右巻き二重らせんであるが,それ以外にも左巻き(Z型),三重鎖(H型),ヘアピン型など「非B型DNA・RNA」が報告されており,配列の特徴や溶媒の環境により多様な構造を形成する.非B型の一つであるグアニン四重鎖(G-quadruplex:G4)は,グアニンが豊富な一本鎖のDNAおよびRNAにおいて形成される.G4は,物理学的に高い熱安定性やゲノム上の領域特性を有することから生体内での機能に注目が集まっている.しかしながら,G4の生物学的機能に関するエビデンスはいまだ少なく,未解明な点が多い.本稿では,G4の概要とその同定法,およびこれまでに報告された生物学的機能「G4バイオロジー」について述べるとともに,筆者が取り組んでいる神経疾患との関連性について紹介する.
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